@野球肘
内側の痛みが、野球肘の中で最も頻度の高い痛みです。
野球肘には、このような内側が痛くなる内側型野球肘と、外側に痛みの出る外側型野球肘、そして、後ろに痛みの出る後側型(こうそくがた)野球肘の大きく分けてこの3つがあります。
進行すると、この3つが一緒に出てくる場合もあります。
どうして、このようなことが起こるかですが、ボールを持って腕を加速して行く際、肘が90度ほど曲がった時に、肘の内側は離れようとし、その内側には牽引力が働きます。
そして、外側には、圧迫力が加わって来ます。
加速期からボールを放すフォロースロー期に入った時に、慣性力が働いて肘の前方にある前腕骨が前の方に逃げるような形になります。
そうすると、最後は普通の噛み合わせと違った噛み合わせで終り、後ろが衝突仕やすくなってきます。
このように後ろが衝突して痛くなる後側形(こうそくがた)、それから、加速期でボールを速く投げようとした時に、内側には、引っ張る力が加わりますから、内側が痛くなる内側型の野球肘、外側には大きな圧力が加わり、それと同時に、ねじれりょくが加わってきますので、外側に出てくる野球肘が起こります。
成長期の子どもに、このようなことが起きると、将来まで影響が残りますので症状が出たら休ますことが大切です。
休んでいる間に、筋力などが低下するのが心配でしたら、バッティングなど投球以外の他の方法でも工夫をしながら、筋力を補って行くことも可能ですから、手術などの大事に至らないうちに休ませて、早く治すことが一番大切です。
A野球肩
子どもで野球で肩の痛みが出てくる一つの特長的な名前があり、それを、リトルリーグショルダーと言います。
肩を傷めずに上手にボールを投げるには、どうしたら良いかですが、まず、ボールを投げる球かずを少なくすることです。
日本臨床スポーツ医学会では、適性投球数を次のように決めています。
小学生では50球以下、中学の3年生で100球程度、高校生でやっと150球くらいです。
そして、指導者は、下半身と体幹筋力、特に、背筋を上手に使ってもらって、肩だけの投げ方にならないように体全体で投げるように指導することが大切ですし、どんな良いピッチングをやっていても、ある程度のところで止めさせることです。
アメリカなどでは、この点を考慮して、プロでもそれを守っていると言われています。