動悸とはなんですか?と聞くと、ほとんどの場合、心臓が早くドキドキすると答えます。
この答えで間違いではありませんが、動悸には、様々な症状があって、必ずしも、早いものばかりではなく、遅い動悸もあります。
毎日、心臓が鼓動を続けているのを意識している人はいないと思いますが、動悸を定義するとすれば、その鼓動を意識したときが動悸と言うことになります。
正常では、ほとんどの人は心臓が動いていると言うことを意識していないのに、それを意識したときに動悸と言う言葉が初めて使われるのです。
動悸は、必ずしも、病的なものばかりではなく、生理的な状態でも起きます。
緊張したときや、興奮したときは、やはり、動悸を起こします。
病的な動悸は、心臓に病気があって起きる不整脈に伴う動悸など様々です。
正常な場合の動悸でも、人によってかなり個人差があります。
動悸を感じて、それを不安に思い、さらに、動悸を増幅させる場合などもあります。
動悸の種類は、一般的なものは、ドキドキと言う感じの動悸です。
心臓は、1分間に60〜、70回鼓動をしていますが、運動などをすると、すぐに120回ほどになります。
このように規則的に早い動悸、規則的に遅い動悸があります。
心臓の鼓動が遅いのに、なぜ動悸を感じるのかですが、鼓動が遅くなると、その一つひとつを強く感じるからです。
また、脈の途中で脈が抜けてしまうものや、脈を不規則に打つようなものもありますから、規則的で早いのか、規則的で遅いのか、規則的の中で1つ2つ抜けるのか、あるいは、全くむちゃくちゃなのかなどのタイプがあります。
そして、それがどのくらい続くのか、どのくらいの頻度で起きるのかなどによって、治療の有無も決まります。
動悸は、多くの場合心配のいらないものですが、中には、恐ろしい病気もあります。
動悸には、このように一般的(生理的)な動悸と、病的な動悸があります。
一般的な動悸の場合は、運動、喜怒哀楽、嗜好品があります。
病的な動悸は、心臓に、不整脈が起こるかどうかによって決まりますが、まず、どのような不整脈があるかを説明します。
一般的な不整脈として、脈を打っている途中で、1〜2回、脈が抜ける不整脈があります。
この不整脈は、半数くらいの人に見られますが、ほとんど心配のいらない不整脈と言われています。
ですが、あまり頻繁に起こるようですと、やはり、注意が必要です。
次に、突然、脈が180〜200を越えるような早い鼓動の脈が起こる不整脈があります。
これは、起こるときも突然起こり、止まるときもピタリと止まるのが特長です。
この原因は、心臓の中の興奮の通り道が、暴走するために起きるのですが、これだけを起こす病気もありますし、心臓の弁膜症があるとか、基礎疾患があって、この異常が起こる人もいます。
また、脈の遅い動悸ですが、これは、脈が早くなれない病気のために起こります。
これには、房室ブロックや、動機能不全などがあり、非常に危険な状態です。
運動しても脈拍が上がらず、体のあちこちで酸欠を起こしてしまい、1分間に40回とか、30回ほどになってしまいます。
30回程度になると、普通の生活はできませんし、心臓が止まってしまうこともある危険な病気です。
次に、常に早い動悸があります。
この原因は貧血で、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが不足すると、心臓が鼓動を早くして、早く酸素を送ろうと頑張るのです。
もう1つ、甲状腺の病気で甲状腺機能亢進症があります。
いわゆる、バセドウ病などです。
この病気になると、常に脈が早くなります。
次に、運動と動悸についてです。
運動をすると、安静のときよりも遥かに酸素が必要になります。
過激な運動をしたときなどは、普段の10倍もの酸素が必要になります。
そのためには、血液を急いで体中に送らなければなりません。
そこで、脈拍が早く鼓動し、それによって、動悸を感じるようになるのです。
これは、生理的な動悸で、血液循環を維持するための反応です。
適度な運動は体に良いと言うことは以前にも書きましたが、復習の意味で、もう1度書きます。
運動を続けていると、まず、酸素を輸送する能力が増えますので、血液循環が安定してきて、血圧も下がります。
そして、脈拍も、やや落ちます。
その他にも、動脈硬化に密接に関係しているコレステロール値も下がります。
適度な運動量といっても、個人差があります。
目やすは、脈拍数が1分間に110〜120回程度になる運動量です。
これは、速足で歩き話ができるくらいの速さで、40分ほどの運動です。
これを、週に3回程度行います。
話が横道に反れてしまいましたので、元にもどします。
それでは、どんな動悸が治療を必要とするのかという話をします。
まず、突然くる動悸で、何でもない状態で、別に緊張もしていないのに、急に脈が早くなる動悸です。
それから、、常時早い動悸と、常時遅い動悸です。
このような場合は、診察を受けて治療の必要があるかどうかを確認する必要があります。
そして、治療には、薬を用いる方法と、その原因を取り除いて治す方法の2つがあります。
薬を使わない方法の一つに、特殊な器械(ペースメーカー)を使う方法があります。
これは、常に遅い脈の場合に使いますが、どんな状態でも、一定の脈拍数になります。
ですから、運動には制限を受けることになります。
しかし、最近のペースメーカーは、睡眠時と日常時で脈拍数の変わるものもできています。
かなり高価なものですが、保険が適応されます。
汗