講演会の中から
合宿訓練(前半)

さあ、いよいよ犬と視覚障害者との合宿訓練の始まりです。
この合宿訓練と言うのは、犬と視覚障害者の寝食を共にする訓練のことで、私たちが訓練を受けたアイメイト協会では約1ヶ月です。
寝食を共にすると言うのは、寝は寝ることだよね。そしたら、食は何かな?。
そう、食べる事だよね。
合宿訓練は、ご飯を食べる時にも寝る時にも、いつも一緒にして訓練を受けます。

アイメイト協会の合宿訓練は、みんなの小学校と同じで、まず、入学式があります。
その入学式は、理事長さんと言って、校長先生に当たる人が、いろいろなお話をして、その後、訓練士さんたちの紹介や挨拶などがあります。

そして、私のように盲導犬と暮らしたい人が、全国から来ていて、盲導犬を使いたい理由などを話します。
入学式はお話ばっかりで、私は少し退屈になり、早く犬に会いたいなと、人のお話はあんまり聞かないで、そのことばかりを考えていました。
けど、その日はそれで終わりで、とうとう盲導犬には合わせてもらえませんでした。

さあ、やっと犬とのご対面です。
次の日、アイメイト協会では、とても珍しい儀式がありました。
どんな儀式だと思?。分からないよね。
そう、アイメイト協会では、結婚式があるんですよ。
犬と人との結婚式なんて見たことがないよね。

犬と人との結婚式は、犬の口の中に手を入れることなんですよ。
噛まれないのかなあと思うと思うけど、盲導犬になるために訓練されている犬は、噛んだり吠えたりしないんです。
どうして犬の口の中に手を入れるのかと言うと、盲導犬を使いたいなと思っている人の中にも、犬が怖い人がいるからです。
その犬の口に手を入れることによって、盲導犬は噛んだりしないから怖くないんだよという安心感を与えるためなんです。

私は、始めて自分の盲導犬に会った時、とても小さくて静かだったのに少し驚きました。
理事長さんが、山戸さんあなたの盲導犬ですよ。名前はバーベリーです。名前を呼んであげてください。
と言われ、私は小さな声で、「バーベリー、バーベリー・・・・。」とくり返して呼びました。
すると、バーベリーは2歩3歩歩いてきて、私のホホを数回なめてくれました。
私は、その時、少しだけバーベリーの顔が見たいなと思いました。

さあ、午後からは街に出ての訓練です。
はじめて盲導犬と歩く日、私は期待と不安でいっぱいでした。

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