雨@

雨、雨、雨、、、そう、天から降ってくるあの雨。雨なんか、どこだって同じだろ? それはあなた、心得ちがいというものです。雨の降り方も色々です。日本みたいに、3日にあげず傘マーク、それもやたら、ふられ雨、別れ雨、なげき雨やらなみだ雨、、、要するに、おセンチな雨ばっかりではないのです。

サハラ砂漠を中に挟んで、その北側のモロッコと南のサヘル地域に位置するセネガル、ニジェールなどでは、雨の降る時期、いわゆる雨期がまったく違っている。季節がまったく反対なのだ。モロッコの雨は秋の終わりから春まで冬を中心にして降る。セネガル、ニジェールの雨は夏。だったらその中間にあるサハラには、冬は北から夏は南から、低気圧がやってきて年がら年中雨ばっかりだ、傘屋が大繁盛だろう? あなた、なかなか冴えてます。サハラで傘屋やってみますか、、、競争相手もなさそうだし、市場独占できるかも。

さてと、モロッコに雨をもたらす前線は、北の方から下がってくる。それに対して、セネガルやニジェールでは南の方から上がっていく。要するに、北と南の前線が、サハラの高気圧帯をはさんで、季節ごとに双方から敵陣深く攻め入ろうとねらいすましているわけである。ところがこれがおいそれとはいかない。南側、つまり赤道に近い方の低気圧はひと味ちがい、夏には、サハラの高気圧を北に押し上げる。それだけの力をもつ。そうでなければ、セネガルやニジェールは大干ばつで大ごとだ。けれども、北側、つまりモロッコに雨を降らせる低気圧には、サハラの高気圧を押し下げるほどの力はない。夏の日本、太平洋高気圧でも知れるとおり、亜熱帯の高気圧が腰をすえるとしまつにおえない。

生半可な根性では、低気圧が高気圧の牙城にまで切り込んで、中央突破などという荒業を行えるものではない。そんなことは、強力な相手に猫だましをかまして、とったりで引っ張り倒すようなもの。滅多に成功などしない。しかし、時にはそれがある。それについては別に記す。

地図の上、緯度0度の赤道とは別に、地軸の傾きからうまれる太陽の南北への移動によって、地球上で一番熱せられる地域は季節とともに変化する。そしてその太陽の位置によって生じ、移動するのが「気象上の赤道」。この気象上の赤道では、太陽に温められて大量の水蒸気が発生する。温められ軽くなった水蒸気が上昇気流を生み出して、上空に大量の雲を作り雨を降らせるのである。こうしてできる低気圧の帯を、熱帯収束帯と呼ぶ。衛星からの写真では、まるで地球が腹に帯でもまいたみたいに、長く細く白く写る。それが緯度0度の赤道をはさんで、南北の回帰線の間にひろがる熱帯地域を南下し北上するのである。衛星写真を季節ごとに対比させればよく分かる。

問題は雨を降らせた上昇気流のその後である。上空で地球の天井にぶち当たった収束帯の上昇気流は、横方向つまり緯度の高い方向に押しだされた後、次には下降しはじめる。乾燥し冷たくなった空気は重い。この下降気流によってできる高圧帯が亜熱帯高圧帯と称される乾燥気候帯となって、サハラ砂漠と同様に、各大陸に砂漠を生みだす。

熱帯収束帯つまり気象上の赤道が元気かどうかで、サハラの様子も左右されるし、周辺各地の雨の具合も変わってくる。もし、関心がおありなら、インターネットの検索ページで「全球合成赤外画像」と入力してみてください。高知大のホームページで、この収束帯の状態を3時間ごと更新で見ることができます。気象衛星は世界の姿を写しています。日本の雨以外にも、地球規模での雨について、時には想いを馳せてみるのも一興かと、、、。

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