病気の予防
健康寿命


健康寿命(その1)

 何の病気もせずに、健康で長生きするのは、なかなか難しいものがあります。
そこで、今回は、健康で長生きするための健康管理のポイントや、運動法を紹介します。
健康寿命とは、病気や障害がなく、人の世話にならずに自分の力で生きられる期間のことを言います。

 日本の健康寿命は世界1ですが、これには、いろいろな理由があります。
その1つに、予防に関することが充実しており、医療にもかかりやすいことがあります。
わが国は、老人保健もありますし、福祉が充実していることもあります。

 そして、忘れてはならないことは、和食という伝統的な低脂肪食があったと言うことです。
しかし、タバコを吸う人は少なくなりつつありますが、肉食を多く取る人が年々増えています。
脂肪の多い食事を取ることで、食生活が豊かになったような気になりますがそれが危険信号です。
脂肪が多くなると、動脈硬化を進ませることになるからです。

 最近は健康ブームで、健康に良い物ならと言って、沢山食べる風潮がありますが、いくら体に良くても、過度な栄養、過度な食品では、健康を損ないます。
特に、砂糖や脂肪、塩分は、度が過ぎると健康を損なうことは知られていますが、その他に、最近は果物や乳製品の栄養が高くなって、取りすぎのために、コレステロール値が上がったりしています。

 もちろん、お酒もタバコも度を超してはだめですが、当然取らなければならない物もあります。
それは、運動、リラックス、そして、規則正しい生活が1番大事ですが、そのもっとうとして、若々しく活発に生きようと言うことです。
健やかな長寿のためには、日常の健康管理や、だめなことは改め、積極的に取り入れるべきことを徹底させることが大事です。


健康寿命(その2)

 健康寿命を伸ばすには、食事の内容はもちろん、その食べ方が重要です。
まず、はや食い、大食いはご法度です。
これをやると、血糖値が上がり、つい 過食になり脂肪が増えてしまうことになります。
実は、同じ食品や食事でも、食べる順番を変えることで、血糖値の上がるのを防いだり、コレステロールの上がるのをゆっくりさせることができます。

 その順番は、歯ごたえのある物から食べます。
まず、よく噛むことから始めます。
そして、繊維の多い物を前半に食べます。
こうすることにより、次に入ってくる脂っこい物や、糖度の高い物の消化をゆっくりさせることができます。
ゆっくりしたペースで、楽しみながら食事を取ることが、体に良いことは昔から知られていることですが、実は、それが一番理想的だということです。

 それから、肥満は夜作られるとも言われますが、それは、交感神経と副交感神経の働きのためです。
昼は体を動かしますから、交感神経が働いています。
そして、夜は休む時間ですから、副交感神経が働きます。
この時間は、エネルギーを蓄える時間ですから、腹いっぱい食べて寝ると、そのエネルギーを全部脂肪として蓄えてしまうことになります。
つまり、脂肪は夜作られる、結果的に、肥満は夜作られると言うことになります。

 しかし、健康を維持するためには栄養はきちんと取らなければなりません。
そこで、大切なことは、栄養とカロリーを取り違えないことで、必要なのは量より、質なのです。
そのバランスは、糖質が60パーセント、脂質が25パーセントまで、そして、蛋白質が15パーセント以上です。
それから、先ほど述べた食物繊維を含んだ野菜を取ることが大事です。
野菜は、1日300グラム〜350グラム取るように言われていますが、これを守っている人は少ないのではないかと思いますが、野菜には、これまで知られていた栄養素以外の未知の栄養素が沢山含まれていることが分かってきました。
野菜には、抗酸化物質が多く含まれていることが分かり、老化を防ぐ意味でも注目されています。


健康寿命(その3)

 少量のアルコールは、善玉コレステロールを増やします。
ビールなら1本、日本酒なら1合、焼酎ならお湯割り1杯までなら健康を保つことが可能な量と言えます。
とは言え、週2回くらいの休肝日も必要です。

 そして、元気で長生きするには、食事療法と共に運動も不可欠です。
食事療法をきちんとやっても、運動がないと、食べたレネルギーを使うことができません。
運動は、継続的に行わないと筋肉は落ちてしまいます。
筋肉が落ちると、当然、代謝が落ちます。
そうすると、脂肪を燃やせなくなって脂肪が貯まってきます。

 では、どのような運動をすれば良いのかですが、それは、無理なく続けられる運動です。
健康で長生きするためには、運動は一生続けて行かなければならないですから、無理なくできる有酸素運動としては、ウォーキング、若い方ならジョギング、そして、水泳も良い運動です。
目安の時間は、1日10分〜30分が良いと思います。

 外に出られない人は、その場ウォーキングをやります。
そして、時間があれば、アイソメトリック運動で筋力をつけます。
コの運動は、筋肉を縮めたり延ばしたりしないで行う運動のことで、関節の運動がなくて力を入れると言うことです。
腕押しや、足を上げて止めて置くような運動を言います。

 こうした、膝を抑えるとか、腕をしめる、あるいは、電車のつり革につかまって力を入れて、体を持ち上げるような運動を、5分〜10分行うことで、筋肉を使うことができます。
効果が現れるのは、2〜3ヶ月先のことになりますので、心棒が大事です。

健康寿命(その4)

 健康寿命を延ばすには、睡眠も重要です。
昼は動いていますので、交感神経が働いています。
夜は、ゆっくり休みますので、その時間に副交感神経が働き出します。
交感神経と、副交感神経は、どちらも自律神経ですが、切り替えがうまく働かないと健康が維持できなくなります。
睡眠が不足すると、頭痛が起きたり、風邪を引きやすくなったり、肩こりがひどくなったり、腰痛症や捻挫を起こしたり、考えられないようなことが、睡眠不足が原因で起きることも少なくないのです。

 では、疲れを取ることのできる睡眠時間の目安は、どれくらいでしょうか?
一般的には8時間と言われますが8時間寝ようと思っても、なかなか寝られないものです。
そこで質の良い睡眠を得るために、いろいろな工夫が必要です。
その1つが、寝る環境です。
明け方になると、明るくなるような環境ではだめです。
最近は、雨戸がなくなって、ブラインドやカーテンですませていますが、遮光でないですから、朝になると明るくなってしまいます。
そうすると、明け方2は眠りが浅くなってしまって、目が覚めてしまいます。

 朝の目覚めより、もっと大事なのが寝入りばなの熟睡です。
うまく寝つければ、良い睡眠が得られます。
そのためには、寝る前の3時間以内2、刺激物を取るのを避けます。
コーヒーや紅茶はもちろんですが、最近は、ウーロン茶でもカフェインが入っています。
こう言う物を食後や、寝る前に取ってしまうと、寝付きが悪くなってしまいます。

 もう一つ大事なことは、寝る前に体を温めてやることです。
入浴が一番良い方法ですが、軽い運動でも良いと思います。
リラックスした後で布団に入るのですが、その時に、暖まった体が通常の温度から、寝る温度に下がってくると、スーッと眠れるのです。
世の中には、仕事の都合で長時間の睡眠が取れない人もあり、短時間の睡眠に分けて取っていることも多いと思います。
短い睡眠で、レム睡眠(熟睡)にはいれる人は、分割して睡眠を取ることも可能です。
しかし、それも最低3時間くらいは必要で、それより短いと、体の回復機能が働きません。
体は、寝ている間に自律神経が働いて、内臓を修復し、細胞を若々しくしたり、免疫力を上げることをしています。


健康寿命(最終回)

 健康で長生きするためには、メンタル面もとても大事です。
健康をきちんと維持するには、心を若々しく、活発に生きると言うことが1番大事なことです。
世の中には、とてもお年には見えないと言う人がいますが、そう言う人は、ストレスの少ない人です。
ストレスを減らすには、その反対をすることが必要です。

 つまり、笑うことです。
心地よく笑うことができれば、脳内のフェロトニン物質が増えます。
逆にフェロトニンが減少すると、うつ病になると言われていますから、その反対をやれば良いことになります。
よく笑ったり、大きな声でしゃべったりすれば、酸素の摂取量が増え、脳の血行も良くなります。

 脳は、使えばその部分の血の流れが増えると言われています。
よくしゃべる人は、左の言語中枢の血行が良くなりますし、手をよく使う人や、体を良く使う人は、右の脳の運動中枢の血行が良くなります。
そう言うふうにして、脳を活性化させることが老化を防ぐポイントです。
脳をリフレッシュさせる意味では、趣味を持つことも大事です。

 では、どう言う趣味が良いのかと言うことですが、まず、自分で熱中できる趣味が大事です。
脳を元気にするからと言って、無理やり『これをやるんだ』と、義務感を持ってやるのでは長続きしません。
本当は、若いうちに、いろいろな趣味を体験して、『コの趣味で一生楽しめるぞ』と言うものを選ぶのが理想的です。
そう言うことがない人でも、年を取っても続けられるような趣味や、楽しめることを早めに見つけることが大事です。
それがあると、自分の楽しみが一つ増えますし、人とのつき合いの時に、話題もできますので、話し相手ができることになります。
趣味を通しての、いろいろな人とのつき合いは、仕事と違って、ストレスが少ないですし、自然の中に出られるような趣味も持って欲しいのです。
そして、いやし系と言いますか、犬や猫のような動物を飼うことも良いことですし、他人の目を気にして、いつまでもお化粧をしたり、オシャレをすることや、男性でも、やはり身なりに気を使って、若々しくしていることが大事だと思います。



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