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膠原病のミニ知識

■膠原病を知ってる?
膠原病とは、細胞と細胞を繋ぎ合わせる働きをする結合組織と呼ばれる成分に、慢性の炎症がおこる、自己免疫疾患の総称。
ほとんどが、原因不明の難病で、現在、日本での患者数が60〜70万人と見られる関節リュウマチも、その一つ。
発症すると、一生付き合わないといけない膠原病だけど、最近の治療法の進歩や、新たな薬の開発。
さらに、診断技術の進歩に伴う早期発見で、長い寛解を維持することも可能になってきた。

■膠原病とは、どんな病気?
膠原病とは、細胞と細胞を繋ぎ合わせる結合組織という成分に、慢性の炎症がおこる、いくつもの疾患の総称。
その炎症を導くメカニズムには、自己免疫が深く関与している。
自己免疫では、本来、自分の体を守るために働くはずの免疫機能に異常をきたし、自分の体を攻撃するようになる。

もう少し詳しく言えば、体外から侵入した抗原(異物)に対して、抗体を産生し、その抗体が、抗原を攻撃、排除するのが、通常の免疫応答だけど、何らかの理由で、自分の体の攻勢成分に対して、この免疫応答がおこり、大切な組織や、細胞が壊されてしまう現象が、自己免疫。
また、膠原病は、心臓病とか、腎臓病のように、名称に特定の臓器名がついている他の病気とは違い、多くの臓器がおかされる全身性疾患。
結合組織は、全身に分布しているため、膠原病を発症すると、全身に傷害が及ぶことが多い。
 したがって、膠原病とは、自己免疫により、結合組織に慢性炎症がもたらされる、全身性疾患で、しかも、どの疾患も、原因不明で、寛解を導くことはできても完治することは、なかなか難しい病気。

■病気は、何種類あるの?
膠原病には、多くの種類があり、類縁の疾患も含めると、その数をはっきりと決めることは難しい。
比較的患者数の多い、膠原病の中でも代表的なものは、患者数が一番多い、関節の骨が壊れていて、運動が制限される、関節リュウマチ。
日本には、60〜70万人の患者さんがいると言われている。

その次に多いのが、腎臓をはじめ、全身の臓器が犯される難病の、全身性のエリトマトーデスで、患者数は、4〜6万人。
皮膚が硬くなる、強皮症という疾患もある。
患者数は9000人と、そう多くはない。
また、関節リュウマチ患者の、約30%が併発している、シェーグレン症候群は、唾液腺や、涙腺の炎症により、唾液や涙が、極端に減少する疾患。

他にも、全身の筋肉が炎症を起こす、多発性筋炎。
多発性筋炎に、皮膚症状を伴う皮膚筋炎。
全身性エエリテマトーデスと、強皮症と、多発性筋炎を合わせた症状がみられる、混合性結合組織病。
大小の血管に炎症が起こる、血管炎症候群などがある。

膠原病には、数多くの病気があり、いくつかの膠原病を合わせ持つ人も少なくない。
それも、膠原病の特徴の一つ。

ほとんどの膠原病に共通する症状としては、発熱、全身倦怠感、関節炎による痛みなどがある。
共通する症状に、関節炎があることから、膠原病は、リュウマチ性疾患の一つになっている。
リュウマチ性疾患とは、骨、関節、筋肉などの運動器に傷害が及ぶ疾患を総称して、リュウマチ性疾患という。
老化のために、腰が曲がるなどの、変形性関節症や、細菌に感染した場合に起きる、関節炎なども、リュウマチ性疾患に含まれる。
膠原病は、リュウマチ性の疾患の一つであり、さらに、膠原病の一つに、関節リュウマチという疾患がある。

■膠原病の原因は、全く不明なの?。
現在のところ、不明と言うしかないけど、発症に関与している因子には、少なくても、何らかの遺伝的素因と、いくつかの環境因子があると言われている。
その遺伝的素因が、どのようなものかは確定されていない。
遺伝的素因が関与しているとされるのは、膠原病を発症した親戚、縁者には、同様の病気を発症する人が出る確立が高いという事実があるから。とはいえ、遺伝的素因だけが、発症の要因ではないということも、同時に言える。

遺伝的素因以外に、どのような因子があるかと考えれば、それは、環境因子に他ならない。
遺伝的因子に、いくつかの環境因子が合わさることで、自己免疫が誘発され、結合組織の炎症がもたらされる。
そうやって、膠原病は発症するのではないかと考えられている。

■膠原病は、人にうつるの?
膠原病は、人にうつるような病気ではない。
膠原病は、ウイルス、紫外線、化学的な刺激(薬など)。
化学的な刺激には、薬などの他に、シリコンやパラフィンといった物質がある。
美容整形術を受けて、体内にこれらの物質を注入した人に、膠原病、中でも、強皮症の発症頻度が高い。
シリコンや、パラフィンには、体内で蛋白質と結合して、その蛋白質の抗原性を高める性質があるため、そこで、自己に対する免疫応答を誘発する可能性がある。
とはいえ、この問題については、因果関係が明確に証明されているわけではない。
なぜなら、美容整形術を受けたことを、自分から口に出す人はめったにいないし、美容整形は、保険適用外だから、いったい、どれだけの人が、それを受けてるかの正確な数を把握することは不可能。
だから、あくまで、その危険性があるようだとしか言えない訳だけど、臨床の場で患者さんを診ているドクターたちは、美容整形術後に、強皮症などを発症する人の確立は、高いという印象もあると言う。

■その他には、どのような危険因子があるの?
これは、先天的なことではあるけど、女性であるということも、膠原病の危険因子。
なぜなら、膠原病のほとんどの疾患において、男性よりも、女性の患者数が、圧倒的に多い。
さらに、疾患によって違いはあるけど、基本的には、女性としての機能が、最も高い時期に発症しやすく、初潮前、あるいは、閉経後には、発症しにくい。

その理由は、よく分かっていないけど、エストロゲンという女性ホルモンが、免疫応答の増強因子であり、アンドロゲンという男性ホルモンが、免疫応答の抑制因子であることに関係している。
具体的に言うと、男女に同じような抗原刺激を与えると、女性の方が強く反応しやすいという特徴がある。

それ以外にも、外傷や手術が上げられる。
体の組織が傷害されると、その場所に炎症が起こり、さらに、細胞が破壊されたりすることで、自分の体の成分が、細胞外に放出されることになる。

炎症に関連して放出される物質には、免疫応答を増強するものもあり、この仮定で、自己免疫が誘導される可能性がある。
ストレスなども、発症に大きく関与されると言われている。

ストレスは、免疫を担当する細胞に、良くない影響を及ぼすことがあり、ストレスをかけると、肝細胞を殺す働きを持つnk細胞の量が、著しく減少する。
nk細胞とは、ナチュラルキラー細胞のこと。
また、ストレスに伴って、脳から分泌される神経ペプチドと呼ばれる物質は、免疫機能を増強すると考えられていて、自己免疫の誘発や、病気の増悪に繋がる可能性がある。

さらに、ストレスは炎症の増悪因子でもあり、徹夜をすると、普段では何でもなかった歯が痛くなったり、吹きでものが出た経験を持つ人も多いと思うけど、これらは、ストレスに関連している。
ストレスがかかると、体内での副腎必須ホルモンの分泌量が減少する。

膠原病は、免疫の異常と、それに伴う炎症から成り立っている疾患で、ストレスは、この両面で、膠原病の発症と、増悪に関与していると考えられる。
どの病気も、早期発見しても、完治できないのが残念。
とはいえ、完治することはできなくても、早期発見で、適切な治療をすれば、日常生活を送ることは決して不可能ではない。

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