小さな庭から
庭の樹木・春


☆桜(サクラ)…バラ科の落葉小高木(ラクヨウショウコウボク)、または、低木です。
日本人の心情に最も合った花木で、日本の国花です。

☆石楠花(シャクナゲ)…ツツジ科の常緑低木です。
春に咲く花は、ツツジよりボリュウムがあり見事です。
日本では、黄花石楠花、本州中部以北、北海道の高山帯に自生しています。
花は、淡黄色です。

☆白山石楠花(はくさんしゃくなげ)…本州中部以北、北海道の亜高山帯に自生しています。
自生地では、高さ3メートルにもなります。
花の色は、白や薄い黄色、薄い紅ぼかし、薄い紅、紅色などがあります。

☆細葉石楠花(ほそばしゃくなげ)…愛知県の蓬莱山(ほうらいさん)を中心に、愛知県、静岡県西部の低山帯に自生しています。
葉っぱの幅が2センチほどの葉の細い種類です。
花の色は、ツボミの時は紅色で、開くにつれ、薄くなり、やがて、ピンク色になります。

☆筑紫石楠花(つくししゃくなげ)…鈴鹿山麓以西から、九州に自生しています。
花の色は白、または、濃い桃色です。

屋久島石楠花(やくしましゃくなげ)…屋久島の高山に自生しています。
木は小型で、花はピンクです。

☆躑躅(つつじ)…ツツジ科の常緑、または、落葉低木です。
日本は、世界に誇る躑躅王国で、自生種は、20種以上あります。

☆玄海躑躅(げんかいつつじ)…高さ2メートル〜4メートルになる落葉躑躅です。
葉が出る前、早春に紫色を帯びた花が咲きます。
桜玄海躑躅は、花の色が明るいピンク色です。

☆桐嶋躑躅(きりしまつつじ)…葉も、花も小さく、枝は密に出て、枝の先に2〜3つ花をつけます。
一時に多数の花が咲き、木を花で埋めつくすようになります。
4月末から5月上旬に花が咲き、花の色は白やピンク、紅、濃い紅、桃色紫などがあります。
一重や二重、三重、ぼたん咲きなどがあります。

☆皐月(さつき)…花は、紫紅色です。
江戸時代に、園芸化された品種などを含め、現存する品種は1000種前後と言われています。
皐月と躑躅の違いは、一般には、皐月は新芽が伸びてから花が咲くのに対し、躑躅るいは、花が咲いた後から新芽が伸びるか、花が咲いている時に、芽が伸び続けるかです。

☆大紫(おおむらさき)…花径、6〜10センチの大きな紫紅色の花を、5月に咲かせます。
琉球躑躅…大紫(おおむらさき)と同ように、丈夫で、大輪の花が咲きます。
色は、白が基本です。
その他、平戸躑躅、淀川躑躅、レンゲ躑躅など、さまざまな種類があります。

☆花水木(はなみずき)…水木科の落葉低木です。
木の高さは5メートル前後です。
花は、4月の下旬から5月中旬に咲きます。
花びらのように見えるのは苞で、本当の花は、花の中心にあります。
花ばかりでなく、秋の紅葉(モミジ)と、真っ赤に熟した実も美しく、春と秋の2回楽しむことができます。
花の色は、白色と、薄紅色のもの、枝の垂れるものもあります。

☆薔薇(ばら)…バラ科の半常緑、または、落葉低木で、花の女王として世界中で作られています。
幹や、つるには棘があります。

☆姫林檎(ひめりんご)…バラ科の落葉低木です。
花海棠(はなかいどう)と同じ仲間で、秋に、リンゴを小型にした直径2〜4センチほどの実をつけます。
このような、海棠の仲間を漠然と姫林檎と呼んでいます。
高さ5〜8メートルほどになり、花は、ツボミの時は紅色で、開くにつれて白色になります。
果実は暗赤色で、たくさんつけます。

☆藤(ふじ)…マメ科の落葉つる性花木です。
世界各国の庭園に植えられています。

☆木瓜(ぼけ)…バラ科の落葉低木です。
3〜4月に、赤やピンク、白などのお碗型の花が咲き、いよいよ春もたけなわになる事を知らせてくれます。
そこで、迎春花(げいしゅんか)とも呼ばれています。
 その種類を、少し書いておきます。
☆草木瓜(くさぼけ)…高さは、30〜50センチで、花は、葉の開く前、秋から開花します。
☆眞木瓜(まぼけ)…高さ4メートルほどで、棘が多いです。花は、紅色で、花つきが良い花です。

牡丹(ぼたん)…キンポウゲ科の落葉花木です。
世界で最も古くから改良された花木です。
牡丹は、中国山東省 河南省付近が原産地で、日本には、奈良時代に入り、全国に普及したと言われています。
花いろで分けると、赤、白、ピンク、紫、黄色に分けられます。
また、咲き方では、一重、二重、三重、八重、千重(せんえ)、万重(まんえ)、万重獅子(まんえじし)咲きの咲き方があります。
これらの花色と、咲き方が組み合わさって、多数の品種があります。

☆木蓮(モクレン)…モクレン科の落葉樹です。
蓮の花に花の形が似ているので、木蓮と言う種類は数種あります。
☆白木蓮(はくもくれん)…中国原産で、高さ4〜6メートルです。
3〜4月に葉に先立って、大きな白い花が咲き、芳香があります。
☆紫木蓮(むらさきもくれん)…白木蓮(はくもくれん)と違って、地面の際から多数の枝が出て、株だちとなります。
高さは、3〜5メートルで、狭い庭にむいています。
花は、花びらの外側は、濃い暗紫色で、内側は、淡紫色です。

☆辛夷(こぶし)…高さ4メートルほどで、花は、花びら12〜18枚です。
白に、やや紅色をおび、薄い紫色に見えます。
3〜4月、葉に先立って咲きます。

☆桃(もも)…サクラ科の落葉小高木(しょうこうぼく)です。
花木としての改良が早く、果実用の栽培は、明治以後です。

青木(あおき)…ミズキ科の常緑低木で、光沢のある葉と、実が美しいです。
果実は普通は赤ですが、白、または、黄白色の白実の青木や、葉の小さいもの、亀甲型のもの、中斑や外斑(フ)、全面に斑(ふ)のはいったものなどがあります。
葉の形や、葉の斑(ふ)のいりかたなどが異なり、数多くの品種があります。
高さ2〜3メートルで、半日影から日影を好みます

馬酔う木(あせび)…ツツジ科の常緑低木です。
4月頃、白や桃色、赤の花がふさ状に垂れ下がって咲きます。

☆金雀枝(えにしだ)…マメ科の落葉低木です。
冬でも青々と見えるのは、枝が緑色をしているためです。
海岸の砂地でよく育ち、種類は60種ほどあります。
高さ1〜3メートルで、黄色の豆の花のような花が咲きます。
その他に、頬紅金雀枝(ほほべにえにしだ)、白花金雀枝(しろばなえにしだ)、姫金雀枝(ひめえにしだ)などがあります。

☆海棠(カイドウ)…バラ科の落葉低木です。
高さ2〜4メートルで、一重と、八重咲きがあります。
一般に、八重咲きが作られています。
花柄(カヘイ)が長く、花が垂れ下がることから、垂糸海棠(すいしかいどう)とも呼ばれています。
花びらは5枚で、花びらの外側が桃色がかった赤、内側は白色です。

☆枳殻(からたち)…ミカン科の落葉低木ですが、暖地では、落葉しない事もあります。
高さ2〜3メートルで、カラタチの果実は、晩秋、葉が落ちると黄色味を増し、日に映え美しいですが、この果実は、強烈な酸味と、苦味があって食べられません。
木は鋭い棘があり、垣根に多く使われます。

☆小手毬(こでまり)…バラ科の小低木です。
高さ1〜2メートルで、古くは、すずかけと呼ばれていました。
白い小さな花が、小枝の先に15〜20も固まって鞠のようにつきます。

☆車輪梅(しゃりんばい)…バラ科の常緑樹です。
高さは、種類により1〜4メートルほどです。
樹皮は、大島紬の染料に使われます。
枝が、車輪のように出て、5月に咲く白っぽい花が梅の花に似ているので、車輪梅と名付けられています。
果実は黒紫色で、10月頃に熟します。
公害に強い木です。

☆沈丁香(ぢんちょうげ)…ヂンチョウゲ科の常緑低木です。
雌雄異種で、日本では、雄かぶが大部分です。
早春、遠くまで甘い香りを漂わせ、足をふと止めさせるのが沈丁香(ちんちょうげ)です。
早春に咲く花木の中では、最も花の香りの強い花木で、花びらのように見えるのはガクです。
沈丁香(ぢんちょうげ)の名も、花の香りを沈香と丁字に例えて付けられたものです。
雌雄異種で、雌かぶには赤い果実が成りますが、中国から日本に渡って来た木が、雄木(おぎ)であったため、雄木が普及し、日本には雌木(めぎ)がほとんどないと言う事です。
 この沈丁香(ぢんちょうげ)にも、種類がいくつかあって、花びらの外側が赤紫色、内側が白色のこのごく普通に見られる種類が沈丁香(ぢんちょうげ)です。
あと、薄色沈丁香(うすいろぢんちょうげ)と言って、花びらの外側が多少暮れない色をおびて、内側が白いもの、それから、白花沈丁香(しろばなぢんちょうげ)、花は、内側、外側とも純白色のものや、ふくりん沈丁香(ふくりんぢんちょうげ)などがあります。

☆山椒(さんしょう)…ミカン科の落葉低木です。
古くから、日本料理の香辛料として、若芽や実が使用されています。

☆土佐水木(とさみずき)…マンサク科の落葉低木です。
高さ2〜3メートルになります。
早春、葉の出る前に黄色の花穂(かすい)を枝さきに垂れ下げます。
じみな花ですが、他の華やかな花木の咲く前に咲くため、その美しさが目立ちます。
その他、日向水木(ひゅうがみずき)などがあります。

☆梅花空木(ばいかうつぎ)…ユキノシタ科の落葉低木です。
高さ2〜3メートルで、6月頃の、他の花木が咲かなくなった時に、白色で芳香のある花が咲きます。

☆花蘇芳(はなずおう)…マメ科の落葉低木です。
高さ3〜4メートルで、原産地の中国では、15メートルほどの高さになります。
紅紫色の蝶に似た花形の小さな花を、枝にビッシリと咲かせます。
花が終ると、実がたわわに枝につきます。
花の色は、紅紫色の他に、白色もあります。
葉は、長さ5〜8センチ、幅4〜8センチと大きく、円形をしています。
開花後、葉が出て来て開くと、全く違った感じの木に見えます。

☆柊南天(ひいらぎなんてん)…メギ科の常緑低木です。
高さ1〜2メートルで、株立ちとなって、玄関前の植込みなどに植えられています。
葉が柊に似ているので、柊南天と言う名前がつけられていますが、南天とは違う仲間の種類です。
3月には、房状(フサジョウ)に黄色の小さい花が咲き、冬には、葉が紅褐色になります。
果実は、秋に紫黒色に熟します。

☆マロニエ…西洋栃の木、トチノキ科の落葉樹です。
高さは、種類により2〜15メートルと、低木から高木まであります。
芽の出た所も美しいですが、葉が大きく蒸散作用が盛んなために、夏のマロニエの木陰は涼しく、緑陰樹としても大切な木です。
種類は、一般にマロニエと呼ばれている西洋栃の木、は、高さ25〜30メートルと大きくなるもので、白い花が5〜6月に咲きます。
他に、紅花栃の木と言う赤い花の咲くものや、パルウィフローラと呼ばれる高さ2〜3メートルで、白い花の咲く、花垂が長く、香りがあり、開花期間の長い木もあります。
また、パピアと呼ばれる高さ4〜5メートルで、花が鮮紅色の木もあります。

☆満作(まんさく)…マンサク科の落葉小高木です。
高さは、種類により3〜10メートルで、早春、他の木々に先立って、黄色の花が咲きます。
花は、短い枝の節に2個づつ、細長くてややよじれた花びらが4個ついた花です。
じみな花ですが、春早く咲くので、人目につき、春がもう、そこまで来ている事を知らせる花木です。
昔の人は、春早く咲くこの花を見て、今年も実り豊かな年であるようにと願いをこめて、満作と名付けたと言う説もあります。
また、別の説では、東北地方で、まだ、他の花が咲く前に先がけて咲くので、まず咲く、そして、まんず咲くになり、満作になったと言う説もあります。

☆雪柳(ゆきやなぎ)…バラ科の落葉低木です。
高さ1〜2メートルで、細い枝が地際から多数出て、満開どきには、白い小さな花がたくさんつき、株が覆われます。
木に雪が積もったように花が咲くので、雪柳と言われています。

☆英桃(ゆすらうめ)…バラ科の落葉低木です。
4月、淡紅色の5弁の花が咲きます。
6月頃、実が赤く熟します。
果実は、約1センチの球形で、甘酸っぱい味です。
実には、ほとんどえがないので、枝にビッシリついているように見えます。
白い実の成る白実の英桃(しろみのゆすらうめ)と言う種類もあります。

連翹(れんぎょう)…モクセイ科の落葉低木です。
高さ2〜3メートルの株立ちになり、黄色の花が3〜4月に咲きます。
枝が吊るのように長く伸びるもの、垂下がるもの、上に伸びるもの、横に張るものなどがあります。
葉は細長い形です。
その他に、支那連翹 と言うのもあります。

☆ライラック(りら)…モクセイ科の落葉低木です。
歌や、小説によく出てくる花木です。
春、枝咲きに多数の小花が円錐状について芳香を放ち、香料にも用いられます。
花の色は、紫色やピンク、白などがあります。
ライラックとは英語読みで、リラはフランス語の名前です。



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