病気の予防
糖尿病対策


糖尿病対策(その1)

 ここ5年ほどで、我が国の糖尿病患者と、その予備軍は急激に増加していると言われています。
その背景には、やはり、食べ過ぎや、不規則な傾向にある食事の習慣、生活環境の変化による運動不足など様々な原因があります。
そこで、今回は、糖尿病を悪化させないボイントについてお話したいと思います。

 先にもお話したように、我が国の糖尿病患者は年々増えており、現在では、740万人とみられていますが、予備軍も含めると1600万人にも登るのではないかと言う専門家もいます。
その要因と言われているものに、食生活の欧米化や過食、あるいは、車社会になり、歩くことが少なくなったり、電化製品の普及による家庭などでの運動不足などが上げられます。
確かに、糖尿病になりやすい体質の遺伝と言うこともありますが、その人達は必ず糖尿病になると言うのではなく、それを、自覚して食生活に気を付けるとか、運動をするなどで防ぐこともできるのです。

 それから、ストレスが原因で糖尿病になることもあります。
と言うのは、ストレスがあると、人間は過食になる傾向が強く、その結果、肥満になってしまうことがあり、最終的に糖尿病と言うことになることが多いです。
最近は、ストレスの度合いを測定する心メーターと言う器械が開発され、ストレスを計ることができるようになりました。
これは、唾液の中に含まれるアミラーゼからストレスを簡単に測定できます。
その数値が40以上になると、ストレスが高いと言うことになります。
このように、糖尿病は、ストレスも重要な原因になりますので、心のケアーも大事です。


糖尿病対策(その2)

 前回は、ストレスが糖尿病にも係わって来るというお話しをしましたが、今回は、糖尿病の初期には、どんな症状がでるのかについてお話しします。
糖尿病の初期の症状には、とにかく、やたらに喉が乾くとか、トイレに何回も行く、あるいは、非常に強い疲労感や倦怠感があり、食べても食べても痩せてくると言った症状が出てきます。

 では、糖尿病になると、なぜこのような症状がでるのでしょうか?
それは、糖尿病になると、血糖値が高くなり、その分、尿などに糖が出てきますので、トイレの回数が多くなったり、尿量が多くなったりします。
そのために、脱水状態に近くなり、喉が乾いて水が欲しくなるのです。
以上のように、糖尿病の初期の症状はと説明しましたが、これは、アウリンの説明の誤りで、最初に現れる症状のことです。

 実際には、糖尿病の症状は、初期には、体が痛いとか、腫れるなどの自覚的な症状は全くなく、定期検診などの尿検査で、初めて分かるのがほとんどです。
先に説明したような症状が出ている場合は、かなり進行してからです。
このように、糖尿病の本当の初期には、全く症状がないので、ほおっておくと、合併症と言う恐ろしい病気に襲われることもあります。

 糖尿病の合併症には、腎臓や網膜症、それから、手足がしびれると言った神経障害などが三つの代表的な合併症です。
これ以外にも、最近では、動脈硬化も心配されていて、血糖値の高い状態が、長い間続いていると、細い血管だけでなく、太い血管も傷んでくるのです。
最近、メタボリックシンドロームという言葉を聞いたことがあると思いますが、これは、糖尿病高血圧、高脂血漿と言った病気が合併すると、お互いに影響し合って、動脈硬化を招いて、やがて、脳梗塞や、心筋梗塞と言ったような命に係わる重大な病気を招くリスクが高くなります。


糖尿病対策(その3)

 できるだけ早い段階で治療をおこなって欲しい糖尿病ですが、自覚症状が出たときには、かなり進行している場合が多いです。
そこで、本当の初期段階で病状を把握する方法はないのかと言うことですが、手軽に自分で行える検査があります。
それは、尿糖検査と言って、テープ状の物を尿に浸して、その色の変化を見ます。
その色が変わらなければ良いのですが、黒くなると糖が出ていることになります
これは、近くの薬局でも購入することが可能です。

 検査の仕方で注意することは、毎朝決まった時間に行うことです。
血糖値は、ほとんど尿糖値と同じで、中には、腎性糖尿と言って、尿糖が出ていても、血糖値が正常と言う場合もありますが、多くの場合は、ほぼ血糖値と尿糖値は同じと考えられています。
そこで、空腹時に検査して、尿に糖が出ているようであれば、血糖値はかなり上昇しているということになりますので、専門機関で検査を受けることが大切です。

 その他にも、チェックする方法として、体重測定があります。
これも、毎日決まった時間に測定するのですが、遺伝のある人などは、現在は糖尿病ではないのですが、体重が、どんどん増えて行ったりすると、軽い糖尿病になっている場合も多いですから、まず、糖尿病を疑ってみることも必要です。
しかし、1番大事なことは、定期的に血糖値と、尿を検査することです。
尿を計るときは、できれば食後が良いのですが、空腹時に計って、126以上あれば糖尿病の可能性がありますので、再検査の必要があります。


糖尿病対策(その4)

恐ろしい糖尿病ですが、その悪化を防ぐ為には、自分の食事を見直す必要があります。
毎日3食食べていますか。
朝食を抜いてはいませんか。
そして、主食のご飯やパンを、しっかり食べていますか。
それから、副食では、豆や魚などの蛋白質や野菜なども、きちんと取っているでしょうか。
とにかく、主食をきちんと取っていないと、間食をしたくなりますから、まず、ご飯をしっかり取ることが大切です。
また、肉などを食べるときには、野菜を片手に山盛りくらいを先に食べると、血糖値の上昇が緩やかになります。

 糖尿病にならないためには、とにかく、腹八分目を心がけることが大切です。
それから避けなければならないものは、スポーツドリンクや、アミノ酸飲料、缶コーヒーなどです。
それらの飲料物には、意外に糖分が多く使われていますし、アルコール類にも、けっこうカロリーがありますので、カロリーオーバーになる可能性が高いです。
これらのことから、一日の食事パターンとしては、朝食と、昼食をしっかり食べて、夕食は、野菜を中心とした軽い食事を楽しみながらいただくことが大切です。


糖尿病対策(最終回)

 これまで、糖尿病には、正しい食事と、運動も大切と言うことをお話ししましたが、運動に関しては、どのようなことに注意をしたらよいのでしょうか。
運動にも、いろいろな方法がありますので、自分に合った運動をするには、やはり、専門家に相談することが必要です。
運動については、最低でも、30分くらいの運動を、週に3回ほどやることで、カロリーを減らすことと、血糖値を下げることができると言われます。

 しかし、寒かったり暑かったりすると、外で運動をするというのは、なかなかできないものです。
そこで、部屋の中でできる運動をやってみてはどうでしょうか。
これにも、いろいろあると思いますが、椅子に座ってできるものとして、椅子に座って、手を一生懸命振ったり、足を使ったり、座りマラソンと言われることを、やってみるのも良いのではないかと思いますし、また、爪先立ちで立って、その場の足踏みをすることでも、かなりの運動量になります。
これらの運動は、ラジオを聞きながら、テレビを見ながらでもできますし、何よりも、お天気を気にすることなくできる運動ですから、5分でも、10分でも、とにかく毎日続けることが大切です。

 それから、最近、笑うことで血糖値の上昇を抑えることが分かったのですが、漫才や、落語を聞いた後に血糖値を計ってみると、血糖値が下がっていることが多いそうです。
ですから、笑うことは、血糖値を下げるためにも良い方法です。
そこで、顔面の筋肉を動かしましょうと言うことで、笑うときに使われる筋肉、つまり、笑み筋体操と言って、目に近いところの筋肉を、もんだり、引っ張ったりして、顔の筋肉を動かすことが良いそうです。



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