病気の予防
大豆パワーで健康に


大豆パワーで健康に(その1)

 大豆は、昔から畑の肉と呼ばれていますが、高い栄養を含みながら、ヘルシーな食品として知られています。
昨今の健康ブームの中でも、相変わらず注目されている食品の1つですが、反面、食卓に大豆料理が並ぶことが少なくなって来ているのではないかと思います。
そこで、今回は、今こそしっかり知ってほしい大豆の力についてお話します。

 大豆は、体に良いことは多くの人がご存知だと思いますが、改めて大豆の栄養価を考えると、大豆には、人間が生きて行くために不可欠な3大栄養素の蛋白質や糖質、脂質がバランス良く含まれています。
さらに、大豆は、ビタミンやミネラルも豊富です。
その中で、特に注目されているのが蛋白質です。

 大豆に含まれる蛋白質は、人間の体の機能を正常に保ってくれる最も重要な栄養素の1つです。
具体的に言うと、大豆蛋白は植物性の蛋白質で、その上に、何十種類ものアミノ酸からできています。
そして、アミノ酸の中でも8種類のアミノ酸は、人間の体の中で作ることのできないアミノ酸です。
豆腐は、食べ物から取らなければならない必須アミノ酸をバランス良く含んでおり、これらは、血液や、筋肉を作るための主成分です。
ですから、健康維持や増進に欠くことのできない栄養素と言えます。

 また、大豆に含まれている大豆イソフラボン物質は、大豆独特の色素で抗酸化物質でもあります。
これが、染みや、しわに効果を発揮するコラーゲンという蛋白質の代謝を活性化してくれ、女性の肌を健やかに保つ効果もあります。
さらに、イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンの働きを良くしてくれますので、骨からカルシュームが抜ける骨粗鬆症の予防も期待できます。

 他に含まれる成分は、食物繊維が豊富で、これは、腸の働きを活発にして、便通を促してくれます。
大豆は、便秘の予防改善には欠かせない食品の1つです。
この食物繊維は、不溶性ですから、コンブや海草などの水溶性の食物繊維と一緒に取ることによってバランスが取れます。
昔から、大豆とひじき、大豆と昆布を一緒に煮て食べていたのも理にかなっています。
大豆パワーで健康に(その2)

 前回は、大豆には、健康にも美容にも良い成分が含まれていると言うお話しをしました。
最近、特に血液がドロドロになるなどと言う話しを聞きますが、これは、肉などの動物性食品を長年とっていると、体内に過酸化脂質と言う脂肪の錆ができてしまうためです。
これが、生活習慣病を起こす要因の1つと言われています。
ところが、大豆に含まれる大豆サポニン成分が、過酸化脂質を分解してくれます。
したがって、サポニンが生活習慣病の発生を予防してくれるという訳です。
つまり、ドロドロの血液をサラサラにしてくれるのが大豆レスチンで、大豆サポニンは、過酸化脂質を防いでくれます。

 大豆に含まれる脂質には、主に、リノール酸や、アルファリノレン酸があり、これが、血管に付くコレステロールを防いでくれます。
そして、血液中のコレステロール値や、中性脂肪を下げてくれる働きも併せ持っています。
その他にも、大豆には、ビタミンB群も多く含まれていますので、代謝を促進してくれ、肌や全体をきれいにしてくれます。
これらの成分は、美容にも注目されているところです。

 さらに、大豆には、ビタミンEも多く含まれていますので、抗酸化作用もあり、過酸化脂質、つまり、錆ができるのも防いでくれます。
これが、素肌美人には欠かせない栄養素です。
豆粒と言われるほど、大豆は小さいのですが、その中には様々な栄養素が、ぎっちりと詰まっています。
大豆パワーで健康に(その3)

 大豆を使った食品は、けっこうたくさんあります。
その代表選手は豆腐で、非常に消化吸収の良い栄養食品の1つです。
豆腐の中には、大豆に含まれる蛋白質の7割が残っています。
特に、その中でも、リノール酸や、サポニン成分が多く残っていて、コレステロールを下げてくれる働きをしてくれるだけでなく、心臓病の危険を減らしてくれると言うことで、欧米でも、今とても注目されています。

 次に、大豆食品で有名なのが納豆です。
納豆は発酵食品ですが、その発酵の途中で、蛋白質を分解する納豆キナーゼができます。
納豆キナーゼには、血液をサラサラにする働きがあります。
その効果を更に高めるためには、酵素の働きを助けるネギや玉ねぎ、ニラなどの臭いの強い食材を加えることによって、血液をサラサラにする効果が高まります。
これらの野菜に含まれる硫化アリル分が、その働きをしてくれ、納豆を食べるときは、それらの食品と一緒に食べることをお勧めします。

 次に上げられるのが豆乳ですが、最近は豆乳を飲んでいる人が増えています。
豆乳カップ1杯には、約大豆150粒分の成分が含まれていると言われています。
大豆150粒を食べろと言われても、なかなか大変ですが、これを豆乳にすると楽ですので、朝食前や空腹時に飲むことをお勧めします。
空腹時に飲むと、吸収が良くなります。
豆乳に限らず、大豆食品はカロリーが低いですから、ダイエット食品としても向いています。

 次は、豆腐を造った後に残るオカラですが、オカラの中には、かなりの大豆の成分が残っています。
その中で、注目したいのが食物繊維です。
食物繊維の多く含まれている野菜として取り上げられるものにゴボウがありますが、オカラには、ゴボウよりも多くの食物繊維が含まれています。
おからを料理などに工夫して使ってもらうと良いのですが、最近では、オカラ入りのケーキや、オカラ入りクッキー、オカラ入り煎餅などが健康お菓子として売られています。
大豆パワーで健康に(その4)

 前回も大豆食品の良さを紹介しましたが、今回も少し紹介します。
大豆食品で有名な物の1つにきな粉があります。
きな粉は、大豆を煎って粉にした物ですが、餅や、いろいろな物につけて食べることのできる便利な食品です。
特に、粉末になっていることで、消化吸収しやすくなっていることと、きな粉の中には、大豆イソフラボンと言う抗酸化物質が豊富で、若々しい体を保ってくれます。
また、骨粗鬆症を予防するためには、1日大さじ1〜2杯取ると良いでしょう。

 摂取の仕方には、いろいろな方法があると思いますが、自分の好みに合わせて取るのが1番良いと思います。
その方法としては、牛乳に混ぜて飲むとか、ヨーグルトに混ぜて食べるとか、食べ物に、ふりかけのようにするなど、自分に合った長続きする方法が一番だと思います。

 それから、大豆製品の中で、日本人として忘れてはならない物に味噌があります。
味噌は、醤油と並んで、日本食には欠かせない調味料の一つです。
特徴としては、納豆と同じように発酵食品で、大豆にある成分の他に、発酵熟成の途中でできるメラノイジン成分があり、これが、非常に抗酸化作用があります。
これらの成分は、癌を初めとする生活習慣病の予防に、とても効果があると言われています。

 また、味噌には、乳酸菌も入っていますので、免疫力を高めて、腸内の環境を整えてくれる働きもあります。
その他にも、発酵物質として、アミノ酸が結合してできたペクタイドという成分が、肥満や高血圧を予防する効果が期待できます。
毎朝、味噌汁を飲むのが一番ですが、それが不可能な場合にはつけ味噌としてマヨネーズの代わりに使うことも良いと思います。
大豆パワーで健康に(最終回)

 これまで、大豆の良い点をいろいろと紹介してきましたが、生活習慣病を予防するのにも大きな効果があることも分かってきましたし、慢性疲労の人も増えています。
このような疲労回復にも、大豆は一役かってくれています。
大豆に含まれる蛋白質や、ビタミンB1が、疲労を回復させるには非常に大切な成分です。

 この両方を豊富に含んでいるのが納豆です。
前回もお話しましたが、納豆を食べるときには、ネギや玉ネギ、ニラなどの硫化アリルを含んでいる物と一緒に食べると、ビタミンなどの吸収をより高めてくれ、疲労も早く取れます。
また、大豆はストレスにも効果があります。
大豆に含まれるアミノ酸と、ビタミンCが体の中で抗ストレスホルモンを作るのを助けてくれます。
そのため、大豆を食べていると元気が出てきますが、さらに、元気を出すには、元気ビタミンとも言われるビタミンCを一緒に取ることが大切です。
それには、ビタミンCの豊富な果物を一緒に取ることで、さらにやる気が出てきます。

 それから、生活習慣病の原因となる肥満を予防、あるいは、解消するには豆腐を作った後にできるオカラを食べることによって、満腹感が得られる割にはカロリーが少なく、繊維質が豊富ですから、減量食には、もってこいの食品です。
生活習慣病の他にも、21世紀の国民病と言われているのが肝臓病です。
肝臓病を治すには、高蛋白、高ビタミン、高ミネラルが大切です。
 そこで登場するのが、これらを全部含んでいる大豆です。
大豆に含まれる成分は、肝臓を保護する点でも優れています。



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