目と耳・口の中の病気
目の病気


 目の病気には、最近、耳にしなくなった病気もあります。
昔、感染症のトラフォームなどは、大変多くの人が感染していました。
昔は、家族でタオルなどを使い回ししていましたので、家族全員がトラフォームにかかることも少なくありませんでしたが、最近では、トラフォームと言う病名をほとんど聞かなくなりました。
トラフォームは、なくなったのではなくて、呼び方が違い、同じ病原体で性病としてクラミジアがあります。
しかし、今は衛生管理が行き届き、昔のような感染は見ることはなくなりましたが、別の意味で、目の具合が悪いと言う人は増加傾向にあります。。

 最近では、環境との影響で、ドライアイや、花粉症などで、目をショボショボさせている人が増えています。
このようなアレルギーの疾患は、他に、アトピー性皮膚炎や喘息があります。
 視力の衰えは病気ではありませんが、物を見ると言うことは、外から入ってきた光が、目の中の網膜で像を結び、その像を結ぶためには、角膜と、水晶体がレンズの働きをしています。
ところが、近視の人は、その像が網膜の手前で像を結んでしまい、ボヤケて見えるのです。
老眼も、目の中の水晶体レンズの部分を調節して物を見ていますが、その作用が年と共に変化して、できにくくなってくるのです。
近視は、急速に研究が進み、手術が効果を上げています。

 眼科の医療器具も精度が高くなっており、今まで近視に悩んでいた人にとっては、大変福音があると思います。
しかし、手術ですから、全く安全というわけではなく、まれにトラブルも起きることもありますし、手術する前には、想定外のことが起きてしまうこともあります。
また、術後の管理など、様々な課題もありますが、メガネや、コンタクトを使えば見えますから、より期待度が高まります。

 近眼や老眼以外で、物の見え方がおかしいと言う中には、当然、病気もあります。
急に見えなくなったという場合には、早く治療しなければ失明してしまうというケースもあります。
 原因として考えられるのは、脳梗塞と同じように目の網膜の細い動脈に、血栓が詰まってしまって、網膜に栄養がいかなくなり見えなくなってしまうことがあります。
これは、突然起こることが以外に多いです。

 緑内障も、突然に起こる頻度が高く、その中でも、発作的に急にくるタイプがあります。
これも、ある程度、発作を起こしやすい目の形があって、突然頭が痛くなると同時に目が霞んできます。
この場合も、脳外科に先に行き手遅れになることも少なくありません。
 また、視神経が強い炎症を起こす病気もあり、やはり、視力が急激に落ちます。
この場合は、炎症を取るステロイドを使いますが、場合によっては、頭の病気の1つの症状のこともあります。
 先程も少し述べましたが、遠くや近くの物を見るのに、目は水晶体レンズを厚くしたり、薄くしたりして厚さを調節しながら見ていますが、老眼は、その調節ができなくなるために起こります。
人間は、年をとってくると、水晶体が堅くなり、弾力がなくなってきますが、実際には、弾力性は10歳より、20歳というように、年齢と共に硬くなり初めています。
その結果、近くにピントを合わせることができなくなり、10歳の頃は、10センチくらいまで指を近づけても鮮明に見えますが、年を重ねていくに従って、その距離が遠くなっていきます。
45歳くらいになると、30センチくらい離れないと見えにくくなります。
この弾力性の衰えは、60歳くらいまで続きます。

 老眼の初期の頃は、その日によって、老眼鏡がなくても見えたり、メガネを使わないと見えにくかったりと見え方が変わります。
最近では、水晶体が硬くなるよりも、水晶体が縮んで厚くなるとき、そのスペースがなくなってしまうからだと言う考え方もあり、目の周りの形の問題だということで、少し白目の形を変えて改善しようと言う動きもあります。
よく聞く話に、老眼鏡を作る時、どうせ、すぐ進んでまた新しく作り直さなければならないからと言うことを聞くのですが、老眼は、我慢して解決できることではありません。
やはり、見えにくくなったら早めに処置することが大切ですし、メガネを使い始めたから、老眼や近視が進ということは全くありません。
 人間が年をとって50歳や60歳になってくると、水晶体が硬くなると共に、水晶体の中の蛋白質が変化して混濁してくる人もいます。
これが、白内障で、初期の頃は光がまぶしく感じたり、少し物が見えにくい程度ですが、それが進んでくると、かすんで見えるようになり、最後には見えなくなります。
最近では、白内障の手術も進歩して、それに眼内レンズも良いものができるようになりましたから、もっと早く手術すれば良かったと言う人が増えています。

 次は、疲れ目についてです。
疲れ目は、病名ではなく症状名です。
目が疲れるのは、もちろん、体の疲れからくることもありますが、目が疲れたと訴える人の6割は目が乾いている状態のドライアイの場合が多いです。
目の表面には、痛みを感じるセンサーはありますが、目の乾きのセンサーはありませんから、目が乾いた人は、乾いたと感じないで、むしろ、目が疲れたと感じてしまいます。

 人間は、約3秒に1回、1分間に約20回の割で瞬きをしています。
パソコン業務や、物をよく見なければならない職業の人は、瞬きの回数が減って、それだけでも、目が乾きます。
 瞬きは、涙と脂肪分で、目が乾かないように潤しています。
病的なドライアイはべつにして、このようなドライアイの場合は、涙の代わりになる人工涙液(目薬)を使います。
これは、長時間保存する事ができませんから、5CCくらいのものは中に防腐剤が入っています。
これを何度も使っていると、目の表面に防腐剤が残った場合、目を傷めることもありますから、最近は、防腐剤の入っていない、使いすてのものが発売されています。

  最後に、アレルギーと目の病気についてです。
アレルギーというと、やはり花粉症です。
最近は、花粉症の中でも杉の花粉によるものが増えています。
花粉症は、鼻にも来ますが、目も大変かゆくてつらい結膜炎を起こします。
アレルギーの中には、花粉症のように季節によって起きるものと、ダニやハウスダスト(喘息やアトピー性皮膚炎の原因にもなる)のようなものもあります。
 花粉症は、杉が1番多いのですが、夏だといね科の植物でもアレルギーを起こします。
9月頃になると、ブタクサと言う雑草も花粉症を起こすようになりますが、地方によって少し違います。
北海道では、杉がありませんが、白樺による花粉症があるそうです。

 この花粉症は、アレルギーの原因になる花粉にさらされて、だんだん体が反応を起こすようになっていきますが、中には、全く起こさない人もいます。
しかし、花粉が大量に飛んでいる時には、患者の数も増えているようです。
 先程も、ダニやハウスダストの話をしましたが、ハウスダストの中でも、主に、ダニの死骸が原因になることが多くダニが死ぬ季節、秋が過ぎて少し寒くなってくると、ダニの死骸が増えてきます。
その死骸と廃泄物が、アレルギーの原因になりますので、患者も増えるようです。

 何が原因でアレルギーが起こっているのかは、専門機関に行けば調べてもらうことができます。
その場合、血液や皮膚を使って調べますが、サンプルも沢山用意されています。
 この他、原因になるものにペットがあり、ペットによって、アレルギーを起こしている人も少なくありません。
治療は、主に対症療法ですが、かゆみやアレルギーの反応を抑える目薬もありますし、猛烈に目がかゆいときは、ステロイドの点眼薬も効果的です。
 毎年、杉の花粉症で悩まされる人は、花粉の飛び始める2〜3週間前から、抗アレルギー薬(飲み薬もある)を使うと、その年は、花粉が飛んでも症状が全く出なくなる人もいますし、出てたとしても、軽く済んでしまう人も多いですから、この予防は効果があると言われています。



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