アスベストとは、建築物の断熱材などに用いられてきた天然鉱物繊維の総称。
頭髪の５０００分の１と極めて細く、建材などから離れると、空中に飛散する。
吸い込み続けると、繊維が針のように肺にささり、肺が硬化する。
同時に、風のようなせきが出たり、呼吸機能が低下したりして、癌の一種である中皮腫や肺癌にいたる。
アスベストの被害は、それを扱っている職種だけにとどまらず、その工場の周辺の住民、学校などを始とする公共施設、さらに、電化製品のコードや、タバコのフィルター、ベビーパウダー、ドライアー、塗料、接着剤などにも使われている。
アスベスト汚染の恐怖は、潜伏期間の長さにもあって、アスベスト吸引から、発病平均期間は３８年、平均発生年齢は６１歳というデータが発表された。
しかも、潜伏期間が長いにも関わらず、一度発病すると、５年後の生存率はわずか数パーセントしかないと言われる、まさに、静かな時限爆弾を抱えているようなもの。