子どもに多い病気
熱性痙攣


 熱性痙攣は、小さな子どもが熱を出した時に痙攣発作を起こすと言うことから、そのように呼んでいます。
痙攣を起こす年令は、生後6ヶ月から4歳くらいですが、最も多いのは1〜2歳です。
 痙攣は、熱の上がり際の38度5分くらいからおこします。
初めて経験する場合はビックリしますが、このような痙攣発作は、発作を起こして数分すると、また、もとの状態にもどって、ケロッと治ります。
熱性痙攣で命に関わるということはありませんが、ただ、癲癇と言って脳の中に異常がある場合、たまたま熱が出て、それが引き金になり、癲癇発作を起こすことがあります。

 痙攣発作を起こした場合には、やはり、脳の中に異常がないかどうか脳波を取って確かめておくことが必要です。
そのような異常がなかった場合でも、1度熱性痙攣を起こした場合は、また5〜6歳くらいまでの間には、再び起こす可能性があります。
これは、熱を出した時はすでに痙攣を起こしている状態ですので、予防することが難しいです。

 熱性痙攣の原因のメカニズムについては、あまり分かっていませんが、いずれにしても、年令が関係していることと、女の子に多いこと、かなり、素因が関係しているところまで分かっています。
母親も小さな時に、熱が出て痙攣発作を起こしたことがある場合が多いです。
 1度経験のある場合は、子どもが風邪などを引いたら、熱が上がる前に頭を冷したり、熱を下げる薬を飲ませるなどして、最初から手を打つことも大事です。
それでも間に合わず発作が起きてしまったら、周囲にあるものをどかしたり、手や足がぶつからないようにします。
そばにあるものを動かすことができない場合は、子どもの方を安全な所まで移動させます。

 また、手足を軽く抑えてあげることも必要なことですし、昔は、舌を噛むと危険という意味で、割箸などを噛ませたりしましたが、それよりも、下顎を押し上げてやることが良いと思います。
場合によっては、非常に沢山の唾液を分泌することもありますので、それが気管支に入らないように、顔を横に向けてあげることも必要です。
熱性痙攣で、命を落とすというようなことはありませんが、あまり頻繁に起きるような場合には、やはり、治療が必要になります。
1度熱性痙攣を起こしたら、癲癇が隠れているかも知れませんので、専門機関で調べてもらうことをお勧めします。



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