ビールやコーヒー、お茶など、大人の飲む物はなぜ苦い物が多いのでしょうか?
それらの苦味や酸味をおいしく感じるのは、人間が成長する過程で、学習して慣れたためだと言われ、人は、それをおいしく思えるようになっただけです。
人間の味覚には、甘味や酸味、塩味、苦味、うま味の5味が基本になっていますが、このうち、甘味や塩味、うま味は生理的な味覚で、苦味や酸味は精神的な味覚と言われています。
そして、甘味や塩味、うま味を感じさせるのは、砂糖や塩、蛋白質で、これらは直接体に必要な成分を含んでいるのに対して、苦味や酸味は、体に対して本来は危険を警告する味と言われ、毒に対する警戒信号と考えられています。
実際に、毒性のある食べ物には苦い物が多く、人類が進化する時に、様々な経験と知識を積み重ね、これは危険だとか、これは毒物だ・・・など、避けることができるようになってきたことで、本来は、危険信号だった苦味も、味覚の1つとして楽しむようになりました。
子どもが、苦い物をおいしく感じられないのは、精神的な苦味に対する学習が不十分なだけで、安全上避けているわけではないのです。
ですから、むしろ、新鮮な野菜やサンマなどの腸など、自然な苦味は子どもの頃から、ある程度経験させて味覚を育てると言うことも必要ではないかと思います。
ただし、コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、日常取る程度なら、それ自体害はありませんが、まだ感受性の強い子どもには、刺激が強すぎる場合もあり、ミルクをタップリ入れるとか、ごく薄目にするなどの工夫が大切です。