アイメイト バーベリーとの出会い
(22)チャンピーがいたら40歳!

アイメイトは、私の目・愛すべきパートナー。嘘のない正直な気持ちで、私を見ていても私には見えないが彼女と出会って、私の世界は広がった。いつも、彼女は私を守ってくれる。彼女は、私の目・そして、私の命そのもの。日本で最初の盲導犬が、1957年8月に、現・アイメイト協会理事長「塩谷憲一」の手によって誕生した。それ以来、視覚障害者の歩行問題の解決手段として、数多くのアイメイトを送り出し、「わが国随いつの歴史と実績」をもっている。 

アイメイトとは、「私のI(アイ)」・「目のEYE(アイ)」・「Loveの愛(アイ)」を総括した名称で、使用する視覚障害者と、アイメイトの信頼関係・アイメイト協会で訓練を受けた高度な作業などを集約して、盲導犬とは言わず「アイメイト!」とよんでいる。 他の団体では「貸与」となっている盲導犬だが、アイメイトの所有権は「使用者本人」にある。この事は、アイメイトは使用者の「目」であり、「目を貸すことは、ありえない」と言う理念からきている。

アイメイト協会での、視覚障害者の歩行訓練は、使用者が卒業後、どこでも歩くことができるように、4週間で120KMを歩いて拾得するようになっている。そして、卒業時には、視覚障害者がアイメイトと単独で帰宅する。「卒業!」すなわち、「社会参加」となる。また、アイメイトは、主人の落とし物を拾ったり・ドアノブ・信号の押しボタン・自動改札の切符挿入口など、主人に教えるように訓練されている。財団法人「アイメイト協会」は、自治体からの委託費・および、一般からの寄付・基金の収益金で運営されている「非・営利団体」。主な事業内容は、犬だけの問題ではなく、視覚障害者の社会復帰と、適応のための自主歩行を成功させると言う観点から、視覚障害者の歩行指導・日常生活指導・歩行指導員の養成・アイメイトの繁殖と育成・そして、一般の人を対象に、毎月最終土曜日に「アイメイトセミナー」 を開催し、アイメイトの役割・視覚障害者の自立についての社会啓蒙活動などもおこなっている。** アイメイトの生い立ち「繁殖を受け持つ奉仕家庭」では、あずかった犬が出産し、離乳する生後2カ月までのめんどうをみる。その後、「飼育奉仕者の家庭」で、1年間にわたり、充分な愛情が注がれ、将来アイメイトとして活躍できる情緒の安定した犬に育てられる。生後1年2カ月で協会にもどった犬は、アイメイトになるためにさまざまな教育を受ける。そして、訓練を終了した犬は、視覚障害者との4週間の合宿生活にはいる。ここでは、入校式を経て、歩行指導・日常生活指導が毎日続けられる。入校生の中には、そのきびしさのために途中でリタイアし卒業できない者もいる。合宿生活では、1週間ごとにコース別のテストがあり、4週間目の最後の難関は、東京銀座での「卒業試験」。これに合格して、はじめてアイメイトを自分の目にすることができる。「一人と一頭の、新たな旅立ち!!」 **  {アイメイト協会・40年の歴史} 1948年(昭和23年)、現・アイメイト協会理事長が、盲導犬の育成を志し、目隠しの生活を体験しながら、その生育法に試行錯誤が始まる。

1957年(昭和32年)、「チャンピー」の訓練が完了し、8月には、盲学校で教職についていた「川井 清(かわい きよし)さん」の歩行指導を完了し、ここに、「国産第一号の盲導犬・チャンピー!」が誕生した。 

1969年(昭和44年)、このとし、塩谷憲一の努力が認められ、東京都の盲導犬委託事業が始まった。

1971年(昭和46年) 10月10日、塩谷個人の土地を基本財産として寄付し、財団法人「東京盲導犬協会」の設立認可を受ける。

1972年(昭和47年) 10月10日、社会的な啓蒙活動として、第1廻「アイメイトデー」を実施。移項、この催し物は毎年続けられている。 また、この年から特許庁にも届けていた 「アイメイト」のこしょうを、社会啓蒙の大きな柱として使用を始めた。 

1977年(昭和52年) 4月26日、当時、参議院議員の原谷氏が国会において、盲導犬に対して質問し、史上はじめて視覚障害者が国会の議事を傍聴した。この国会質問を期に、「国鉄の自由乗車」が実現した。

1978年(昭和53年) 12月1日、道路交通法の改正により、目のみえない者は、「白杖・または、盲導犬を伴って歩くこと」と成文化され、盲導犬がはじめて、法律的に認められた。

1985年(昭和60年)、アメリカの「ザ・シイーングアイ」から、訓練部長を招いて、「第一廻・盲導犬歩行訓練国際交流セミナー」を開催。

1989年(平成元年) 4月1日、かねてからの念願がかない、財団法人東京盲導犬協会は、財団法人「アイメイト協会」へと名称変更が認められた。

1990年(平成2年)、「国際盲導犬学校連盟」に加入し、「正会員」となり、国際的にも、すぐれた活動が認められた。 また、このとしには、アイメイト使用者が「500人」をこえた。

1992年(平成4年) 10月、「ザ・シイーングアイ」から、事業部長をまねいて、「第2廻・盲導犬歩行訓練国際交流セミナー」を開催。

1996年(平成8年) 10月、新しい訓練施設「アイメイト協会・視覚障害者歩行訓練センター」が完成した。1997年10月までの、 アイメイト使用者の累計は「722人」におよび、全国各地で活躍している。<アイメイト誕生40周年・記念ビデオより> ちなみに、バーベリーは「679号」。アイメイト使用者が多くなれば、それだけリタイア(引退)犬も増え、わが国では、まだまだ、「アイメイトが足りない!!」

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