食べ物に関すること
みかんの新しい効能


 ビタミンCが豊富で、風邪対策に有効とされるみかんですが、最近、さらに、みかんの粒に多く含まれるベータくりふとキさんちんと呼ばれる成分が、アルコールなどによる肝臓機能障害を抑え、動脈硬化を防ぐのに役立つ可能性が指摘され注目を集めています。
飲酒の機会が増える前には、研究者は、肝臓を痛めないためにも、もっとみかんを食べてほしいと呼びかけています。

 みかんの効能について、農水省所轄の研究機関、果樹研究所柑橘研究部では、平成15年から温州みかんの産地、静岡県浜松市に住む男女1073人を対象に血液検査を行い、みかんの有効性を調べていますが、その結果、みかんを1日2〜3個以上食べている人は、例え1日ビールの大瓶程度飲む人でも、肝機能の指標となるガンマGTPが、アルコールをほとんど飲まない人と同じ程度に抑えられていることが分かったと発表しました。
この際注目されているのがガンマクリプトキサンチンで、みかんを多く食べる人ほど血中濃度が高く、ガンマGTPの値が低かったのだそうです。

 このガンマクリプトキサンチンは、緑黄色野菜に多いベータカロテンや、トマトに豊富なリコペンなどと同じ、カロチノイドと呼ばれる色素の一種で、ダイダイ色をしているのですが、みかんがダイダイ色なのは、ベータクリプトキサンチンが多く含まれている証です。
特に、温州みかんに多く含まれ、その含有量はオレンジの10倍にもなると言われています。

 みかんが肝機能に及ぼす効果についてのメカニズムは、まだ解明されていませんが、アルコールを分解する際に、肝臓にかかる酸化ストレスを緩和する役割があるのではないかと考えられています。
食べる時のポイントは、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしですから、1日数個程度に抑え、バランスの取れた食事をすることが大切です。



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