胃は、食道から送られてきた食べ物を一時貯めておく臓器ですが、蠕動運動で食べ物をこねることと、胃液を分泌して食べ物を消化すると言うのがその役割です。
胃が老化すると、胃液の分泌が少なくなって、胃の粘膜は萎縮し、胃癌にもなりやすくなります。
では、若々しい胃を保つには、どう言う対策をすれば良いのでしょうか。
実年齢と、胃の年齢は必ずしも一致しないのです。
中高年でも、胃の粘膜が丈夫で胃酸がほど良く出ていて、消化機能が良ければ、胃は若いと言えますし、若くても、胃の粘膜が萎縮していて、胃酸の分泌が少なく消火機能が悪ければ、年老いた胃になっていると言えます。
そして、胃癌の誘因の1つにもなります。
ですから、胃の粘膜の萎縮を防ぐことが胃を若々しく保つための第1条件なのです。
胃の粘膜を鍛える方法には、いろいろあります。
ピロリ菌の除去。
胃の中にピロリ菌がいると、胃の粘膜の萎縮が進み老化が早まります。
30〜40代のうちに、消化器の専門医にピロリ菌の有無をチェックしてもらって、陽性なら除菌治療を受けるのがベストです。
生野菜と、果物、海草。
胃の粘膜を荒らす塩分の取り過ぎに注意。
生野菜や果物は、胃の粘膜を保護する作用がありますので、できるだけ多く取るようにします。
海草のぬるぬる成分は、胃の粘膜を保護し修復する作用があります。
強いアルコールは、胃の粘膜を荒らす原因になる。
ウイスキーなどは、薄めてアルコール濃度を20パーセント以下にして飲むのがペストです。
決して、大食いをしない。
香辛料と喫煙。
激辛成分も胃壁を荒らします。
胃酸のコントロール。
胃酸は、多すぎても少なすぎても胃に悪いのです。
コーヒーと赤身の肉。
中高年になると、胃酸の分泌が低下しがちです。
食後のコーヒーは、胃酸の分泌を高めてくれます。
週に1〜2度赤身の肉を食べれば、蛋白質でできている胃自身が鍛えられますし、胃酸の分泌を促すことにもなります。
食事は、規則正しくよくかんで食べます。
蠕動運動を高めると言う意味では、玄米がベストです。
中国では、米、麦などは胃腸の薬になると言われ、特に玄米を良くかんで食べると、胃の働きが高まりますが、胃が弱っている時にはニラ粥がお勧めです。
甘いものは、適度の甘さは胃の働きを良くしますが、特に、カボチャや栗などが良いとされています。
それから、いも虫ごろごろ体操もお勧めで、食後に横になって、体をゴロゴロさせると、胃の運動が高まるのだそうです。
最後に、胃が痛む時には1、2食食事を絶ちます。
胃にも休養が必要なのです。
ただし、ぬるま湯やばん茶、スポーツ飲料などで、十分に水分の補給をすることを忘れないようにすることが大切です。