内臓の病気
大腸癌の状況


 近年、特に大腸癌が増えてきたと言われます。
それは、皆さんよくご存知のように、食生活が大きく影響しています。
第2次世界大戦が終って、日本人の食生活の中で減った物と言えば、豆類、いも類、野菜類で、逆に増えた物は、肉類や脂肪類です。
つまり、脂肪の摂取料が増えるスピードに平行して、大腸癌も増えています。

 ある時期、日本人がハワイやアメリカ西海岸に団体で移住したことがありました。
その人達は、欧米で生活している間に、元もとの日本人の統計に比べ、大腸癌の人が少し増えました。
そして、その二世、三世の人達は欧米人と同じスピードで増えていると言われます。

 環境が代わり、食生活もすっかり欧米人と同じような物になったために、大腸癌の発生率までが同じように増えてしまったのです。
近年は、日本国内でも欧米と似たような食生活が増えましたので、それに伴って大腸癌も増加傾向にあります。
 基もと、両親から癌になりやすい体質を受け継いでいる人もいるわけで、それを防ぐことは不可能ですが、必ず将来癌になると言うことではありません。
癌になるのは、癌化する因子と、それにブレーキを掛ける因子があり、どちらの因子が強いかによって決まります。

 大腸癌のメカニズムは、だいぶん分かってきました。
遺伝子のある部分の正常に、分裂するのを命令する遺伝子が、突然なくなったり、人間の体は、体に対する異物を廃除する仕組みがあり、その廃除を命令する遺伝子がなくなったりすると、腫瘍として癌は更に大きくなって行きます。
このように、いくつもの遺伝子が積み重なって、癌になったり、ならなかったりすると言うところまでは分かってきました。
この遺伝子を調べることによって、ある程度の癌の発生を予測することが可能になりますので、現在、更に研究されているところですが、この遺伝子の検査には相当の費用がかかると言われています。

 大腸癌の早期発見は、定期検診しか方法がありません。
これは、2回の検便で血便があるかどうかを調べます。
毎年、1回は行なった方が良いと思います。
40歳は癌年令と言われますから、40歳を過ぎたら特に注意が必要です。



 内臓の病気 トップにもどる