一言で胃癌と言っても、進行が非常に早い進行性胃癌や、数年で進行する胃癌もあります。
また、もっとゆっくりで7〜8年かかって進行してくる癌もあり、胃癌と言っても、非常に癌細胞の性格の差があります。
2ヶ月前までは元気だったのに、数日前に亡くなってしまったなどと言う、急激に進行する癌もあります。
このように非常に早い進行性の胃癌は、比較的若い女性に多いと言われます。
このようなタイプをスキルスと言い、このスキルス胃癌は、非常に悪性度の高い癌です。
若い女性に多く発生するのが特長ですが、中高年の男性にもできることがあります。
若い女性に多いのは、女性ホルモンが影響しているのが原因と言われています。
現在、胃癌検診は1年に1回程度しか行なわれていません。
2ヶ月か3ヶ月に1回行なう人はいないと思います。
普通の胃癌検診であれば、1年に1回で十分ですが、このスキルス胃癌の場合は、それでは間に合わないですから、ちょっとでも症状があって変だなと思ったら、直ぐに診察を受けるのが肝心です。
胃癌の場合、初期の段階で症状が現れることは少なく、むしろ、かなり進行してから症状が出ることの方が多いです。
ですから、このような特殊な癌は、初期の段階で発見することはとても難しいことです。
胃癌の原因について、WHOは、ヘリコバクタピロリ菌の感染が胃癌の原因であると断定しました。
胃の中に、ピロリ菌がいると炎症が起きます。
炎症が持続すると、様々なDNAに影響を与え、DNAを障害する物質が発生します。
それが原因で、胃癌が発生すると言われていますが、わが国のピロリ菌の研究は、欧米に比べて遅れているようです。
胃癌の治療は、程度によって様々で、どの時点の、どの位の段階の癌なのか、これが1番大きな問題です。
早期で小さくて、粘膜内の癌であれば、開腹手術をしないで、内視鏡で切除することができます。
粘膜より下の筋肉にできたような胃癌は、開腹手術によって胃の一部、かなり進行している場合は胃の全摘と脇の下のリンパ節までの除去手術となってしまいます。
その後、抗癌剤を使った治療が続きます。
ですから、どの段階で発見されるかが治療法に大きく関係してきます。
最近では、全摘の場合も、回復手術は行わず、数箇所に穴を開け、そこから摘出するという方法も行われるようになりました。
とはいえ、この方法はまだまだ限られた医療機関で行われているだけです。
胃癌に限らず、何かの異常を感じたら、一度検査をすることが大切です。