内臓の病気
胃炎の原因


 慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因は、ストレスが主なものだと思われがちですが、実は、それだけではありません。
たしかに、ストレスは胃腸疾患の大きな要因と言われますが、最近では、胃の粘膜に生息するヘリコバスターピロリ(ピロリ菌)が、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因の1つだと考えられるようになりました。
日本人の50歳以上では、80パーセントの人がピロリ菌に感染していると言われています。
現在では、慢性胃炎の主な原因は、このピロリ菌ではないかと考えられるようになってきました。

 以前から、ピロリ菌は除菌した方が良いのではないかと言われていますが、確かに、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で、再発を繰り返す人は、ピロリ菌を除菌することによって、再発率が減少すると言われています。
しかし、潰瘍がなくて、胃炎のみの人は除菌の効果がはっきりしていないことが多いため、様子を見ても良いのではないかとも言われています。
ただし、今後の研究によっては、これも変わるかも知れません。

 では、まだピロリ菌に感染していない人が、感染を避けるためにはどうすればいいかですが、まず、感染経路がまだはっきりしていないと言うことです。
一般的には、幼児期に親から食べ物を口移しに与えられ、それによっての経口感染が考えられています。
後は、上下水道などの衛生環境の影響も考えられます。
それから、ヘリコバスターピロリは、池や川などに生息していますので、幼児期に、そのような水を飲んだ経験があれば、ピロリ菌の慢性感染として大人になっても残っていることもあります。
ですから、大人で感染していない人は、池や川の水を飲まなければ、そんなに神経質になる必要はないのではないかと思います。

 ピロリ菌を除菌するには、2種類の抗生物質と、1種類の潰瘍の薬の合計3種類の薬を1週間服用することになりますが、除菌の成功率は必ずしも100パーセントではなく、最初は90パーセントと言われていたのですが、最近では、もっと低くなっているようです。
除菌には、副作用が伴いますので、医師とよく相談することが大切です。



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