アウリンの幡多弁辞典
た行


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 た 
 ち 
 つ 
 て 
 と 

「た」

☆*たいそな→しんどい ばからしい
 この『たいそな』は、『しんどい』とか、『ばからしい』と言う意味ですが、期待はずれや、骨折り損のくたびれもうけなどのような場合、体の調子が悪くてしんどいときなどに使います。
例文→あればあ、太いこと小遣いやったに、じきにつこうてしもうて、よいよ、たいそなけんねえ。
解説→あれだけ、たくさんお小遣いあげたのに、すぐに使ってしまって、本当にしんどいんだから。

☆*たいりになる→役に立つ 助かる
 この『たいりになる』は、単純に、『役に立つ』とか、『助かる』と言う意味です。
例文→この自転車は、えっころ古いけんど、近に行くばあじゃったら、まだまだ、たいりになるがちがう。
解説→この自転車は、かなり古いけど、近くに行くだけなら、まだまだ役に立ってくれる。

☆たかで→あのね それはそうと
 この『たかで』は、無理に直訳すると、『あのね』とか、『それはそうと』と言うような意味になりますが、話の最初につける言葉で、その状況によって、意味合いが違ってきます。
例文→たかで、美代子姉さんらあ、今日は、宿毛デ実演がある言うて、きようて、構えよった。
解説→あのね、美代子姉さん達、今日は宿毛デ歌謡ショーがあるからと言って、慌てて支度していた。

☆*だきな→いいかげん 雑な
 この『だきな』は、単純に、『いいかげんな』とか、『雑な』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『のさな』があります。

☆*だくそく→でこぼこ
 この『だくそく』は、『でこぼこ』と言う意味ですが、道路がでこぼこの状態や、上がり下がりがあることを言います。
同じような意味の言葉に、『ずだかた』があります。

☆*たくばう→取っておく しまっておく
 この『たくばう』は、『取っておく』とか、『しまっておく』と言う意味ですが、作物などを貯蔵すると言う意味でも使います。
同じような意味の言葉に、『くるめる』とか、『しのべる』があります。

☆*たごる→せきをする
 この『たごる』は、単純に、『せきをする』と言う意味です。
ちなみに、この辺りでは、嘔吐することは『しょくる』と言います。

☆*だす→炭俵
 この『だす』は、『炭俵』のことですが、植物のかやで編んで作ります。
ちなみに、米を入れる袋は『なんきん袋』と言います。

☆*だすい→ゆるい
 この『だすい』は、単純に、『ゆるい』と言う意味です。
この辺りでは、いいかげんなことをしたり、気が弱いことを、『へこだすい』などとも言います。
ちなみに、洋服などがきついことは『つむ』と言います。

☆*たすこい→薄い 弱い
 この『たすこい』は、『薄い』とか、『弱い』と言う意味ですが、味がうすいことや、弱々しい性格のことも『たすこい』と言います。
この辺りでは、そのようなことを『なそい』とも言います。

☆*たたき→どろはね
 この『たたき』は、料理のたたきと同じ言い方ですが、雨などで物に『どろはね』が上がることを言います。
ちなみに、歩いていてどろはねが上がることは『尻はね』と言います。

☆ただでさえ→それでなくても
この『ただでさえ』は、『それでなくても』と言う意味ですが、この辺りでは、『それでのうても』とも言います。
例文→ただでさえ、足がいとうてのせんに、そんな遠くまで歩いて行けるかえ。
解説→それでなくても、足が痛くてたまらないのに、そんな遠くまで歩いて行けるはずがない。

☆*たたる→しゃべる
 この『たたる』は、『しゃべる』と言う意味ですが、ただ、しゃべると言うのではなくて、しゃべり続けるとか、ぺらぺらしゃべる場合に使います。
この辺りでは、そんな人のことを『たたり』とか、『たたりばち』とも言います。

☆*たっしゃ→しっかりしている 元気
 この『たっしゃ』は、年のわりには、『元気だ』とか、『しっかりしている』と言う意味で使いますが、分かれる時にも、お元気でと言ういみで、『たっしゃで』のようにも使います。

☆*たった→満足した
 この『たった』は、『満足した』と言う意味ですが、食べあきたとか、こりたと言う意味でも使います。
この辺りでは、わずかなことも『たったこればあ』と言います。
同じ満足したと言う意味の言葉に、『たんの』があります。
例文→今日は、ケーキを腹いっぱい食べたけん、たったたった。
解説→今日は、ケーキをお腹いっぱい食べたから、満足まんぞく。

☆*だてに→理由もなしに
 この『だてに』は、単純に、『理由もなし』にと言う意味です。
同じような意味の言葉に、『わさに』があります。
例文→だてに、高い授業料はろうて予備校に行かしよるがじやないぜ。もうちったあ、じちに勉強せなあ。
解説→理由もなしに、高い授業料払って予備校へ行かしているのではないのよ。もう少し、まじめに勉強してくれないと。

☆*たねんな→節約家 欲張り
 この『たねんな』は、良い意味だと『節約家』、悪く言えば『欲張り』と言う意味です。
この辺りでは、このような人を『にぎり』とも言います。

☆だばい→ゆるやか
 この『だばい』は、山の斜面や、堤防などの斜面が『緩やかな状態』を言います。
ちなみに、急斜面のことは『けんな』と言います。

☆たばけ→げろ
 この『たばけ』は、猫などの『吐瀉物』のことです。

☆*たまげる→びっくりする
 この『たまげる』は、単純に、『びっくりする』と言う意味です。
この辺りでは、びっくり仰天したということを『たまげたも何もあるかえ』とか、『たまげたもたまげんもあるかえ』などと、オーバーみ表現することもあります。
例文→今日は、知り合いが目の前で事故しち、それにゃ、たまげたもたまげんもあるかえ。
解説→今日は、知り合いが目の前で事故を起こして、それには、本当に驚いた。

☆玉菜→キャベツ
 この『玉菜』は、単純に、『キャベツ』と言う意味です。
ちなみに、かぼちゃは『ぼぶら』、なすは『なすび』、野菜は『しゃえん』と言います。

☆*たまらん→大変
 この『たまらん』は、単純に、『大変』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『のせん』があります。
ちなみに、楽なことは『あんきな』と言います。

☆*たまるもんか→申し訳ない 大変では
 この『たまるもんか』は、いろいろな意味で使うことができる言葉の1つで、何か物をもらった時の『お礼の言葉』や、『相手をことを気ずかう』時、それと、『驚く』時にも使います。
例文→高価なものを、こんげするほどもろうて、ほんまに、たまるもんかえ。
解説→高価な物を、こんなにたくさんいただいて、本当に申し訳ないなあ。

☆*だや→家畜小屋
 この『だや』は、『牛や馬、豚の小屋』のことです。
この辺りでは、散らかっている部屋のことを、『豚小屋』と言うこともあります。

☆*だらしい→しんどい
この『だらしい』は、『しんどい』と言う意味ですが、体が疲れてしんどい時や、精神的に、骨折り損のくたびれ儲けのような場合にも使います。
同じような意味の言葉に、『たまらん』があります。
例文→今日は、熱があるかしらん、だらしていかん。
解説→今日は、熱があるのか、しんどくていけない。
例文2☆あればあ、一生懸命貯めた銭じゃに、自転車で負けてしもうた言うがを聞いち、だらしい言うたち話にならん。
解説→あんなに、一生懸命働いて貯めたお金なのに、競輪で負けてしまったと言うことを聞いて、本当に、しんどいくらいでは治まらない。

☆*だる→屎尿
この『だる』は、単純に、『屎尿』のことです。
昔は、風呂の残り湯や、みかんの皮を始め、残飯をトイレに入れて、野菜などの肥料を作りました。
ちなみに、その屎尿を入れる桶のことは『だるたご』と言います。

☆*たろばあ→好きなほど 思いっきり
 この『たろばあ』は、『納得するまで』と言う意味合いで使う言葉で、『たろばあ食え』、『たろばあ遊んで来い』、『たろばあ寝よ』のように言います。
この辺りでは、『たるばあ』と言うこともあります。

☆だんつむ→困りきる
 この『だんつむ』は、『困りきる』と言うような意味ですが、お金が1円もないとか、精神的にも手立てがないことを言います。

☆*たんねる→探す
 この『たんねる』は、単純に、『探す』と言う意味です。
ちなみに、片づけるは、『しのべる』とか、『くるめる』と言います。

☆*たんの→満足 納得
 この『たんの』は、『満足』とか、『納得』と言う意味ですが、相手から、『たんのしたや』などと言われた場合には、『降参しなさい』と言うような意味になります。
同じような意味の言葉に、『たった』があります。
例文→大好きな焼肉を腹いっぱい食えて、今日は、たんのたんの。
解説→大好きな焼肉を腹いっぱい食べたから、今日は、満足まんぞく。


「ち」

☆*ちいととようけ→そうとう
 この『ちいととようけ』は、直訳すると『少しではない』と言う意味ですが、この辺りでは、このように、逆の言葉をつけて前の言葉の意味を否定したり、強調したりすることが多いです。
『長いと短いばあちがう』、『赤いと白いばあちがう』、食べるとたべんばあ違う』、歩くと走るばあ違う』・・・・など、これら全て』相当違う』と言う意味です。

☆ちぎ→天秤棒
 この『ちぎ』は、重さを計る時に、片方には目盛りのついた重り、もう片方には品物をぶら下げる棒のことです。

☆*ちくと→少しだけ
 この『ちくと』は、『少しだけ』と言う意味ですが、その他にも、『ちいと』、『ちょびっと』『ちびっと』など、いろいろな言い方があります。
ちなみに、たくさんは『ざまに』とか、『べったり』、『こじゃんと』などと言います。

☆*ちびる→短くなる すりえる
 この『ちびる』は、小便などを漏らすことにも使いますが、この辺りでは、鉛筆などが『すり減る』ことを言います。
ちなみに、短くなった鉛筆の頭にかぶせたり、芯が折れてちびないようにかけるキャップは、『カッポ』と言います。

☆*ちゃがまる→止まる 果てる
 この『ちゃがまる』は、高知県を代表する方言の1つで、『動きが止まる』とか、『果てる』と言う意味です。
『車がちゃがまった』、『洗濯機がちゃがまった』のように使いますが、この辺りでは、疲れて横になっている人などをみて、『ちゃがまっちょるねえ』などとも言います。
ちなみに、人が亡くなることは『みてる』と言いますが、事故などで突然死したのではなくて、静かに息を引き取ったばあいに、この『みてる」とか、『みてた』と言います。

☆ちゃちい→粗悪 少ない
 この『ちゃちい』は、単純に、『粗悪』とか『少ない』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『ざっとした』があります。

☆ちょうな→おの
 この『ちょうな』は、まきなどを割る、振り下ろし式の『おの』のことです。
ちなみに、腰につけるおののことは『なた』と言います。

☆*ちょっこり→ちょっと 少しの間
 この『ちょっこり』は、『ちょっと』とか、『少しの間』と言う意味ですが、この辺りでは、『ちらっと』と言う場合にも使います。
例文→おらも行くけん、ちょっこり待ちや。
解説→私も行くので、少し待ってて。
例文2→隣のじいさんが、2、3日寝付いちょる言いよったけん、ちょっこり見に行てくるけん。
解説→隣のおじいさんが、2、3日寝付いてるらしいから、少し見てくるから。

☆ちょろまかす→だます ごまかす
 この『ちょろまかす』は、単純に、『ごまかす』とか、『だます』と言う意味です。
ちなみに、この辺りでは、嘘をつく人のことは『ほらふき』と言います。


「つ」

☆*つくなむ→座る
 この『つくなむ』は、単純に、『座る』と言う意味です。
ちなみに、横になることは『かやる』と言います。

☆つけ紙→メモ帳
 この『つけ紙』は、『メモ帳』と言う意味ですが、方言と言うより、そのままのことを言った言葉ではないかと思います。

☆*つし→屋根裏部屋
 この『つし』は、単純に、『屋根裏部屋』のことです。

☆*つっかけ→かかとのない履物
 この『つっかけ』は、『かかとのない履物』のことですが、この辺りでは、家の中で履く物を『すりっぱ」、それ以外のところで履く物を『つっかけ』と分けて使うこともあります。

☆*つっこける→落っこちる
 この『つっこける』は、『落っこちる』と言う意味ですが、この辺りでは、『ぷちこける』とも言います。
ちなみに、転ぶは『まろぶ』、つまずくは『けつまげる』と言います。

☆つねくる→つねる
 この『つねくる』は、単純に、『つねる』と言う意味です。
この辺りでは、『ひねくる』とも言います。

☆*つばえる→騒ぐ 騒動する
 この『つばえる』は、『さわぐ』とか『騒動する』と言う意味ですが、ただ騒ぐと言うより、じゃれあって騒動すると言うイメージです。
この辺りでは、好き放題にしてはいけないと言うことも、『つばえるな』と言います。
同じような意味の言葉に、『ほたえる』があります。

☆*つばける→ふやかす 浸す
 この『つばける』は、単純に、『ふやかす』とか、『浸す』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『ほとびかす』があります。
ちなみに、乾くは『はしらぐ』と言います。

☆*つべ→肛門
 この『つべ』は、単純に、『肛門』と言う意味です。
ちなみに、トイレのことは『せんち』と言います。

☆つべくる→腹を立てる すねる
 この『つべくる』は、単純に、『腹を立てる』とか、『すねる』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『びんつる』があります。

☆*つましい人→節約家
 この『つましい人』は、直訳すると『節約家』と言う意味ですが、応用範囲は広くて、良い意味では節約家、悪い意味では欲張り、けちの意味でも使います。
この辺りでは、欲張りの人を『にぎり』とも言います。

☆*つむ→窮屈な
 この『つむ』は、洋服などが『窮屈な』ことや、車の中が狭くて窮屈な状態を言いますが、車などに人を乗せていくことも『人をつむ」とか、『人をつんで』などのように使います。

☆つんのめる→つまずいて転ぶ
 この『つんのめる』は、何かにつまずいて『前向きに転ぶ』ことです。
同じような意味の言葉に、『けつまげる』があります。


「て」

☆*でかした→良かった
 この『でかした』は、『良かった』と言う意味ですが、『やったね』と言うイメージの言葉です。
例文→孫の子が、希望しちょった大学に通ったとね。そりゃ、でかしたねえ。
解説→お孫さんが、希望の大学に合格したんだってね。それは、良かったですね。

☆*てがう→からかう
 この『てがう』は、単純に『からかう』と言う意味です。
この辺りでは、冗談で小さい子どもをからかうことも、『てがう』と言います。
同じような意味の言葉に、『いやがらす』があります。
例文→そんなことを言うて、もう、そんげするほどてがうなや。
解説→そんなことを言って、もう、そんなにからかわないでよ。

☆*でがない→長持ちしない
 この『でがない』は、『長持ちしない』と言う意味ですが、使いでがないと言うイメージの言葉です。
ちなみに、長持ちすることは『忘れるばあ』と言います。

☆*てこます→ごまかす だます
 この『てこます』は、単純に、『ごまかす』とか『だます』と言う意味です。
この辺りでは、そのようなことをすることを、『手にあわん』と言います。

☆でしこし→ふくろう
 この『でしこし』は、『ふくろう』と言う意味ですが、『ふるつく』とも言います。
ちなみに、かえるのことは『おんびき』、おたまじゃくしのことは『おこごろ』、もぐらのことは『おごろもち』などと言います。
詳しくは、「むし 生き物」のコーナーをごらんください。

☆*手じと→蒸し物の時のうち水
 この『手じと』は、赤飯を蒸したり、もち米を蒸す時に打つ手水のことです。
この辺りでは、『手じつ』とも言います。
ちなみに、玄関や庭先に打つ水は、『しと』と言います。

☆*手にあわん→どうしようもない 何ともならない
 この『手にあわん』は、『どうしようもない』とか、『何ともならない』と言う意味ですが、悪いことをして何ともならない状態の時に使うことが多いです。

☆手ぬるい→ぐず 不器用
 この『てぬるい』は、『腕が立たない』と言う意味ですが、この辺りだけで使われている言葉かも知れません。
ちなみに、腕が立つことは『腕たち』とか、『やり手』などと言います。

☆手のはら→手のひら
 この『手のはら』は、単純に、『手のひら』と言う意味です。
ちなみに、足の裏は『足のはら』、かかとは『きりぶさ』と言います。
詳しくは、「体の名称」のコーナーをごらんください。

☆*てんくろ→うそ
 この『てんくろ』は、『うそ』と言う意味ですが、うそつきの人のことも『てんくろ』と言います。
同じような意味の言葉に、『ほらふき』があります。

☆*てんご→へりくつ
 この『てんご』は、『へりくつ』と言う意味ですが、この辺りでしか使われていない言葉かも知れません。
へりくつを言うなということは、『てんごのかを言うな』と言います。
同じような言葉に、『ごだ』があります。

☆てん屋→小さな雑貨や
 この『てん屋』は、その村にある『小さな雑貨屋』のことです。
昔は、その雑貨屋が、生活全体の中心で、電話や地区内放送・・・がありました。

☆てんぽな→怖いもの知らず 無鉄砲
 この『てんぽな』は、『怖いもの知らず』とか、『無鉄砲』と言う意味ですが、この辺りでしか使われていない言葉かも知れません。
例文→まだ運転免許を取ったとうじゃけん、車で東京までいくがは、そりゃ、ちいとてんぽなわ。
解説→まだ運転免許を取ったばかりだから、車で東京まで行くのは、それは少し無鉄砲だよ。


「と」

☆どう入った→困りきった
 この『どう入った』は、『困りきった』と言う意味ですが、この辺りだけで使われている言葉かも知れません。
『どう入った』と言うと、心臓が止まるほどびっくりしたとか、あっけに取られたと言うようなイメージです。
同じような意味の言葉に、『だんつんだ』があります。

☆*とうから→早くから
 この『とうから』は、単純に、『はやくから』と言う意味です。
ちなみに、朝遅くなることは『ひだける』と言います。
例文、これほど、朝とうから、どこい行きよらえ。
解説→こんなに、朝早くから、どこへ行ってるの。

☆とうせない→心細い 心配
 この『とうせない』は、『心細い『』とか、『心配』と言う意味ですが、この辺りだけで使われている言葉かも知れません。
ちなみに、安心したは『ずうする』とか、『くつろいだ』と言います。

☆とうし→そぞりかご
 この『とうし』は、底が網状になっている入れ物で、米や、いろいろなものを『そぞる道具』です。
ちなみに、入れ物を上下に振って、ごみを飛ばす道具は『みい』と言います。

☆どうぞりこうぞり→どうにかこうにか
 この『どうぞりこうぞり』は、単純に、『どうにかこうにか』と言う意味です。
この辺りでは、『どうめりこうめり』と言うこともあります。
例文→足がいとうてたまらんけんど、どうぞりこうぞり歩いて来れた。
解説→足が痛くてたまらないけど、どうにか歩いて来ることができた。

☆*とかく→結局 最終的には
 この『とかく』は、『けっきょく』とか、『最終的には』と言う意味ですが、マイナス思考の時に使うことが多い言葉です。
同じような意味の言葉に、『どちみち』があります。
例文→目の手術はしたけんど、とかくは、見えんようになるがじゃけん。
解説→目の手術はしたけど、最終的には、見えなくなるのだから。

☆*とぎ→友だち
 この『とぎ』は、直訳すると『友だち』と言う意味ですが、『この猫は、よいよ、とぎになる。』と言う場合には、猫がいるから、寂しさがまぎれる。』とか、『猫がいるから、退屈しない。』と言う意味になります。
ちなみに、仲良しのことは『ほうばい』と言います。

☆ときときな→その場限り
 この『ときときな』は、単純に、『その場限り』と言う意味です。
例文→あの人は、いつじゃち、ときときなことを言うけん、うのみにしよったら、ばか見るぞ。
解説→あの人は、いつでもその場限りのことを言うから、うのみにしていたら、ばかを見るよ。

☆*とぎる→とがる
 この『とぎる』は、単純に、『とがる』と言う意味です。
ちなみに、すり減ることは『ちびる』と言います。

☆*どしたち→どうしても すごく 大変
 この『どしたち』は、単純に、『どうしても』とか、『すごく』、『大変』と言う意味です。
この辺りでは、『どんげしたち』と言うこともあります。
例文→何回言うたち、子どもらが言うことを聞かんけん、どしたち困るけんねえ。
解説→何回言っても、子どもたちが言うことを聞かないのには、本当に困ってしまう。
例文2→この前、町でおうた人は誰じゃっつろうか、考えよるけんど、どしたち思いだせん。
解説→この前、町で会った人は誰だったろうか。考えているけど、どうしても思い出せない。

☆*どしどし→同じくらい
 この『どしどし』は、『同じくらい』と言う意味ですが、同じくらいの年齢を言う場合が多いです。
同じような意味の言葉に、『どちこちない』があります。

☆とせい→つきっきり かかりっきり
 この『とせい』は、『かかりっきり』とか、『つきっきり』と言う意味ですが、この辺りでは、自分の仕事や、役目のことも『とせい』と言いますし、自立をすることも『とせいをする』などのように言います。

☆*どだい→だいぶん かなり
 この『どだい』は、単純に、『だいぶん』とか、『かなり』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『えっころ』があります。
ちなみに、想像と違い、少なかったり多かったり、良かったり悪かったりする時は、『ぞんがい』と言います。

☆どちこちない→差がない
 この『どちこちない』は、単純に、『差がない』と言う意味です。
ちなみに、差があることは『ちいととようけと違う』とか、『長いと短いばあ違う』のように、逆の言葉をつけて、その違いを表現することも多いです。

☆*どちみち→最終的には どうせ
 この『どちみち』は、単純に、『最終的には』とか、『どうせ』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『とかく』があります。

☆*とっから→とっくに
 この『とっから』は、単純に、『とっくに』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『いっきにから』があります。

☆*どっさり→たくさん
 この『どっさり』は、『たくさん』と言う意味ですが、多くの地方で使われている言葉ではないかと思います。
地域によっては、田んぼ用のくわのことも、『どっさり』と言う所もあります。
同じような意味の言葉に、『べったり』とか、『ざまに』、『こじゃんと』などがあります。

☆とっと→酒
 この『とっと』は、単純に、『酒』と言う意味です。
ちなみに、酒を入れるとっくりのことは『ぽん』と言います。

☆とどろ→山奥
 この『とどろ』は、単純に、『山奥』と言う意味です。
この辺りでは、山の途中途中で、『とうけ』とか、『ひらき』と言う場所があります。
同じような意味の言葉に、『ごんづめ』があります。

☆土べた(どべた)→地べた
 この『土べた』は、単純に、『地べた』のことです。

☆*どめく→騒ぐ
 この『どめく』は、『騒ぐ』と言う意味ですが、複数人が集まって話すことを言います。
例文→夕べは、隣が、えらいどめきよったけん、うるそうて寝れざった。
解説→昨夜は、隣が、とても騒いでいたので、うるさくて寝られなかった。

☆*泥かい→泥水
 この『泥かい』は、『泥水』のことですが、大雨が降って、川の水が濁っているような場合に使います。

☆*とろこい→とろい
 この『とろこい』は、単純に、『とろい』と言う意味です。
この辺りでは、目の前にあるものが、すぐには探せないような場合、その人のことを『目とろ』と言います。

☆*とんきょうな→オーバーな
 この『とんきょうな』は、『オーバーな』と言う意味ですが、ただオーバーなと言うより、びっくりするようなことを言ったり、突然大声を出すことなどを言います。
例文→そんな、とんきょうな声を出すなや、たまげるじゃいか。
解説→そんな大声を出さないでよ、びっくりするじゃないの。

☆とんげす→最上
 この『とんげす』は、単純に、『最上』と言う意味です。
『頭のとんげす』、『山のとんげす』のように言います。
ちなみに、一番最後のことは『げっつ』と言います。

☆*どんな→鈍い とろい
 この『どんな』は、単純に、『鈍い』とか、『とろい』と言う意味です。
この辺りでは、そのようなことを『どんくさい』と言うこともあります。
ちなみに、腕が立つ人のことは『うで立ち』とか、『やり手』と言います。



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