キャベツ畑

☆☆味つけのヒント
昔から味付けの順序は、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」の順に加えると言われています。
「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ(せは旧かな使いでせと言う)」は醤油、「そ」は味噌のこと。

理由は、砂糖を塩より先に入れるのは、砂糖は塩より分子量が大きいため、塩を先に加えると、分子量の大きい砂糖は後から材料に入りにくくなるため。煮汁の少ない煮物ほど、この傾向が強くなる。

醤油や味噌などを後から加えると言うのは、醤油や味噌は香りの調味料で、早く入れて香りが飛んでしまうのを防ぐため。

☆☆味付けのタイミング
煮物の味付けは、材料が柔らかくなってから味がしみ込むため、十分に柔らかくなってから加えることが基本。

順番としては、砂糖、塩、醤油または味噌の順に加える。

調味料は、材料の上に直接かけるのではなく、液体(出し汁など)に混ぜてから全体に行き渡らせる事が大切。

例外として、魚は生臭みやうま味が汁に溶け出すのを防ぐために、調味液を煮立たせたところに魚を入れる。特に、大量の魚の煮物などは、材料が沸騰するまでに時間がかかり、魚の生臭さが煮汁に出てしまう傾向がつよくなる。少量の魚の煮物などは、はじめから材料を入れても、それほど、出来上がりには差はない。 また、手早くぱっと仕上げたい煮物(さやいんげん、ほうれん草など)の場合、色よく仕上げたい時、レンコンをシャキッと煮たい時なども、調味液を作ってから材料を入れる。いため物の場合も同様で、調味料を準備していためはじめ、材料に8割型火が通ったところで手早く調味する。

☆☆味をしみ込ませる物と、外につける物。
砂糖より塩を先に加えると、分子量の関係で味が中までしみにくくなるが、料理によっては味が中まで染み込んだ方がおいしいものと、表面についている方がおいしい物があり、おでんやシチューのような煮込みは、中まで十分に味がしみ込み、全体に均一に味がついている方がおいしいと感じられるものと、おにぎりの塩味や、刺身の醤油・・・などのように、表面の濃い塩味と、中の淡白な味のコントラストがおいしさになっているものとがある。調味料が食品の中にどのように入っているのかを知っていることが、いろいろな素材を生かすことにも繋がる。

最近は、健康のために食塩の取り過ぎには気をつけましょうと言われているが、表面につける塩分は、減塩の効果がある。例えば、醤油や塩を加えて炊く炊き込みご飯などは、食塩味は0.7%がおいしいと言われているが、白いご飯のおにぎりや、醤油などを塗って焼く焼きおにぎりなどは、全体に味を染み込ませたご飯の塩分より少なく、半分の塩加減でもおいしく感じられる。その他にも、いもなどを煮る場合にも、煮汁がなくなって塩味をつけると、表面にしっかりと味がつきおいしく感じられる。

☆☆隠し味。
主となる味に対して、ほとんど味を感じない程度の調味料を加えるということで、しるこやあんこに少量の塩を加えたりする。たまに、塩を入れ忘れたりした時には、味そのものがぼやけてしまい、しまりがなくなるが、入れ過ぎには注意しなければならない。

隠し味とは少し異なるもので、塩味がきつ過ぎた場合は、少量の酸味やうま味調味料(グルタミン酸ナトリューム)などを加えると、塩味が和らぐこともある。ラーメンのスープが濃過ぎる時にも、少量のお酢を加えると塩分がやわらいだり、コーヒーに砂糖を加えるのも、コーヒーの独特の苦味を緩和させることができる。

☆☆調味料の特徴
☆砂糖
砂糖は、我が国ではさとうきびから作ることが多いが、一般に市販されている砂糖は、上白糖、中白糖、三温糖があり、その他に、グラニュー糖、粉砂糖、黒砂糖、氷砂糖などがある。

上白糖は、一般的に多く使われている砂糖で、精製率が高く真っ白な砂糖。 また、中砂糖、三温糖も同じ種類の砂糖だが、精製率の割合で上白糖、中白糖、三温糖に分けられている。

さんおん糖は通常赤砂糖とも言われ、精製率は低いもののビタミンやミネラルなどが含まれており、濃厚で特有な風味がある。

さんおん糖は、素朴なお菓子や、欧米などでは伝統的なケーキなどにも使われたり、いもや大根などをこっくりと煮たり、佃煮を作る時にもよく使われている。

黒砂糖は、三温糖よりも精製率が低く独特の風味があるため、かりんとうや茶まんじゅうの素朴なお菓子や、昔ながらの料理に多く使われている。

氷砂糖は、純度100%で、砂糖の結晶の固まりである。氷砂糖は、一般的に果実酒を作る時に多く使われている。この砂糖は固まりのため、少しずつ液体の中に溶け出し、砂糖の濃度がゆっくり濃くなり、中の果実がやせて固くなることが少ない。その上、純度100%の砂糖のため味に癖がなく、果物などのさわやかな味をよりいっそう引き立ててくれる。

グラニュー糖も純度の高い砂糖で、氷砂糖と同様癖がなく淡白な味で、お菓子やケーキ、コーヒーや紅茶などのデリケートな風味を味わうものに使われている。 また、ジャムなどのように大量の砂糖を煮込む場合も、グラニュー糖を使うと、色がつかずきれいに仕上がる。

粉砂糖は、粗目やグラニュー糖を細かく粉状にしたもので、クリームなどを泡立てる時に結晶(砂糖の粒)が残らないため、口当たりがなめらかに仕上がる。ケーキのでき上がったものにふりかけたりすることもある。粉砂糖はとても固まりやすい性質があり、固まりを防ぐために少量のでんぷん(コンスターチ)が混ざっている。

最近では、料理やお菓子作りなどでは、量をひかえ、素材のもつ自然な甘味を大切にするという傾向になって来ているが、砂糖は、ジャムやお菓子のように、食品の酸化を防止して、保存するはたらきを持っている。 また、甘味は食べる時の温度によって感じ方が違い、体温と同じくらいの温度が、1番甘く感じる。そのため、料理によって冷ましたり、温めたりして食べるものは、少し砂糖の量を増やす事も大切になってくる。

☆塩
塩は、人体にとってかかせない成分で、最も基本的な調味料と言われている。塩は、昔は塩田で海水を濃縮して作られていたが、現在は、イオン交換法で工場で作られるのが一般的になっている。

市販されている食塩にはいろいろな種類があり、用途に合わせて使い分けることが大切。

荒塩、天然塩と言われているものは、塩化ナトリュームを95%含み、そのたの食塩に比べて多くのミネラル(カルシューム、マグネシューム・・・)などが含まれており、まろやかな塩味になっている。この塩は吸水性が高く、すぐにべとついてしまうのが特徴で、計量スプーンなどでの計量がしにくい。

精製塩は、天然塩を水に溶かして濃縮し、再結晶させたもので、塩化ナトリュームが99%以上含まれている。天然塩に比べて給水性は低く、一般的に家庭用として最も多く使われている。 また、食卓塩は、精製塩の周りに、炭酸マグネシュームと炭酸カルシュームをコーティングし、て、水分の吸収性を防いだもので、加工した塩でさらさらしている。カルシュームの化合物が入っているため、澄まし汁などに入れるとにごることがある。

その他には、加工塩と言って、うま味成分を加えたもの(味塩)や、香辛料などを加えたもの(粉のにんにくを加えたガーリックそると)、セロリーのフレーバーが入った(セロリーそると)・・・などや、さんしょうの入ったさんしょう塩などがあり、料理によって使い分けることが大切。 塩の使い方はなかなか難しいと言われており、単に塩味をつけるだけでなく、他の味を引き立てたりおさえたりするなど、味のバランスのかぎに当たる。

昔から塩梅と言う事柄があるように、兆度塩梅が良いと言うのは、塩味と梅のバランスが良く、物事が上手くいくということのシンボルとして使われていることからも分かるように、塩味は、味付けの基本となっている。 また、塩は味をつけるだけでなく、歯ざわりなどの食品の物性などとも大きく関わっており、キュウリの塩もみなどのしゃきしゃき感やぽりぽり感などは、塩の脱水作用から生まれたものであり、他にも、魚の切り身に塩をふると、魚臭さが流れ出るだけでなく、身がしまって焼きやすくなる。

最近は、砂糖と同様少なめに使用することが理想のように言われているが、塩の脱水作用によって仕上げられる料理では、やみくもに減塩するわけにはいかず、短時間に脱水させたい料理の場合は、それなりの塩が必要になってくる。

茶碗蒸しなどの卵料理では、塩は、卵が熱によって固まる力を増すはたらきを利用したもの。 ちなみに、砂糖は塩と反対に固まるはたらきをおさえるため、プリンなどには砂糖を多く用いる場合もある。

☆酢
酢は歴史の深い調味料で、穀物や果実の汁が発酵して酒ができ、これに菌がついて酢になる。一般的に使われている酢には、一部合成酢もあるが、ほとんど醸造されたものが使われている。

米酢は米を材料としたもので、純米酢として売られている。まろやかな酸味で、寿司飯に使われることが多い。

穀物酢は小麦やいろいろな雑穀が原料になっている酢で、すっきりとした酸味でストレートな味がするため、さっぱりとした酢の物などに使われることが多い。

他にも、ぶどうを原料としたぶどう酢(ワインビネガー)は、サラダのドレッシングやマリネなどの洋風料理に多く使われている。ワインビネガーと同様に、りんごを原料としたアップルビネガーなどもある。 また、醸造酢に対して、だいだい、柚、すだち、、かぼ酢・・・など、フレッシュな酸味の生酢があり、醸造酢に比べて沢やかな酸味(クエン酸が魅力で、用途によって使い分けることが大切。

その他に、よく使われているものにポン酢があるが、ポン酢と言うのは、オランダ語のポンス)から来ているもので、ポンスと言うのは、かんきつ類の汁物という意味。

最近では、醤油やうま味調味料を加えた物もポン酢と呼ばれている。酢は味をつけるだけでなく、殺菌効果(夏場のご飯に少し混ぜておくと、ご飯が腐りにくくなる)ことや、魚の酢しめなどその作用を利用したもの。 また、酢の酵素のはたらきを、おさえる力を利用して野菜のあく抜き、下ゆでなどの時にも用いる。ごぼうやうどなどを、酢の入った水に入れると白く仕上がるのはこのため。

☆醤油
醤油には、大きく分けると濃い口醤油、薄口醤油があり、主な違いは色の濃さ。濃い口醤油は、一般に醤油といわれているもので、塩分は約18%で、同じ量の塩の5分の1になっている。

薄口醤油は関西で生まれ、現在も西日本で使われている醤油で、色が薄茶色で、うま味も少なくあっさりしている。野菜や白身魚など、素材のもち味を生かして薄味に仕上げたい時に用いる。薄口醤油の塩分は約20%で、色とは逆に濃い口醤油より塩分が高くなっている。

他にたまり醤油があり、醤油の原形のようなもの。たまり醤油は、大豆に塩を加えて発酵させ、その出てきた汁を使うもので、普通の醤油と比べて、とろりとした濃度があり、塩分はそれほど高くないが、味噌に似たような独特の風味がある。 また、塩分を控えた減塩醤油は、醸造した醤油から塩分を抜いたもので、通常の醤油の塩分の約半分(10%程度)。

醤油には、独特なうま味と風味豊かな香りがあるため、調理に使う時には、何と言っても風味が大切。

吸いもののようなデリケートな味のものは、醤油を入れてから長時間ぐらぐらと煮こまないように気をつけなければならない上に、醤油は1度に全部入れるのではなくて、2、3回に分けて入れる方が風味を損なうことが少ない。 また、いため物に醤油を使う場合は、仕上げになべはだから醤油を回しかけると香ばしくなる。醤油は、封を切って長期間置いておくと、変色したり、味が損なわれるため、涼しい場所で保存するか、できるだけ短期間で使いきるように心がける。

☆味噌
味噌は、大豆に麹と塩を加えて発酵させて作るもので、いろいろな種類がある。味噌は麹の種類によって、味や風味が変わってくる。味噌の種類には、米麹を使い比較的熟成期間と塩分の少ないものが、関西などで使われている白味噌で、さいきょう味噌と言われているものや、熟成期間が長く、塩分も比較的多いものが赤みそ。塩分量は、関西などで使われている白味噌がだいたい6、7%とすると、一般に使われている味噌は10から13%くらいになっている。

味噌の生産量のほとんどが米味噌で、他に、九州、四国で作られている麦味噌がある。麦味噌は、塩分は比較的高いが素朴な味わいがある。

その他にも、大豆の麹を使った豆味噌があり、愛知県の岡崎地方で作られており、「さんしゅう味噌」とも言われ、独特の風味や渋みがある。代表的なものは、はっちょう味噌と言われているもので、色が濃くて固い味噌で、赤だし味噌汁などに使われる。 味噌も醤油と同様香りの調味料で、香りを最大限に引き出すには、なんと言っても、ぐらぐらと煮立たせないことが大切。

味噌汁などの場合は、味噌を入れひと煮立ちさせると火を止めるが、煮物のような場合は、中まで味噌の風味を含ませるために、2回に分けて使用すると良い。この方法は、ぐだくさんの汁物(薩摩汁など)を作る時も同様。

☆☆その他の調味料
☆酒
肉や魚などの臭みを消す場合には、ねぎ、しょうが、にんにくなどの香味野菜などが使われるが、これに酒を加えると、さらに効果的。酒には、匂いを消し、さらに肉を柔らかくするはたらきがある。特に、煮魚などには効果的。 また、汁物などに少し加えると、味がまろやかになり、うま味が増したように感じられる。特に、魚や貝の汁物などに使うと、いっそううま味成分が増す。

☆みりん
みりんは、もち米を原料とした醸造酒でれっきとしたアルコール飲料。みりんは、約30%の糖分を含み、砂糖の約3分の1の甘さに当たる。みりん大匙1杯の甘さは、砂糖小匙二杯の甘さと同じ。大匙1杯と、小匙2杯では、3分の2ではないかと考えがちだが、嵩と重さは違い、砂糖はみりんよりも軽く、嵩の場合では3分の2になる。 また、みりんには約13%のアルコール分があり、たくさん用いる場合は、みきりみりんと言って、予め火を通してアルコール分を飛ばして用いることが大切。

酒は材料を柔らかくするのに対して、みりんには、材料をしめるはたらきがあり、柔らかく仕上げたい煮物などに早く加えてしまうと、柔らかくなりにくいのに対して、今にも煮崩れそうな時に、みりんを少し加えると、煮崩れを防ぐことができる。 また、みりんに似たものでみりん風調味料や新みりんなども市販されているが、アルコール分はほとんど含まれず、少量の塩分が含まれている。みりんに比べて、風味やうま味は劣る。

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