ごぼうと聞くと、栄養価が高いイメージはありませんよね。
第2次世界大戦の時に、アメリカ人の捕虜に、海のりとごぼうを食べさせたことがあったのですが、終戦後、黒い紙と木の根を食べさせたと問題になったことがありました。
ごぼうは、食材としてはジミですが陰の優れ者、隠れた実力者と言えます。
特に、炭水化物が中心で、セルロースやリグニンと呼ばれる食物繊維を大量に含んでいます。
食物繊維は、腸の運動を活発にして、通じを良くしますから、便秘の防止や整腸作用が期待できます。
そう言う形で、腸の善玉菌が活性化されて行き、癌細胞の発生を抑制してくれることにも繋がります。
さらに、ごぼうには発癌物質や有害物質を吸着して、外に排出する働きもありますので、最近では、大腸癌や直腸癌などの癌対策として、心強い食材と言われています。
昔から、ごぼうを食べると勢が付くと言われていますが、ごぼうには、アミノ酸の一種のアルギニンを含んでおり、これが、滋養強壮に良いと言われています。
特に、男性の生命の源と言われる精子の70パーセントは、コのアルギニンからできるのです。
つまり、精子の数を増やすと言う働きがありますので、サラリーマンなどに利用されているスタミナドリンクなどにも、コのアルギニンが利用されています。
あと、微量栄養素としては、ビタミンやミネラルが若干含まれていますが期待はできません。
特に、野菜で最も魅力と言われるベータカロテンは、ほとんど期待できません。
そこで、きんぴらごぼう2はベータカロテンが豊富なにんじんを組み合わせているのですが、これも、先人の知恵なのでしょうね。
ごぼうのうま味や香り、薬効成分は、皮とその近い部分にありますので、ごぼうは、皮を剥かずに、たわしで擦るか、庖丁の背で軽くそぐようにして調理するのが基本です。
それから、大腸癌などに効果があると言ったリグニンと言われる食物繊維は、切り口に沢山でてくるのです。
ですから、切り口が大きいほどその効果が大きいので、ささがきと言う処理の仕方が、非常に理想的です。
しかも、切ってから時間が経った方が、リグニンが増加しますので、切ってからしばらくして料理をすると良いと言われています。