☆紫陽花(あじさい)…ユキノシタ科の落葉低木です。
紫陽花の仲間は多く40種もあり、その中で、一般に庭木として植えられている種類には、ガク紫陽花があります。
高さ1.5〜2メートルで、外側の花だけが花びらに見えます。
4枚のガクは、咲き始めは白い色で、のちに藍紫色に変わります。
葉に、美しい白色の斑(ふ)の入ったガク紫陽花があります。
また、アジサイと言われる、高さ1.5〜2メートルの、ガク紫陽花が変わってできたもので、自然にできたか、古い時代に作られたかは不明です。
花の色は、白や青、紅、紅紫色などさまざまです。
☆百日紅(さるすべり)…ミソハギ科の落葉樹です。
高さ2〜7メートルで、夏から秋にかけて咲く、花期の長い花木です。
百日紅の花は、新しく伸びた枝の先の方に、円錐形につきます。
花びらが、少しシワシワッとしたものが6枚ついています。
次々に、各枝の花が夏から秋まで咲き続け、百日もの長く咲き続けると言う事から、百日紅と呼ばれるようになりました。
幹は滑らかで、猿も滑り落ちると言う事で、猿滑り(さるすべり)とも言われます。
色は紅が標準ですが、濃い紅、紅紫、薄い紅色、薄い紫、白などがあります。
この他にも、葉に白い斑のあるものや、種を撒いて、その年の内に花が咲く1才百日紅と言うのがあります。
☆木槿(むくげ)…アオイ科の落葉花木です。
品種は、一重咲き、半八重咲き、八重咲きのように分けられます。
花の色は、白や紅色、紫色、絞りなどさまざまあります。
生垣などによく利用され、多く植えられています。
花は、1日花で、アメリカ芙蓉と同じように、朝開いて夕方には萎みます。
☆金宝樹(きんぽうじゅ)…フトモモ科の常緑低木です。
高さ2〜3メートルで、花が、瓶を洗う時に使うブラシに似ていることから、ブラシの木とも言われます。
☆槙葉ブラシの木…葉が槙の葉に似ています。
高さ2メートルほどで、花は密生し、濃い紅色です。
花の穂は大きくて、花の時期は6月頃です。
花槙(はなまき)…一般に、金宝樹と呼ばれ、庭木や切り花の材料に使われています。
☆衝羽空木(つくばねうつぎ)…アベリアの事ですが、スイカズラ科の常緑低木、または、半落葉低木です。
高さ1〜2メートルで、株立ちになります。
小枝は鮮紅色で、花は、6〜11月まで、次々に咲いています。
ツボミの時は、紅色をおびていますが、開くと白色になり、甘い香りが漂います。
☆黄蔦(きづた)…アイビーのことで、ウコギ科のツル性常緑樹です。
古いツルから、気根を出します。
葉にふの入るものもあり、庭や鉢に植え、壁や地面のカバーに使います。
他にも、観葉植物としても利用されています。
☆アメリカ梯姑(でいご)…マメ科の落葉低木です。
高さ3〜4メートルで、鹿児島県の県木です。
7〜9月に、赤色の花が咲きます。
亜熱帯産の花木の一つですが、成木になると、東京近辺でも戸外で越冬します。
東京新橋駅、駅前のSL広場の脇にある成木は、毎年、行きかう人の目を楽しませてくれています。
また、東京ディズニーランド入り口には、街路樹として植えられています。
晩春から伸び始めた、新しい梢の先に30センチほどの穂条の濃い紅色の花が咲きます。
☆☆犬黄楊(いぬつげ)…モチノキ科の常緑低木です。
黄楊(つげ)より、材が悪く下等なの意味で、犬の文字がつけられています。
生垣や庭に、さまざまな形に仕立てあげられて植えられています。
果実は黒く、観賞価値はありませんが、雌雄異種です。
なお、寒い所では赤い果実の成る種類があります。
黐(かなめもち)…バラ科の常緑低木です。
高さ6〜10メートルで、新芽の真っ赤な色が美しいです。
材質が非常に強くて堅く、生垣に多く用いられている木です。
葉は厚く、長い楕円形で、若葉と落葉前の葉は赤くなります。
白色の小さい花を、5〜6月頃多数開きます。
☆夾竹桃(きょうちくとう)…キョウチクトウ科の常緑低木です。
高さ3メートルほどで、公害に強く、都市の緑化に多く使用されています。
八重咲きが多く、ピンクや黄色味をおびた白の花、紅色や黄色、サーモンピンクなどもあります。
葉は濃い緑色で、細長い形をしています。
☆梔子(くちなし)…アカネ科の常緑低木です。
匂いの良い白い花が咲き、一重と八重咲きがあります。
一重の方にできる果実は、染量になって、食品の無害着色料になります。
鉄線(てっせん)…クレマチスのことで、キンポウゲ科の落葉性木質つる性植物ですが、宿根草として取扱われる場合もあります。
非常に種類が多く、花は、直径8センチほどの白、または、紫色が主流です。
☆月桂樹(げっけいじゅ)…クスノキ科の常緑高木です。
高さ12メートルほどになりますが、刈り込んでさまざまな樹形にできます。
葉を香辛料として使用し、香辛料のベイリーフは、この葉を乾燥したものです。
また、ギリシャ時代から、英雄がこの木の枝葉で、輪を作り冠としたことから、オリンピックのマラソン勝者に月桂冠として捧げられることはよく知られています。
4〜5月に、葉のつけ根に薄い黄色の小さな花が多数まとまって咲きます。
10月頃、めす株には濃い紫色の実が成ります。
☆柘榴(ざくろ)…ザクロ科の落葉樹です。
実柘榴と、花柘榴があります。
根や果実の皮は、薬用になります。
初夏に、枝の先に、つつ状のオレンジ色、あるいは、しぼりの6弁の花をつけて、秋に球形の果実をつけます。
熟すと、裂けて種が現れ、種の回りは、甘酸っぱい液で食べられます。
果実と、花の両方が楽しめる品種と、果実だけ楽しむ品種、花だけを楽しむ品種の3種があります。
☆白樺(しらかば)…カバノキ科の落葉高木です。
自生地では、高さ20メートルになります。
白い樹皮と、緑の葉との対比が美しい木です。
都会に住む人が、夏の高原を訪れ、まず目に付くのが白樺の木で、一度は庭に植えて、高原の気分を味わいたいと思う木です。
☆肉桂(にっけい)…クスノキ科の常緑高木です。
育つと、高さ10メートル以上になります。
樹皮と根の皮に、芳香と独特の辛味があります。
昔は、東京近辺でも多く植えられており、根を掘って乾かして食べました。
現在、シナモンとして売られている香辛料は、セイロン肉桂の樹皮、根皮から作ったもので、肉桂と同じ仲間です。
☆凌霄花(のうぜんかづら)…ノウゼンカズラ科の落葉ツル性花木です。
ツルは6メートルほど伸び、茎から気根を出して巻きつきます。
漢字名の凌霄は、歌や俳句でよく使われますが、凌霄と音読みし、ツルが木に付着して、数メートルの高さに登ことを意味しています。
この漢字名の意味のように、枝の節の付近から気根を出して、他の物に付着して、それに支えられ上に伸びて行きます。
太いものでは、地面付近の幹回りが40センチにもなります。
花は、新しく伸びた枝の先に、穂のように咲き、直径6〜7センチのロート状をしています。
花期は7〜8月で、花は、花びらの外側が橙黄色で、内側が朱黄色をしています。
また、花が橙紅色で、花径3〜4センチと小さく細長いアメリカ凌霄花もあります。
☆野茶(ひさかき)…ツバキ科の常緑小高木です。
高さ6〜7メートルで、一般に、サカキと呼ばれているのは、ほとんどがこの木です。
野茶(さかき)は、栄樹を意味し、古代から神前に備える木、神聖な木として、いつも、葉が緑色をしている木の事を指し、サカキ、ヒサカキ、シキミ、オガタマの木などが、これに含まれます。
現在は、サカキより、ヒサカキの方が、庭木や垣根、神事に多く使われ、ヒサカキを栄樹(さかき)と呼んでいる場合が多いです。
サカキと、ヒサカキの葉の違いですが、サカキは、葉の縁に鋸歯がなく、ヒサカキは、葉の縁に鋸歯があり、葉が小さいと言う違いがあります。
☆未央柳(びようやなぎ)…オトギリソウ科の半落葉性低木です。
夏に咲く花と、秋の紅葉が切り花にも用いられます。
この仲間には、未央柳と金糸梅、ハイトコートが含まれます。
未央柳は、よく枝別れし、木の高さが1メートルほどで、株立ちになります。
花は鮮黄色で、花径5センチほどです。
長い黄色のおしべが目を引き、新しい枝の先に、3〜7つ集まって咲きます。
花の時期は、6〜7月です。
金糸梅は、未央柳に極近い種類で、株立ちになります。
高さは1メートルほどで、枝が垂れ下がるものが多いです。
6〜7月に、梅の花に似た黄色の花が咲き、おしべが花びらより短いです。
ハイドコートは、金糸梅の改良種で寒さに強く、花は大輪の黄色で美しいです。
☆フェイジョ…フトモモ科の常緑低木です。
昔は、切り花の材料に使われ、今は、家庭用小果樹として注目されています。
ブラシの木と同じ、数少いフトモモ科の庭木です。
ニュージーランドでは、果実の生産が行なわれており、キュウイと共に日本にも果実が入ってきています。
以前は、肉質の花びらと、赤い長い花を切り花にして観賞していただけですが、花は、非常に美しく、花びらの外側は、白色で、内側は赤紫色を帯びています。
中央に、長く伸びた深紅色のおしべがあり、花と実が楽しめます。
☆ブブルーベリー…ツツジ科の落葉小果樹です。
高さ1〜1.5メートルで、果実は、夏に熟し、秋の紅葉も美しい木です。
☆全手葉椎(またばしい)…ブナ科の常緑高木です。
高さ10メートルほどになり、公園樹や街路樹、防風、防火など、使用範囲の広い木です。
よく育つと、全体が丸い形の木になり、長さ2センチほどのドングリをつけます。
☆木斛(もっこく)…ツバキ科の常緑小高木です。
高さ7メートルほどで、木斛は、赤みをおびた新芽の時、7月に淡黄色の花の咲いた時、秋に紅色の実をつけた時、冬の黒みをおびた葉っぱと、四季折々の変化を見せてくれます。