ポッケの中から

一番近くて遠いあなたへ

 初めて出会った 思い出の街 神戸
二人で借りた 小さなマンション
窓の外 肩寄せ合う恋人たち
背丈にも足りない もみの木
全てが とても大き過ぎて
一人ぼっちの この部屋
やけにうるさい 時計の音
静か過ぎる この刻
部屋いっぱいの 携帯の音
部屋いっぱいの しゃべらない言葉
さめたコーヒー 一気に飲みほし
電話の向こうから 聞こえて来たのは
「・・・・・」

もう どんな言葉もいらない。
握りしめていた携帯 ほうり投げ
過去を消すかのような 暑いシャワー
バスローブのまま 聞いたCD
二人で作った たくさんの歌
どこまでも続く 白い砂浜
一人だだをこねた あの日
バイトして買った ギターやピアノ
思い出がいっぱいの この部屋
楽しかった日々 肩にあまえたあの頃
ベッドに顔をうずめ
彼が残していった ティファニーのブレス
震えるその手 いつまでも・・・・

静かに 今日が終わっていく
この部屋で始まり終わっていく
初めてであった 思い出の街 神戸
二人で借りた この部屋
今はもう 大きすぎて
部屋いっぱいの思い出の香り
部屋いっぱいのしゃべらない言葉
そっと ピアノを弾いてみる
ほほを流れる いくつもの涙
震える 指先に落ちて
何かを かき消すように
そっと ピアノを弾いてみる
初めて出会った思い出の街、神戸。
静かに今日が終わっていく
ここで始まり、 終わっていく

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