高齢者の耳鳴り(前半)
近頃、高齢社会に伴い、耳鳴りが原因で悩んでいる人が増えてきたと言われています。
その原因はいろいろありますが、1つには、もちろん、加齢に伴う耳鳴りもありますが、一口で言うと、私達の周りにはストレスが蔓延しているということがあります。
ストレスと言っても、精神的なストレスもあれば、肉体的なストレスもあります。
あるいは、暑さ寒さなどの生理的なストレスもあれば、騒音や空気の汚染など、環境によるストレスもあります。
自分ではストレスと気がついていなくても、知らず知らずのうちにストレスが貯まっているケースも多いです。
このようなストレスが、耳鳴りの原因になったり、あるいは、引き金の1つと言われます。
長期間に渡って強いストレスにさらされていると、自律神経がうまく調節できなくなってしまいます。
結局、それによって自律神経のバランスが崩れて、その結果、耳鳴りなどの症状となって現れてきます。
耳鳴りにもいろいろありますが、大きく分けると2つに分けることができます。
それは、自覚的耳鳴りと、他覚的耳鳴りです。
ほとんどの場合が、前者の自覚的耳鳴りで、他の人には分からないが、自分だけには分かると言うものです。
耳鳴りの多くは、耳の病気や神経の障害などで起きるのですが、その引き金になるのはストレスです。
その他、珍しい耳鳴りとしては、患者の耳に聴診器を当てると、心臓の音や血管の音などが、さっさっと聞こえるものがあります。
では、耳鳴りが起きたときは、どうすれば良いのでしょうか?
それは、耳鳴りが起きても慌てないことです。
落ち着いて、どういう耳鳴りかを見極めることが大切です。
それから、安静にして、少し横になります。
体を締めつけているような物があれば、それをゆるめて様子を見ます。
耳鳴りを、あまり気にすると、かえって耳に付く場合がありますので、その辺のところは様子をみます。
それで、治まることもあります。
しかし、頻繁に耳鳴りが繰り返すような場合には、やはり、病院で受診することが大切です。
耳鳴りの中にも、緊急に病院に行かなければならないものもあります。
それは、突然、激しい耳鳴りが起こった場合や、だんだん耳鳴りが強くなってくる、あるいは、耳が詰まったような感じがしたり、食器の音や、甲高い声が耳に付いていやな感じがする、それから、話し声や物音がだんだん聞こえにくくなってくるなど、耳鳴りと共に難聴が始まる危険性もあります。
それから、耳鳴りが1日中続いている場合にも、病院に行くことが大切です。
もう1つ大事なことは、耳鳴りと共に、ろれつが回らないとか、震え、痺れや麻痺などという神経症状が同時に起きた場合には、直ちに病院に行くことです。
耳鳴りから疑われる他の病気として3つほどありますが、メニエル病や突発難聴、あるいは、耳に帯状疱疹ができたりする場合もありますし、中耳炎からも起こります。
その他にも、耳と脳との間の神経に腫瘍ができる聴神経腫瘍と言うのも怖い病気の1つで、これも耳鳴りから起こります。
後は、高血圧や低血圧、糖尿病、その他いろいろ言われている成人病のほとんどが、耳鳴りを起こす可能性がありますし、耳鳴りだと思っていたら、実は、心臓が悪くて、不整脈だったと言うこともあります。
高齢者の耳鳴り(後半)
では、耳鳴りを予防したり、改善するには、どうすれば良いのでしょうか?
それを、一言で言うなら、ストレスを貯めないことです。
それから、もう1つ、この現代文明の中で注意しなければならないのは、大音量で音を聞かないと言うことです。
特に、ヘッドホーンばかりで聞いているのは、難聴を作っているようなもので、聞こえにくくなってくると、知らず知らずのうちに、ボリュウムを上げて聞いていることが多いです。
そして、気がついた時には難聴になっていたと言う例が多いです。
ですから、日頃から騒音にさらされないように注意することが大事です。
後は、食べ物では、過度に刺激するような辛い物は避けるようにします。
それは、辛い物を食べると、血液の流れに障害が起き、血圧の変動を急激に起こすからです。