講演会の中から
盲導犬になるまで

こんにちは
今日は、私たちを呼んでくれてどうもありがとう。
私たちは、宿毛市の山田というところから来ました。
ここからだと少し遠いから、山田は知らないかな?。
少し前にできた、幡多県民病院の近くです。

今日は、盲導犬との訓練の様子や、田舎での暮らしをお話します。後で、少し体に障害がある人のお話もしたいなと思っていますので、よく聞いてくださいね。

まず、最初にテレビや本じゃなくて、実際街で盲導犬を見たことがある人手をたたいてください。
あれ、誰もいないのかな?。

そう、私たちが住んでいる幡多郡内には、私の盲導犬と、後1頭がいるだけです。もう1頭の盲導犬は、三原というところに、マッサージなどをしている人が使っているソロという男の子の盲導犬がいます。

中村市にも清水市にも、そして、佐賀や大方などにも盲導犬はいないんですよ。

そうすると、幡多郡には2等だけど、高知県にはどのくらいいると思いますか?。
そう、高知県にはインターネットで調べると6頭いると載っていました。
この数時、みんなはどう思うかな?。
高知県では6頭だけど、そしたら、日本全国ではどのくらいいるのかな?。
急に言われても分からないよね。
みんなはこの数時どう思うか分からないけど、日本では890頭の盲導犬が活躍しています。
小学生のみんなには、とても多い数字だと思うよね。
けど、アメリカやヨーロッパの国では、何千頭もいるんですよ。
それに比べて、日本は890頭だから、とても少ないことが分かるよね。

日本には、私のように目が全然見えない人が数万人いるといわれていて、その中で盲導犬と暮らしている人が890人だから、とっても少ないなということに気がついてくれたかな?。

次に、盲導犬になるまでのお話をします。
盲導犬になる犬は、お父さん犬とお母さん犬が決まっています。
その両親から生まれた犬は、2ヶ月になる頃まで、その両親がいる繁殖奉仕の家庭というところで育ちます。
2ヶ月くらいになった犬の赤ちゃんは、今度は飼育奉仕の家庭というところで、1歳になるまで育てられます。
この飼育奉仕の家庭では、将来盲導犬として情緒の安定した犬に育てられます。
情緒の安定した犬と言っても、みんなにはまだ難しいと思うけど、将来盲導犬になった時に、いろいろなお仕事がきちんとできるような性格にするためです。
この飼育奉仕の家庭は、子犬から大人の犬になる大切な時期です。
飼育奉仕の家庭にいる犬は、その家族に愛情たっぷりに育てられます。
 そして、1歳を過ぎた犬は、協会に聞き取られ、将来盲導犬としてきちんと活躍ができるように、3箇月から6ヶ月間、訓練士さんに厳しい訓練を受けます。

訓練の内容は、曲がり角では止まったり、階段を主人に教えたり、お店のドアを教えたり、駅で券売機のある所を教えたり、交差点で止まったり・・・・など、毎日の生活に必要ないろいろな訓練を受けます。

その訓練の中で1番難しいのは、不服従の訓練があります。
不服従の訓練と言うのは、主人が進めと言っても、すぐそばに車が来ていたり、大きな障害物があれば、主人の命令に従わない訓練のことです。

この訓練をするには、車を使って車の危険を教えたり、障害物を上手く避けられない場合には、訓練士さんが転んだりして見せて訓練をします。

それから、みんなは信号の判断は犬がしていると思うかな?。
私は始めは、信号の判断は犬がしてくれると思っていましたが、犬は色の区別ができなくて、信号の判断は主人がしているんですよ。

どうして判断しているのかは、時間があればこの次の合宿訓練のところでお話します。

こうして、繁殖奉仕の家庭、飼育奉仕の家庭、そして、協会での厳しい訓練を受けて、将来盲導犬としてきちんと活躍ができる犬の誕生です。

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