アウリンのどじ話(食べ物編 その1)

失明して15年、三度三度の料理つくりの失敗や、勘違いは数知れず・・・。
アウリンの失敗&どじ↓

●その1
失明して間もない頃、数人の知り合いが、人中見舞いに来てくれた時のこと。
その日は、とても寒い日で、何か暖かい飲み物を出そうと思い、コーヒーを入れることにした。
なぜ、コーヒーにしたのかというと、まだ、あの頃は紅茶などの色の出具合が分からなかった。
カップを4つ用意して、コーヒーを入れ、お砂糖とフレッシュは、ソーサーの上に置いて出した。
普段は、知り合いたちは、わいわい言って飲んでくれるのに、その日は何だか様子が違う。
「どうしたの?」と聞くと、申し訳なさそうに、「一つのカップは白湯だよ。」と言った。
そう、一つ一つ入れたつもりが、同じところに二杯分入ってしまい、一つのカップは白湯だったというわけ・・・。
せっかく、レンジでカップまで暖めて、格好つけたのに〜〜。

けど、この失敗があったことで、妙に安心したような気がした。
今までずっと、失敗を恐れ、余分な神経を使ってきたように思う。
そんな失敗があってからは、気心の知れている者には、「自分で入れてよね。」ということも言えるようになったし、他の人でも、「きちんと入ってる?」と、自分の方から聞くこともできるようになった。

●その2
今の事務所に入った頃、会議が終わりご飯でも言うことになり、近くのお寿司屋さんに言った時のこと。
一杯飲みながら、お寿司をつまんだ。
最初は、気難しい話をしていたけど、一杯が二杯になり、二杯が三杯・・・・に。
宴たけなわという頃、何だか、お寿司がおいしくないのに気がついた。
飲みすぎて味が分からなくなったのかなと思っていたけど、どうもそうではないらしい。
ビールの味も分かるし、他の料理の味も分かる。
おかしいなと思いながら食べていたら、席の前のスタッフが、「寿司につけているのは、それ、醤油じゃなくて、がりが入っていたお皿だよ。その中には、何もないよ。」と笑った。
そう、アウリンがお醤油の入っているお皿だと思い込んで、お寿司につけて食べていたのは、実は、何も入っていないお皿だったというわけ・・・・。どおりて、おいしくないはずだ〜〜わ。

●その3
講演会が終わった後、主催者側の方が、お食事でも・・・と言うことで、その辺りではかなり気の利いているホテルのレストランに招待してくれた。
その日は、盲導犬に洋服を着せていなかったし、雨が降っていたので、コートを着せていたから、食事はお断りをしたけど、レストランのオーナーが、「盲導犬もOKですよ。」と言ってくれたので、車を降りた所で、少しタオルでふいただけでお店に入った。
レストランの中には、きちんと準備されていて、そのまま席につき、あれこれと雑談しながら、食事をしていたら、真正面に座っている保護者会長さんが、「あれ、先生の料理は、我々のものより一品多いんですね。」と笑った。
他の人も、「そういわれてみると・・・。」なんて言うものだから、どうしたのかな・・・と、そのまま食べていたけど、アウリン自身も、妙に気になり、シェフが来たので、「私のお料理、みなさんのものより一品多いみたいですけど、これって、大サービスですか?。」と聞くと、シェフが、笑いながら、「そうですよ、私からのサービスです。ワンちゃんも、お役目を無事に果たされたのですから・・・。うちでは上等のお肉です。ワンちゃんに食べさせてあげてください。」と言った。
そう、アウリンが半分ほど食べたのは、盲導犬のご褒美に出してくれたステーキだったというわけ・・・。
まあ、盲導犬はご褒美なんて食べないし、上等のお肉が食べられて良かったわと開き直るしかなかった。
シェフが、「あれ、ご説明していなかったですか。皆さんが食べているお食事より上等のお肉だったから、お母さんが食べちゃいましたか。」と、ゲラゲラ笑った。
 結婚式などに行くと、「ワンちゃんのお食事、どのようにさしていただきましょうか。?」とか、「お座部(敷物)は・・・?。などと聞かれることもある。
それにしても、いくら食いしん坊とはいえ、盲導犬のご褒美まで食べたとは・・・・。いくら何でも・・・なあ。

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