小さな庭から
庭の樹木・秋


☆萩(はぎ)…マメ科の落葉低木です。
昔から、日本人と深くかかわりのある、秋を代表する花木です。
茎は、しなやかな弾力があり、そこに葉がビッシリとつきます。
小さい3枚の葉の副葉がついています。
夏から秋にかけて、紅紫色や、時に白色の蝶型の花をたくさんつけます。
山萩や宮城野萩、白花萩、置霜萩(オクシモハギ)などがあり、秋の七草の1つです。

☆紅葉(もみじ)と楓(かえで)…カエデ科の落葉高木です。
これは同じ仲間で、モミジは、美しく紅葉する種類で、モミジと楓は植物学上では、同じカエデ科カエデ属の植物です。
園芸上では、昔から、モミジと楓とを区別しています。
区別の基準として、葉の切れ込みの深いものをモミジ、浅いものほ楓と言っています。
楓は、葉の切れ込んだ形が、カエルの手に似ているため、カエルの手が、蛙手となり、詰まって楓になったと言われています。

☆山茶花(さざんか)…ツバキ科の常緑小高木です。
初冬の庭に咲く、唯一の花木です。
山茶花と椿の一般的な違いは、山茶花は、秋咲き性で原種の花の色は白から淡紅色で、花びらは平らに開き、バラバラに散ります。
おしべは、元の方で軽くくっつき合っているだけで、花に香りがあります。
葉が小さく、若い枝や葉の裏に、毛が密に生えている花をバラバラにしめしべの元を見ると、元の方も毛で覆われています。

☆小紫(こむらさき)…クマツヅラ科の落葉低木です。
高さ1〜1.5メートルで、6〜7月に、対(つい)をなしている、葉のつけ根から、短い柄(え)を出して薄紫色の小さな花を密につけます。
やがて、秋には実が濃い紫色に色づきます。
この濃い紫色の美しさは、落葉後は、さらに濃紫色の艶を増しみごとです。

☆椎(しい)…ブナ科の常緑高木です。
育つと、高さ30メートルにもなり、古くから日本人の生活に深く関わって来た木です。

☆満天星(どうだんつつじ)…ツツジ科の落葉低木です。
いくつかの種類があり、満天星(どうだんつつじ)は、最も多く庭木として使われている種類で、高さ2〜3メートルです。
5〜6月に、白い釣り鐘状の花が咲きます。
白満天星(しろどうだんつつじ)は、高さ5メートルほどになり、花は、葉が完全に開いてから咲くので、葉の陰で咲くことが多いです。
紅満天星(べにどうだんつつじ)は、初夏に、紅色の美しい釣り鐘状の花が咲きます。
高さは、2メートルほどです。
更紗満天星(さらさどうだんつつじ)は、風鈴つつじとも言われ、釣り鐘状の花の淡紅白色のところに、紅色の筋が入ります。
株により濃淡があり、高さは、3メートルほどです。
紅葉もすばらしく、花木として美しいです。

錦木(にしきぎ)…ニシキギ科の落葉低木です。
高さ3メートルほどで、枝に、4行のコルク質の翼があります。
初夏に黄緑色の小さい花をつけ、晩秋果実が熟して赤い皮のある種子を現します。
秋の紅葉と、実の紅熟がとても美しいです。

☆柊(ひいらぎ)…モクセイ科の常緑小高木です。
厄よけの木として、農家の入り口に対で植えられています。
10〜11月に花が咲き、翌年の7月に紫黒色の実を結びます。
若い木や枝の葉には、刺がありますが、古い枝では、刺がなくなり、葉が丸くなります。

☆木犀(もくせい)…モクセイ科の常緑小高木です。
10月に咲く花は、甘い香りが強いです。
金木犀(きんもくせい)は、日本で最も多く庭木として植えられています。
10月に、桃黄色の小さい花が密になって咲き、強い甘い香りがします。
銀木犀(ぎんもくせい)は、花は白色で芳香は、金木犀よりも弱いです。
大気汚染に弱いため、金木犀よりも花が咲きにくいです。
柊木犀(ひいらぎもくせい)は、銀木犀と柊との交配種です。
葉の縁に、6〜10対の刺のようなものが出ていますので、生垣に多く用いられています。

☆黐木(もちのき)・冬青(もちのき)…どちらも、もちのきと読ませていて、モチノキ科常緑高木です。
高さ8メートルほどで、日影でも育ち、大気汚染にも強い木です。
モチノ木は、樹皮から取り餅を作るので、その名がつけられました。
幹も太くなり、灰褐色で、濃い緑色の葉との対比がよい木です。
雌雄異種で、4月に黄緑色の花が咲き、10〜11月に、めす株に赤く熟した直径1センチほどの実が成ります。
品種として、実の黄色の黄ミノモチ、白や黄色の斑(ふ)が葉に入るふ入りもちなどもあります。

☆柚子(ゆず)…ミカン科の常緑小高木です。
果実を砂糖漬けし、果汁をしぼり、調味料に用います。
実が成るのが早い品種もあります。



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