その他の雑学
鍋物


 北風が吹きはじめると、鍋物が登場する機会が増えますね。
鍋物には、汁に味がついているものとついていないものがあります。
それを見てみると、かなりの地域差があるようです。

 北海道の石狩鍋は味噌味ですし、青森県のざっぱ鍋も味噌味です。
そして、秋田県で有名なキリタンポや、山形県の芋煮は醤油味です。
それから、宮城県のかき鍋も味噌味ではなかったかと思います。

 ところが、西日本の福岡県では鳥の水炊きだとか、山口県の河豚チリ、さらに、京都の湯豆腐と言ったようなものは、汁には味がついていないのが多いです。
それが、との辺りを境にして別れているのかを見てみると、滋賀県辺りまでが汁に味をつけているようです。
そして、若干の例外はありますが、滋賀県より西の方は汁に味がなく、他の味をつけて食べると言うのが多いようです。

 そこで、ポン酢の消費量の多いところはと言うと、1位が和歌山県、2位が大阪府、そして、3位が兵庫県、4位が奈良県と言うふうに、ほとんどが西日本に偏っているのです。
こうしてみると、どうやら気温の低い地方では味の濃い鍋物を食べる傾向にあり、気温の高い地方では、薄味でもおいしく食べられるのではないかと思います。
ですから、汁の味を濃くするのは、寒さの性ではないかと思います。
と考えると、寒い地方では、別の汁で味をつけている間に冷めてしまうので、味のついている鍋から、直接取って食べた方が暖かいからなのでしょうか。
と言うことは、北の地方は塩の文化で、西の地方は酢の文化なのかも知れませんね。 

ちなみに、各家庭で年間に消費する酢や塩を調べてみると、まず、酢の場合は北海道が9百円、東京は1000円、東海地方は1200円、そして、近畿地方は1600円です。
それから、塩の場合は、北海道は600円、東北地方は900円、近畿地方は450円と言うことで、塩の方は北の地方が多く消費していることが分かります。



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