お手軽体操
ストレスを消す脳内トレーニング


 ストレスは、職場の人間関係を始め、現代社会では避けては通れないことの1つです。
今回は、ストレスの原因についてのお話です。
厚生労働省が、数万人のサラリーマンに、何がストレスになっているのかを調べました。
その結果、1番の原因は、やはり、職場の人間関係で、特に、上司との関係でした。
生きている限り、人間関係のない人はいませんから、多くの人は、何らかのストレスを受けています。

 ストレスには、何かにぶつかって痛い思いをしたとか、事実に基づいたことの他に、自分自身の考え方が大きなウエイトをしめています。
上司が、本当は怒ってもいないのに、怒っているんじゃないかと勘繰ってしまったり、ちょっとした言葉の裏に自分を非難しているのではないかと言うように、自分で勝手にそれを受け止めることが大きなストレスの原因になります。
つまり、環境の要因と、自分の要因の2つがあるということです。

 他の動物は、来年寒いと困るなどの心配はしませんが、人間の場合は、ありとあらゆることを自分で考え、心配して自分でストレスを作り出していることが多いです。
最近は、地震や、さまざまな危機対応として、いざと言う時の予想しないような最悪のことを考えなければなりませんから、それが、日常生活で、大きなストレスになっていることもあります。
特にいけないことは、相手の心を詮索することです。
最近の若い人は、自分がどう思われているかと言うことを、すごく気にするとも言われます。
 アウリンも、白杖を持って歩かなければならないようになった頃は、ずいぶん世間の目が気になりました。
それが、いろいろな人との付き合いの中で、世間は、自分が思っているほど自分のことを気にしていないと言うことが分かり、とても気が楽になったことを覚えています。
自分が思っているほど、相手はこちらのことを考えて行動しているわけではないことが多いです。
それを大げさに、もしかしたら・・・と、ありとあらゆることを考えすぎることが、ただただストレスの原因を増していることに繋がります。

 こう言うストレスを積み重ねて行くと、心に影響が出るばかりでなく、健康を蝕んだり、肉体にまで影響を及ぼすことになります。
子どもの喘息などは、親が夫婦けんかしたり、いやなことがあると、急に咳き込むことがありますが、それは、その免疫を調節する細胞をストレスが傷害しているからです。
特に、喘息はストレスの影響を受けやすいと言われています。
それから、最近増えているうつ病もストレスの影響を受けやすいと言われますが、もう一つは、物の考え方が白か黒か極端な人がいます。
自分の希望した会社に入れなかった場合、それができなければ、自分の希望は永遠に出来ないんだと言うような考え方をして、将来に絶望感を抱いたり、悪いことばかりを考えたりしてしまいます。
やはり、グレンゾーンと言うか、これがだめならあれがあるさと言うような考えをもっていると、あることで失敗しても、別のことで大成功したと言うこともたくさんあります。
とは言え、若い時はいろいろな経験が少ないですから、もっと柔軟性のある考え方をすることが大切です。

 最近、右の脳を鍛えると言う言葉を聞きますが、昔は、右の脳は、芸術的なことを考えるとか、統合的にいろいろ考えると言われていましたが、最近は、うつ状態の人の右脳は、大きな刺激を受けていることが分かってきました。
そして、楽観的な人の場合は、左の脳が刺激を受けていることも分かってきました。
左の脳に言語中枢がありますので、いやなことがあった時に誰かにしゃべってしまうと、元気になると言うことです。
とにかく、自分の中に閉じ込めないで誰かにしゃべってしまうことで、気持ちが楽になることも多いです。
男は黙ってと言う昔風の考え方は、ストレスを貯めてしまうことになります。
言語と、元気には、とても深い関係があり、人間は、しゃべってしまうとすっきりする性質を持っていますから、左の脳を大切にして、大きい声で話すのは、ストレスを貯めないためにも良い方法です。

 右脳と左脳のお話をしてきましたが、右脳の全頭全野を刺激すると、うつな気分になり、左脳の全頭全野の活性化は、楽天的な感情を生むと言うことで、ストレスを貯めないためには、左脳を鍛えることが大切だと言うことです。
これまでのお話の繰り返しになるところもありますが、日本では、右脳神話がものすごくて、欧米では、すっかりなくなってしまったと言われています。
最近では、右の脳はうつで、左の脳は楽天的だと言うことになっています。
 それで、左の脳の全頭全野2は、もう1つ言語の働きをする言語中枢があります。
声を出して本を読むとか、話をすると言うことは、何か精神的に苦しい時に、それを人に話してしまうと楽になると言うのは、この理由によるものです。
言語中枢は、声を出して朗読するだけでも良いですが、さらに、考えながら話すとか、声を出すというのが大事です。
ただ声を出して棒読みするだけでは、脳のある一部分しか刺激を受けませんが、考えながら声を出すと、脳全体が刺激されます。

 このほかに、ストレスや、うつに負けないための役に立つ生活習慣としては、どんなことがあるのかですが、間は、暗い所に長くいると、なんとなく気分も暗くなります。
鬱病になると、必ずもらう薬がセロトニンをふやす薬ですが、日光浴をすることでも、セロトニンが増えます。
 もう1つは、日光浴をしながら体を動かすと、海馬回(かいばかい)の細胞が増えます。
海馬回の中でも記憶をつかさどっている所ですが、ここの細胞が増えないとうつ状態は治らないと言われています。
うつ状態になったら、明るいところを散歩することがとても必要です。

 それが、うつ状態になると、何もしたくなくなり、そう言う意欲が全く起きないこともあります。
家から1歩も出ようと言う意識が、どこにもなくなることもあります。

 次に、ストレスや 、うつ状態に負けないための食事についてお話します。
脳の活性化は、脳梗塞になると、体が動かなくなりますし、認知症になると脳が働かなくなります。
それから、うつ状態になると、元気がなくなりますから、元気が出る食事を取ることが大切です。
肉の成分のトリプトファンは、セロトニンを増やすという作用があります。
最近では、うつ病や、引きこもり、不登校などは、脳の栄養失調ではないかと言う説が強くなっています。

 トリプトファンは、人間の体の中で作ることができない成分で、唯一の方法が肉のような物を食べることです。
同時に、人間の脳は、ブドウ糖しかエネルギーとして使えないため、甘い物を取ることも大切なことです。
 このような病気なのに、甘い物を取っても大丈夫なのだろうかという心配があるかも知れませんが、確かに、ブドウ糖自体は血糖値を急に上げたり下げたりする作用がありますが、砂糖は、ブドウ糖と果糖からできている物ですから、急に血糖値を上げたりすることはありません。
ただ、砂糖は炭水化物ですから、10グラムの砂糖と、10グラムのソバ粉はカロリーは同じです。
何でも食べ過ぎれば太りますし、食べなければ痩せますから、甘い物だけが人を太らせると言うのはまちがいです。

 最近の研究で、お酒の全く飲めない人が、1日1杯のコーヒーを飲むと、脳梗塞が防げると言うことが言われるようになりましたので、日中飲んでみることも良いのではないかと思います。
そして、ゆっくり呼吸をすると、薬と同じようにセロトニンが増えるとも言われます。
ストレスを貯めない、そして、上手く付き合っていくためには、食事に気をつけ、笑顔を作ったり、声を出すということが、自分で簡単にできる方法です。



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