つたない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。私にとって、連載を書くことなどははじめての経験で、とまどうことばかりでしたが、こうして無事に完結できましたことをうれしく思います。また、連載を書くに当たり「福祉センターのみなさん」・「音訳サークルほほえみ」そして、インストラクターの「黒いわさん(藤本電器)」・「手代岡のみなさん」・「隣保館のみなさん」・・・・には、何かとご協力いただき、この場を借りて感謝申しあげます。「ありがとうございました」 その上、「マイセルフネットワークのみなさん」には、インターネットを返して応援していただき、かさねてお礼申し上げます。私が、「バーベリーとの出会い」を書くようになったきっかけは、福祉ネット「マイセルフネットワーク」のホームページの話があり、軽い気持ちで「盲導犬との出会いを書いているんだけど・・・・。」などと言ってしまい、「それにしよう!」と言うことになり、話の方が先走りし、内容が後からついていったしだいです。この連載を書くことにより、私自身もいろいろなことを思い出し、反省することができました。文章の書き方は、ごらんのとうり全くのしろうとで、恥ずかしさは隠しきれませんが、それなりの流れはつかんでいただけたと思います。 私が、この文章を発表しようと思った理由の一つには、「視覚障害者の現状」を少しでも知って欲しいと言うことがありました。盲導犬との暮らしをとおして、見えない者と社会との関わりを考えていただければと思います。私は、今までに、見えないことで口では言えない惨めさ・つらさを何度も経験してきました。傷害を持って生きることは、そう簡単なことではないと感じています。世間で語られているような「きれいごと(理想的な考え)」だけでは生きてはいけないし、自分自信も、現実から目をそらせてはいけないと思っています。私は、常日頃、「お世話になっても、それに依存しない」と言うことを心がけています。周りの人にお世話になることばかりですが、その中で、自分なりに努力や工夫をしてきました。まだまだ、できないことばかりですが、私なりに考え、少しでも「豊かな心」で暮らしていきたいと思っています。 盲導犬を使用したいと思った理由は、「自分の判断で行動したい」と言うことのほかに、「社会の中に、自分なりに参加したい」と言うことがありました。今までは、わずか数百メートルの所へ行くにしても人の手を借りたり、その人の都合ばかりが気になり、積極的な考え方ができませんでした。人は、誰でもそうですが、気元の良い時ばかりではありません。途中で気が変わられたことも少なくありませんし、荷物のように、すみの方に追いやられたこともありました。そのようなことが続き、「近くだけでも自分で行動したい」と強く思うようになり、盲動犬の申し込みをしました。合宿訓練も終わり、田舎での暮らしの中で、いろいろな人と出会い、世の中の変化に驚いています。盲導犬歩行は、想像以上に難しいものですが、バーベリーとの暮らしが、私にとって大きな一歩です。最近では、学校や職場で「障害者問題」の勉強会がありますが、きれいな言葉で上手に語られるのではなく、一つでも現実に触れて欲しいと思います。頭の中だけで理解するのではなく、体で感じて欲しいと願っています。 障害者問題は、まだまだこれからだと感じていますが、もう一度回りを見つめなおし、社会の中に自然に受け入れられることを心より願っています。「陽は落ちて 我が瞳(目)のハーネス 急ぎ足 (ひはおちて わがめのハーネス いそぎあし)」 ** <完> 宿毛市山奈町山田 山戸 光子
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