甲状腺の病気に関しては、以前にも書いたことがありますが、今回は、ホルモンについて少し書きます。
ホルモンにも様々あり、色々な働きをしています。
ホルモンは、本来ホルモンを作る場所の内分泌組織で作られた蛋白質、それが、ホルモンとして血液の中を循環して、働こうとする組織(標的組織)に到達し取り込まれ、様々な体の働きを調節します。
体の中の代謝やホメオシターシス(恒常性保持機能)と言って、体を一定(体温など)の状態に保つ働きをします。
甲状腺ホルモンは、体の中の熱や、あるいは、代謝の調節をし、副腎からステロイドホルモンと言って、生命の維持に大切なホルモンを出し、電解質の調節、体の中の抵抗力などに関係します。
さらに、副腎の中には、皮質と、髄質があり、髄質から交感神経、副交感神経の自律神経にも関係する、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)と言うストレスに対して働くようなホルモンが分泌されます。
その他にも、色々なホルモンが作られますが、それをコントロールするコントロールセンターとして、頭の中にある視床下部下垂体から出されるホルモンによってコントロールされます。
最近は、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)と言う、我々の身の周りに迫っていて調査が進められているところです。
甲状腺は、ホルモンを作る臓器としては最も大きな臓器とされ、食べ物に含まれるヨードを取り込み、それから、甲状腺ホルモンを作ります。
アミノ酸蛋白質ですが、ヨードが3つ付いているのをT3、4つ付いているのをT4と呼び、これらのホルモンは、熱を産生したり、新陳代謝を高めたりします。
このホルモンが多くなってくると、発汗が多くなったり、交感神経の働きを強め、脈が速くなったり、あるいは、消化管の運動を盛んにしますので、胃腸が良く動いたり、多過ぎると下痢をしたりと言うようなことが起こります。
さらに多くなると、食べても食べても汗になってしまったり、熱になってしまい痩せてきます。
反対に、少なくなってくると逆の状態になります。
ですから、甲状腺ホルモンが多くなると夏が苦手になりますし、少なくなると冬が苦手になります。
甲状腺の異常は、直接分かるというよりも、何か別の病気で検査をした時に見つかる場合が多いです。