女性に多い病気
乳房のしこり


 乳房にしこりのできる病気には色々ありますが、その中で、乳腺にしこりができる病気に乳腺症、乳癌、線維腺腫の3つがあります。
乳腺症のしこりは、まばらな感じで、しこりの境界がはっきりしないしこりです。
乳癌のしこりは、堅い感じのしこりです。
また、乳腺の線維腺腫のしこりは、癌とも違って、いかにも、グリグリ、ツルツルトした感じのしこりです。

 この中で、乳腺症と、線維腺腫は良性のものです。
乳腺症は、腫瘍ではありませんので、将来癌に移行すると言うような心配はありません。
乳腺症はホルモンと関係があり、乳腺が変化を受けて、そのような固まりになってしまうのですが、乳癌との鑑別が大切ですから診察は必要です。
しかし、乳腺症は、治療する必要はありません。

 正常の細胞からも、もちろん、癌ができることがありますが、乳腺症の中からも癌ができる可能性もあります。
と言うと、先程の話と矛盾するようですが、ただし、一般的にいうと、良性とは言っても乳腺に何らかの疾患ができる人は、やはり、乳癌もできる可能性が高くなり、ハイリスクグループの中に入ります。
しかも、乳腺症の固まりの中に乳癌が発生すると、非常に診断が難しくなり、区別ができなくなります。
このような時は、乳癌の専門医に、できるだけ早く診察してもらうことをお進めします。

 先程、乳腺症は心配いらないと言いましたが、乳腺症そのものでは、心配はいらないということです。
乳腺症は、卵巣ホルモンの影響を受けてできるものですから、極端に言うと、閉経を迎えると自然になくなってしまうことが大半です。
乳腺症は、毎月の生理によって大きくなったり小さくなったり、また、圧痛もあったりなかったりしますので、いつも大きくて痛いわけではありません。
そして、自然に治ることがほとんどですが、薬や注射で治す方法もあります。
薬は、やはり副作用もありますので苦痛がなければ、自然のままの方が良いと思います。



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