その他の病気
肩こりと腰痛


 肩こりや腰痛は背骨からくる痛みを指しており、2本足で歩く人間に特有なものです。
2本足で立つこと自体、背骨に大きな負担をかけています。
背骨は、首の部分を頚椎、その下に胸椎があり、腰の部分を腰椎と呼んでいます。
頚椎から肩こり、また、腰椎の部分から腰痛と言うことになります。

 肩こりの原因は、様様で、胆石や目の疲労、歯痛や他の臓器からもきますし、もちろん、頚椎や肩関節からも起こります。
頚椎は、年令を重ねることにより、頚椎そのものや、その間にある椎間板が変形して、神経を圧迫し、首の痛み、肩こり、腕がしびれたりすることがあります。
これを頚椎症と言い、アジアの人に多く、特に日本人に多いと言われています。

 1般的に、首の部分が凝っていても肩こりと言っていますが、実は、その中に50肩と言って、肩関節の周囲が痛くて手が上に上がらなくなるものもあります。
このようなものも含めて、肩の周辺が痛むこと全てを肩こりと言っている人もいます。
最近では、パソコンを長時間やっている人の中に、目の疲れや同じ姿勢のために肩こりを訴える人が増えています。
 また、胆石の場合は、右の肩だけが凝ることがあります。
それから、車を運転して、同じ姿勢で渋滞に巻き込まれて、ストレスが溜まってくると肩こりの原因になることもあります。

 このような、筋肉性の痛みや疲労は、温める温熱療法や、軽いマッサージなどが最適です。
50肩は、まだ、はっきりした原因が分かっていませんが、朝起きたら肩が突然痛くなって、腕が上がらなくなったと言うようなものです。
その中でも、頭の後ろに手が行かないものと、手が腰のうしろに回らないような痛みがあります。
また、肩板筋をいためている場合は、なかなか治らず手術に至ることもあります。
50肩は、治療をすることで、治りが早い手すが、ほおっていても、半年ほどですっかり治ってしまう場合もあります。

 次に、肩こりの予防法についてです。
普段から注意することは、首や肩の筋肉をもみほぐし、負担をかけないと言うことと、それを予防する運動法があります。
この運動法は、等尺運動と言って、首を動かさずに筋力をつける方法です。
 まず、右手で右側の頭部を押します。
その力に負けないように、頭で押し返します。
つまり、手と頭で押し合いをします。
この時、頭の位置が動かないようにすることが大事です。
左側も、同じようにします。
前後の場合は、両手を使って行ないます。
4から、5秒で、1端、力を抜き、各々10回くらい行ないます。

 肩の場合は、両肩を同時に、これ以上上がらないと言うところまで上げ、少し止めておきます。
下にも同じようにします。
 肩こりは、枕の高さや大きさも関係することがあります。
枕は、頭だけを支えるものより、首と肩の1部を支えるものが理想的で、高さは、頭を乗せたときに6〜8センチくらいになるものが良いとされています。
しかし、枕に関しては、横向きに寝ることもありますので、理想的な枕を選ぶのは、なかなか難しいものです。
 肩こりで病院に行くと、ほとんど、もむようなことはしません。
電気で温めるか、運動療法を指示するか、あるいは、炎症を取る注射をするくらいです。

 次は、腰痛についてです。
腰の痛みは、若い人から、高齢者まで、いろいろなケースがあります。
急に腰がギクッと痛くなるギックリ腰などは、重いものを持ち上げようとした時や、急にふり返ろうとしたときなども起きます。
その原因にも様々あり、肩こりのときにお話をしたように、腰の筋肉が痛む場合と、背骨の腰椎が原因で起きるものがありますし、また、内臓からくるもの、特に、女性の場合は骨盤内臓器からのものが多いです。
 腰痛の代表的なものに、腰椎ヘルニアがあります。
これは、椎間板が破れて、その中身が飛び出し神経を圧迫するために起こる腰痛です。
この場合は、足がしびれたり、いわゆる、神経痛を伴うこともあります。
その他、骨折でも、烈しい腰痛を起こします。

 腰の筋肉が原因の場合は、筋肉そのものが痛む場合と、筋肉を包んでいる筋膜の炎症が原因で起こるものがありますが、いずれにしても、無理な姿勢や、疲労の積み重ねから、筋肉が弱っているときに起きることが多いです。
その他、肥満が原因で腰痛を起こすこともありますし、最近では、骨粗鬆症のため、骨の変形を起こし腰の痛みや、膝の痛みを訴える人が増えています。
しかし、これは、中年以上の女性に多い腰痛です。

 次に、腰痛の診断と、治療についてです。
最近では、MRI画像診断の機器が出きて、正確な診断ができるようになりました。
これによって、実際に手術が必要かどうかも、正確に判断がつくようになりました。
 治療に関しては、手術をするか、痛みを和らげる神経ブロックの注射をして、安静を保つ保存療法をします。
腰痛を起こさないためには、普段から腹筋や腰筋を鍛え、下から物を持ち上げるときは、膝を曲げて両手で持つことが大事です。



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