病気の予防
転倒防止策


 転ぶことが、私達の生活にどのような影響を与えるかご存じでしょうか?
転倒という意味は、同一平面上でバランスを失い倒れることと定義されています。
主に、道路や室内の床など、平らな場所でつまづいたり、滑ったりして転ぶことを言いますが、その転倒すると言うこと自体は病気ではありません。

 しかし、それがきっかけで、思わぬ病気や生活への支障をきすことがあります。
特に、体の老化が始まる40代半ば以降は注意が必要だと言われています。
転倒事故を調べた結果、要介護状態になる転倒での骨折は11.8パーセントで、老衰を除けば脳卒中に次いで2番目に高い割合になっています。
転倒が原因で、寝たきりの状態が続けば持病の進行や、新たな病気が発症したり、あるいは、認知症に至るケースもあります。

 また、特に高齢者などで、過去に転倒経験がある場合は、再発への恐怖心が募って、外に出かけることを避けて、家に閉じこもりがちになってしまうなどの影響も少なくありません。
転倒そのものは病気ではありませんが、病気の発症やQOL(生活の質)の低下を引き起こす原因には十分になりうるのです。
内的要因としては、年齢を重ねることで、運動不足に伴う体や感覚機能の低下、そして、病気や薬の副作用によるものがあります。
また、外的要因としては、段差や滑りやすい素材など、床の状況や足に合わない履き物など、これらが絡み合うと転倒が起きてしまいます。

 もう1つ、おもしろいことに、ウエストサイズが大きいリンゴ型肥満の傾向にある人や、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロール値が低く総コレステロールや、中性脂肪が高い高脂血漿の傾向の人は、転びやすいと言うことが明らかになりました。
転倒を予防するためには、体の変化を知り、日頃から、運動を習慣づけることが大切です。
筋肉や関節をやわらげるストレッチングをしたり、片足立ちによるバランス訓練など、1日5分程度でも自宅で楽しめる範囲で続けることが大切です。
また、転倒防止には食生活も重要で、筋肉を作る良質の蛋白質や筋力を維持させるビタミンDを多く含むまぐろやかつお、いわしなど、青い背の魚を積極的に取ることが大切です。

 次に履くものですが、家にいるときは素足がよく、外出するときは足に合った履き物を選びます。
足が衰えて来たなと思ったら、杖を使うことをお勧めします。
長さの目安は、身長割2+2〜3センチが良く、こまめな水分補給を忘れないことと、身の周りの転倒原因を取り除くことが大事です。



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