昔から、「親の意見とひやざけは、その場で効かずに後で効いてくる。」と言う諺がありますが、お酒は、お燗をつけて飲むと、そんなに悪酔いはしないのに、ひやで飲むと、なぜ後になってから効いて来るのでしょうか?
冷酒は、割合に、グイグイと飲めますので量も結構飲んでしまうのだと思います。
それが、温めることによって、飲む前に若干アルコール分が飛んでしまい薄くなります。
冷酒の場合、アルコール分が吸収されるのは、アルコールの温度が体温と同じになってから始まり、酔いが回るのが遅くなります。
そこで、お酒を飲むと、トイレが近くなる理由ですが、当然、水分を沢山取った事も理由の一つですが、実は、ホルモンの分泌が関係していると言われています。
ご存知のように、尿は腎臓で作られ膀胱に蓄えられ、尿道を通して外に廃泄されます。
その廃泄を司どっているのが、大脳の下にある、脳下垂体から、分泌される抗利尿ホルモン(バソプレシン)です。
人間が、1日に廃泄する尿の量は約1.5リットルと言われ、それを、何回かに分けて廃泄させているのが、このホルモンの働きによるものです。
ところが、アルコールの血中濃度が上昇すると、脳下垂体の働きが鈍くなり、このホルモンの分泌が抑えられてしまいます。
そのため、お酒を飲むと頻繁にトイレに通う事になるのです。
その回数は、お酒の飲みはじめの方に多く、飲み進につれて、間隔が長くなる傾向があります。
それは、ある程度アルコールの血中濃度が高くなって来ると、こんどは、尿が出過ぎて体の水分が少なくなり過ぎると困ると言うので、再び、このホルモンが分泌されるようになります。
お酒を沢山飲んだ翌日、体がむくんでいるのは、このホルモンのバランスが崩れるからです。