ふしぎ

言葉の不思議

●さぼることを、どうして油を売るって言うの?
味噌や、醤油ではなぜいけないの

それは、昔なたね油や、椿油を売る商人が、まじめに仕事をしているがゆえに、客と話し込んでいたのに、他人には、怠けているように見えたことが由来だとか。
仕事中、おしゃべりに熱中していると、油を売っているんじゃない、としかられたりするけど、この油を売るという言葉、実は、まじめな仕事ぶりが誤解されて生まれた言葉。。

昔、行灯などに使用する、なたね油を売り歩く油屋は、一軒一軒、升で量って売っていた。
ところが、なたね油は、水飴のようにねばねばしていて、升の中から、なかなか落ちきらなかったそう。
しかも、当時は、米が1升100文だったのに対して、なたね油は、1升300文もする高級品。
買ってもらった分のなたね油は、きっちり渡さなくては、という客への心使いから、油が落ちきるのをずっと待っていたそう。
その待ち時間をうめるために、客と長話をしていた。
また、髪の毛につける椿油を売る商人の油店でも、主に、女性のお客さんたちと、セールストークをたっぷりして、売ることが多かったとか・・・。どちらの場合も、本人は、いたってまじめに仕事をしていた。
でも、他人から見ると、のんきに世間話をして、仕事を怠けているようにしか見えなかったことから、いつしか、油を売るが、仕事などをさぼっている様子を表す言葉として使われるようになったとか。
だからと言って、油を売るのはまじめに仕事をしているということなのよ、なんて屁理屈をこねても、現代では通用しないと思うから、仕事中は油を売らないように、くれぐれも注意して。

●虫唾が走るってどういうこと
それは、かつて人間の体の中には虫がいて、その虫が吐き出す唾(虫唾)がこみ上げてくると、気分が悪くなると考えられていたからだそう。
いやでいやでたまらないことに対して使う虫唾が走るという言葉、虫唾とは、実は虫が吐き出す唾のことだったとか。
人間の体の中には、3匹の虫がいると考えられていて虫唾を漢字で書くと、虫の巣、または、虫の唾。
人間の体の中には、虫がいるとされ、その虫の吐いた唾が、宿主の人間を気持ち悪くさせると考えられていたんだそう。
走るとは、口にこみ上げてくるという意味。

気分が悪くて、むかむかする時に、胃酸がこみ上げてくることがあるけど、どうも、胃酸がその虫唾の正体。
体の中に虫が住むというルーツは、紀元前500年頃に、中国で生まれた同教にある。
それによると、人間の体の中には、馬や子どもの姿に似たさんしという3匹の虫がいて、50日に一度、宿主の人間が寝ている隙に体を抜け出すとか・・・。

虫唾が走る以外にも、虫の居所が悪い、腹の虫が治まらない、虫が好かない・・・など、虫にまつわる言葉はいろいろ。
でも、なぜかどれも悪い意味ばかり。

その理由は、体の中の虫が、病気を起こしたり、悪い感情を呼び起こすものだと信じられていたから。
昔、多かった寄生虫による病気を想像してしまうため、どうしても、悪いイメージの表現が多くなってしまった。
 また、虫は人間の意志とは関係なく暴れると考えられたので、時には好都合な言い訳にも使われ、かんしゃくを起こしたり、人を嫌ったりするのは、自分はそんなつもりはないけれど、腹の中の虫が嫌うから、とごまかしたのだとか。
虫たちにとっては、些か、迷惑なお話。

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