(17)テレビは大きらい! 私達は、テレビの取材を何度か受けた。最初は、マイクを突きつけられ緊張したが、訓練中は、マイクがつけられていることなどすっかり忘れており、「ご苦労さまでした。」と言われ、何度か、恥をかいたこともある。取材は、アイメイトを知ってもらうためには、かかせないことだと思い、受け入れていたが、デン!と、マイクを突きつけられてインタビューを受けることは、気が向かなかった。
沖縄の彼は、集中的に取材を受けていた。それに対して、彼は、あらゆる事に真剣に答え、テレビ局の人を、圧倒させていた。休日ともなれば、彼の部屋に、何時間もテレビ局の人がいたこともある。隣の部屋の私は、ときどき聞こえてくる彼の声が、あまりにも熱心なのに、頭が下がる思いがした。数々の勉強をしていないと、テレビ局相手に、何時間も話せる者ではない。彼自身の、生き方そのものが、一気に流れ出たような感じがした。私は、このときにも、勉強の土台が、根本から違うなあ!と尊敬した。
狭い意味で世の中を見るのではなく、すべての事に真正面からとりくんでいた。中途半端な考え方では、テレビ局相手に、何時間も話すことはできない。彼は、心が繊細なだけに、すべての言葉使いがていねいで解りやすい。その上、気持ちがこめられており、説得力がある。選挙に立候補すれば、当選まちがいないほどの雄弁家。
このクラスは、本当に話が好きな者ばかりで、中橋さんが、関心するのも解るような気がする。合同訓練も、あとわずか。私は、何を教えてもらったのか?何が、大切なことなのかがあまり解っていないような気がしていた。訓練中は、ただ、与えられたメニューをこなすことが精いっぱいで、教えられたことを、思い返す余裕はなかった。訓練中のことをいろいろ思い出してみたが・・・。
ただ、言えることは、協会全体がとてもひきしまっており、きびきびしていた。指導員達は、理事長さんを心から尊敬し、自分の仕事に、自信とほこりをもっていた。
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