高知県中村市 H-N中学校のみなさんへ

2003年がスタートして、早くも2週間が過ぎましたね。冬休みは、楽しい思い出作りができましたか?。
私の方は、クリスマスにライターの仕事が入り、とてもばたばたしたお正月休みでした。
このライターの仕事というのは、講演会やシンポジュームなどのお話を録音し、そのテープを聞きながらパソコンで書き取る仕事です。
この仕事も、録音状態が悪かったり、何人もの人が一緒にしゃべったりすることもあり、なかなか難しいなと感じることも多いです。

さて、この間のお話のことですが、感想文を書いていただき、どうもありがとう。
その感想文を読んで、少し勘違いをして聞いている人がいたみたいです。
例えば、日本の盲導犬の数は700頭から800頭くらいだと聞いていた人もいたようです。
正しい盲導犬の数は、890頭くらいです。
どうして、890頭くらいだとしか言えないかというのは、毎日、盲導犬の実同数が変わっているからです。

みなさんの感想文を聞いていて、やはり、お母さんのお話が印象に残っている人が多いみたいですね。
私も、そのお母さんは本当に素敵だなと思っています。
彼女は3人の子どもがいて、子育てをしながら仕事もし、学校や保育園などにも、手話講習会などのボランティアに行っています。
私も「自分を知ろうよ」なんて、いろいろな学校でお話をしていますが、頭の中では分かっていても、どうしても相手と比べて自分はどうなんだということを考えてしまうことも多いです。
それは、たぶん自分に自信がないことと、世間体を気にしているのではないかと思います。
どうしても、多数派が正しいような気がしますよね。
けど、たまには自分の変化や成長にも目を向けることも楽しいと思いますし、いろいろな自分発見ができると思います。

3年生は、もうすぐ高校受験ですね。
このまえもお話したように、人として本当に寂しい生き方は、夢や目標がかなわなかったことではなくて、その夢や目標が持てなかったことではないかと思います。

人はよく、「夢は大きく、目標は高く。」と言いますが、私は、夢や目標はそれほど大きくなくてもいいと思っています。
3年生なら、希望校に合格することが今の目標ではないかと思います。
その目標に向かって、一生懸命頑張れたという自分は、これからのみなさんにとって、大きな自信と勇気を与えてくれると信じています。
それと、今しかできないことを大切にして欲しいです。誰もが今が1番若いですし、今日という日は2度と来ませんよね。

お話が前後しますが、感想文の中に、私なら目が見えなくなったら生きていけないと思う。
ということを書いていた人がいましたが、私もそう思ったこともありました。
特に、途中で失明したり、急に目が見えなくなった人なら、もう死んだほうがましだと思った人もたくさんいると思います。
けど、人はどん底に落ちてしまうと、もうはい上がるしかないですよね。
今になって、失明した当時のことを思い出して見ると、本当に死んでしまいたいというより、どうして生きて行けば良いのか分からなかったのだと思います。
人は、どんな状況でも生きていたいという気持ちがどこかにあるのではないかと思いますし、前へ踏み出そうとする力があるのだと思います。
だから、誰もが悩んだり、いろいろな状況にも耐えていけるのだと思います。
楽しい時には思いっきり笑い、悲しい時やつらい時には思いっきり泣けばいいと・・・。私は、いつもそう思っています。

2003年 新春   山戸光子・バーベリーより
メニューへ トップへ