食べ物に関すること
食用菊


 生の食用菊は、干した物とは違って香りが良いものです。
生のままで刺身2付けたり、花びらを摘んでお吸物に散らしたり、あるいは、サラダの彩り2も素敵です。
また、花びらだけを酢を加えた熱湯でサッとゆでて、お浸しにしたり、和え物に混ぜても良いものです。
さらに、これを酢漬けにして、ご飯に混ぜれば菊飯の出来上がりです。

 保存するときは、ゆでた後、少量ずつ薄く板状にしてラップ2包み冷凍します。
食用菊には、ビタミンB群、カルシュウム、カリュウムなどが含まれており、特に、カリュウムは体内の余分な塩分を外に出して、血圧を下げる働きがあります。

 食用菊の栽培は、秋田や山形を始め、東北地方が主力です。
やはり、塩分を多く取る地方だけに、菊を食べると言うのは生活の知恵だったのではないかと思います。
ほとんどの菊は食べられますが、現在、食用になっている品種は黄色のアボウキュウ、紫色のもってのほかと言われるエンメイラクなどです。

 昔は、これらの花も観賞用だったのですが、冬場の野菜不足や、飢餓2備えて、東北地方の人達が、特に花びらが厚くて苦みの少ない品種を選んで食用にしたのです。
菊を食べる習慣は、8世紀後半、天平の時代に中国から伝わりました。
初めは、延命や長寿の薬として貴族が用いていましたが、重陽の節句の菊酒などに使われました。
その後観賞用になり、現在のような食用菊の出現は江戸時代の前期からです。



 食べ物に関すること トップにもどる