お手軽体操
足裏バランス


足裏バランス(その1)

 足は、全身を支えながらバランスを取る大変重要な土台の役割をしています。
その土台がしっかりしていないと、ひざや腰、首など、体のさまざまな部分に影響が出てくると言われています。
そこで、今回は健康を保つ足のケアー方法、歩き方についてお話します。

 足は、第2の心臓と言われるほど重要なものです。
歩くことによって、足の筋肉が収縮し、静脈血管を搾って血液を心臓に戻しています。
足は、心臓を助けるポンプの役割をしているのです。

 それと、足には、もう1つ重要な役割があって、重力と調和を取って健康に導いています。
もう少し詳しく言えば、人間の体は、重力とのバランスを保つことを最優先にしています。
そのバランスを、最も多く引き受けているのが足の裏です。
そして、うまくバランスが取れたところに、健康や知恵が生まれて、進化が生じるのです。

 逆に、重力とのバランスが崩れたところには、慢性痛や足腰の痛み、病気が発生して体力が衰え、結果的に退化が促されます。
これが、世間で言われる美を追究して行くと健康に辿り着き、健康を追求して行くと足に辿り着くと言われる由縁ではないかと思います。
人間の体には、元々、バランスを保とうとする本能が備わっています。
そのバランスの中でも、特に大事なバランスが免震機能のバランスです。

 人間は、歩くときに必ず衝撃波とねじれ波を受けていますが、これが、しっかりした足であれば、それを吸収して無害にしているのです。
ところが、足の裏に異常があると、歩くたびに、振動とねじれが体に伝わって、それが体の異常や痛みの原因になっていることが多いのです。
これを放置すると、原因の分からないひざや腰の痛み、最近では、首や肩こり、頭痛など自律神経失調症状の他に、腰痛なども多くなっています。


足裏バランス(その2()

 足が疲れやすい人は、よく足裏マッサージをしているという話をききますが、確かに、足裏マッサージは気持ちの良いものです。
足の裏を押すことによって、脳の緊張が緩み、内臓の働きもよくなることは、昔から知られていたことです。
その良い例が、青竹踏みなどです。
これも大事なことですが、もう1つ大事なことに、足裏から全身のバランスを整えることが、もっと効果があることがあります。

 その理由は、足裏のバランスを整えると姿勢が良くなります。
その結果、関節の変形や老化の防止につながります。
それと同時に、よく歩くことができるようになり、運動能力も上がり、基礎代謝が上がることになります。

 世の中には、自分の体重のバランスを上手く取れない人がいますが、それは、重心がかかとの方によっているからです。
重心が後ろによると、足先が浮いてしまいます。
そうすると、親指側と小指側を結んでいる横中足靭帯で行う横の圧力と、つち踏まずで行う縦の圧力に対するバランスが崩れてしまいます。
ですから、この横と縦のバランスを整え、取り戻すことが大事で、重力を足の裏全部に上手に分散して歩く、本来の歩き方に戻すことが必要です。
これらを治すには、テーピングと言う方法もありますが、最も簡単な方法は、靴下にテープを編み込んだものがあり、それを、履いているだけで自然に足の裏のバランスが整ってきます。


足裏バランス(その3)

 特に、女性に多いのではないかと思いますが、長時間立って仕事をしていると、足がむくんだり、鬱血したりして悩んでいるのではないかと思います。
その原因の1つは、ハイヒールやパンプス、緩めの靴を履いているために、無意識のうちに靴が脱げないように足の指を下に曲げたりしていることが多いのです。
そうすると、ひざやふくらはぎに余分な負担がかかってしまい、その疲労のために、筋肉が堅くなってしまいます。

 その結果、血管やリンパ管を圧迫し、血液が心臓に戻りにくくなります。
これが、むくみの正体です。
静脈の80パーセントは、下半身にあると言われており、悪い履き物を履いて、悪い歩き方をしていると、むくみや冷え、だるさが起きてくるのは当然のことです。
これを解消するには、足の裏やアキレス腱、ふくらはぎなどをマッサージして、足の指を使って歩けるようにすることです。
そして、できるだけ重心を前の方に持ってくるようにし、テーピングをするか、テープを織り込んだ靴下を履くようにします。

 後は、座って開脚運動をスルのも良いです。
自分でできない人は、誰かに後ろから押してもらうと良いでしょう。
そして、寝るときは足の方を、心臓よりも高くします。


足裏バランス(その4)

 履き物、特に靴を換えてから足が疲れにくくなったと言う人が多いようです。
しかし、靴を選ぶのも簡単なようで案外難しいものです。
そこで、今日は靴選びのポイントについてお話します。

 1.靴の爪先が広めで、少し上向きであること。
2.かかとの部分が安定していて、少し丸みがあること。
3.軽くて、へたりにくいこと(素材の良い物)。
4.内側の形状、特に土ふまずの部分がフィットしていること。
5.甲の部分がきつくなく、痛くないこと。
6.ゴム底など、クッション作用のある物を選ぶこと。
7.足のサイズに合った物を選ぶこと。
8.通気性やファッション性、色など好みに合った物を選ぶこと。

 とにかく、靴は履いてみて試すことが大事で、右足が良くても、左が駄目という場合もあります。
老化は、足から来るなどと言われていますが、それでは、足の若さを保つことを考えれば良いのではないかと思います。
それには、どんな方法があるかですが、実は、3原則と言うのがあります。

 1.足の裏から全身の重力のバランスを整えることによって、姿勢や骨格を良くし疫力を高めることを第1に考えること。2.歩くことによって、血液の循環を良くすることを考える。歩くことによって、下半身の血液を心臓に返して、全身の血行を良くします。
3.生活環境条件と言うことで、これは、肉体と精神に別れますが、肉体的には、栄養のバランス、精神的には、プラス思考、前向な生き方で免疫力を高めると言うこと。いわゆる、アンチエイジングです。


足裏バランス(最終回)

 これまで、足の裏のバランスについてお話ししてきましたが、今日は最終回ということで、それをまとめてみたいと思います。
足は、体の土台の役割をしているだけでなく、重力に対する体重のバランスを取る重要な役割もしています。
その時に、特に重要なのは足の裏の働きです。

 足裏のバランスが取れていると姿勢がよくなり、関節の老化も防ぐことができます。
そして、正しく歩くことができて、運動能力が上がり、基礎代謝が上がることにもつながります。
上手にバランスが取れない人は、重心がかかとの方にいっているからで、足の裏全体でバランスが取れるように治す必要があります。

 それには、テーピングやテープを編み込んだ靴下を利用するのが良い方法です。
それから、足に合わない靴を無理して履いていたり、長時間立仕事をしていると足がむくんだり、鬱血したりしますが、これを治すには、足に合った靴にすることはもちろん、足の裏やアキレス腱、ふくらはぎなどのマッサージが有効です。
そして、足の指を使って歩けるようにすることが必要で、それと同時に、重心を前の方に持ってくるようにしますが、これは、先ほども述べたテーピングなどで治します。

 前回は、良い靴の選び方についてお話ししましたが、今回は、その靴で正しい歩き方を紹介します。
1.踏み出した足の裏全体で着地し、ある程度のスピードで歩くこと。
2.自分に合った歩幅をイメージし、体が左右にぶらぶら揺れないように、バランス良く歩くこと。
これは、道路の白線などを利用して訓練するとできるようになります。
3.ひざを伸ばしきらないようにして歩くこと。
ひざを伸ばしきって歩くと、振動が全身に伝わります。
それを防ぐには、今までよりひざを1センチほど上げて歩くことを心がけるようにします。
4.足の指で、地面に踏ん張る、地面を掴むようなイメージをして歩くこと。
5.外反拇指(がいはんぼし)や爪先が上がるような異常があれば、テーピングなどで矯正してから、足に合った靴を使って歩くこと。
正しい歩き方をすると、体もしゃんとして、気持ちも健康的になります。



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