食べ物に関すること


 筍は、皆さんご存じの通り、竹の地下茎から出る若い茎のことですが、その成長は速く、中には1日で1メートル近くも伸びるものもあります。
地上に出て、10日くらいまでを旬といって、10日もすると竹になると言われているところから、竹冠に旬と言う字を書いてたけのこと読むのです。
筍にもいろいろ種類がありますが、一般的には孟宗竹が大型で肉厚で香りがあって柔らかくて、えぐみが少ないと言うことで、圧倒的に多く食べられています。
孟宗竹は、1736年に中国の江南地方から伝わってきた稲科の植物です。

 筍の栄養価は、それほど期待できませんが、微量の蛋白質やビタミン、ミネラルが含まれています。
その独特のうまみと、特に、チロシンと言って筍を切ったときに、節目や切り口に出る白い粉がありますが、白い粒子が筍特有のアミノ酸です。
アミノ酸は、特に脳の活動に関わる神経伝達物質の材料になることで注目されています。
その他、筍には食物繊維が豊富で、大腸癌の予防や便秘、コレステロールを除去、動脈硬化の予防という働きなどが期待できます。

 おいしい筍の見分け方は、まず、皮に艶があって、適度に湿っている物が良く、形は、全体的に太くて短い物、いわゆる大砲の弾丸のような物、そして、穂先が黄色く窄まっている物が良いとされています。
緑色の物は、えぐみが強くて筋張っていますから、避けた方が無難です。
筍は、柔らかいところと、堅い部分がありますから使い分けると良いでしょう。

 柔らかい部分は、お吸い物や木の芽合え、茶碗蒸しなどに、堅い部分は、いためたり煮たりします。
柔らかい部分を、筍サラダにする場合は、穂先の部分を薄切りにして、そこに、マヨネーズにわさび、ゆず、コショウ、アクセントに少し醤油を加えてあえます。
筍の他に、あれば独活を少し入れると風味が出て楽しめます。

 堅い部分は、おろし金でおろして、軽く水気を切り、そこに、ひき肉を入れて混ぜ合わせますが、繋ぎに卵を入れます。
これで肉団子を作り、脂で揚げます。
あま酢あんを絡めて食べると、春の風味が満喫できるのではないかと思います。



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