アレルギーと皮膚の病気
皮膚の乾燥


 冬場、空気が乾燥する季節に伴って、皮膚も乾燥して荒れたり、かゆみが出たりのトラブルが多くなります。
これらのトラブルは、外用薬で対処する方法もありますが、漢方では、肌は内臓の鏡であると言いますし、心も写す鏡であるとして、心身のバランスと言うことを大変重要に考えています。

 現代医学的に見ても、肌の表面は約4週間のサイクルで内側から生まれ代わっています。
ですから、代謝をスムーズにすると言うことが肌のために重要なポイントになります。
そのためには、乾燥と言う環境も原因になります。
その他にも、睡眠不足や不規則な生活、無理なダイエット、偏食や便秘なども原因になりますので、そのような生活全般を見直して、少しづつ変えて行くと言うことが大切です。

 次に、皮膚の乾燥についてです。
肌の1番外側にある層を角層と言い、その中の水分量は約30パーセントあるのですが、これが、減ってしまうことを言います。
お風呂に長く入っていると、ふやけるほどに水分を含みますが、それらの水分は直ぐに飛んでしまいます。
その30パーセントの水分を保ってくれるのが、セラミドと言われるような脂分です。
セラミドは、年齢を重ねると共に少なくなってしまいますので、老化も皮膚の乾燥する原因の一つになっています。
最近は、朝晩シャワーを浴びたり、ボディーシャンプーを使って清潔を保つ習慣になっている人も増えているようですが、ともすれば、洗い過ぎが問題になることもあります。

 次に、漢方での治療法についてです。
漢方では、肌を潤すのに地黄(じおう)と言うのがよく知られています。
その地黄を含んでいる薬に、ハチミジオウガンと言う薬があります。
それから、トウキインシと言う薬がありますが、これも、老人性皮膚掻痒症と言う老化のために、皮膚の潤いが少なくなった肌を潤してくれる薬です。
その他にも、インジンと言うような消化機能を高めることで、皮膚を潤すジュうゼンタイオウトウと言う薬が使われます。

 このような飲み薬ばかりではなく、漢方にも塗り薬があります。
よく使う物に、紫雲膏と言う薬があり、やけどや床ずれ、冬場には、あかぎれや霜焼けなど、いろんなものに効果がありますが、ただ難点として、ちょっと臭いがすることと、紫色なので、いろんな所に色を付けてしまうと言うことが難点です。



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