アウリンの幡多弁辞典
さ行


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 さ 
 し 
 す 
 せ 
 そ 

「さ」

☆*さいとう→菜切り庖丁
 この『さいとう』は、『菜切り庖丁』と言う意味ですが、刃の先が真っ直ぐで、刃の形は長方形です。
大きな釜で飯を炊くと、その後におこげがつき、それを『さいとう』デこそぎとって食べました。
塩と砂糖を少し振ると、おかずがいらないほどおいしいです。
おやつの乏しい時代、それはそれは、ありがたいおやつの1つでした。
ちなみに、この辺りでは、料理することは『じょうる』と言います。

☆*さかし→さかさま
 この『さかし』は、『さかさま』と言う意味ですが、傾けすぎてはいけないと言うことなども、『それほど、さかしにしてはいかん。』と言います。
ちなみに、この辺りでは、さかさまになることは『さかつべをこく』と言うこともあります。

☆さかもげ→さかむけ
 この『さかもげ』は、手や足のつめの下が剥げたことを、『さかもげができた』と言います。

☆*さがれる→散らかる
 この『さがれる』は、『散らかる』と言う意味ですが、大勢いた人が、マット散らかったとか風が吹いて散らかってしまったと言う意味ではなくて、掃除をしていなくて、物が散らかっているような状態を言います。
例文→あそこの家の嫁さんは、掃除が嫌いかしらん、家の中は、いつじゃちさがれちょる。
解説→あそこのお嫁さんは、掃除が嫌いなのか、家の中は、いっつも散らかってる。

☆さき→ところ 時点
 この『さき』は、『○○の時点で』と言うような意味ですが、他の言葉と合わせて使います。
例文→太い話をしよるが、分かったさきのことかよ。
解説→大きな話をしているけど、分かった時点でのことなの。

☆*さし板→もみ倉
 この『さし板』は、『もみを入れておく蔵』のことですが、たて一尺、横一軒ほどの板を、何枚も短い方を縦にした戸がついているものです。
大きさは、その家の米作の規模によって異なります。

☆*さだち→にわか雨
 この『さだち』は、単純に、『にわか雨』と言う意味です。
この辺りでは、夏になると、どれだけ天気が良くても、昼を過ぎると、この『さだち』が来ることが多くて、干し広げているい草を慌てて取り込んだことでした。

☆*ざった→なかった
 この『ざった』は、『○○なかった』と言う意味ですが、他の言葉と合わせて使います。
知らなかったは『知らざった』、行かなかったは『行かざった』、来なかったは『来ざった』のように使います。
例文→昼まで待ったけんど、とうとう来ざった。
解説→昼まで待ったけど、とうとう来なかった。

☆ざっとけっこう→いいかげん
 この『ざっとけっこう』は、『いいかげん』という意味ですが、ざっとと、けっこうを合わせることで、そのいいかげんさを強調しています。
ざっとだけでも、いいかげんと言う意味でも使えますが、けっこうがつくと、『いいかげんで上等』と言う意味合いになります。
例文→あの人は、何をしたち、ざっとけっこうな人じゃけん、ちゃんとしたこたあ、何ちゃ頼めらあせん。
解説→あの人は、何をしてもいいかげんな人だから、きちんとしたことは何も頼めない。

☆*さどい→すばやい すばしっこい
 この『さどい』は、『素早い』とか、『すばしっこい』と言う意味ですが、要領が良いことなどにも使います。
例文→あの犬は、逃げるががさどいけん、なかなか、ようつかまえん。
解説→あの犬は、逃げ足が素早いから、なかなかつかまえられない。

☆*さはい→指示
 この『さはい』は、多くの地方で使われていると思いますが、『指示』や、『命令』と言う意味です。
『采配を振るう』から来ているのではないかと言う人もいますが、正確には分からないです。

☆さびる→ふるい落とす
 この『さびる』は、物がさびつくことにも使いますが、底が網状になっている丸い入れ物で、『米や麦などをふるい落とすこと』を言います。
この辺りでは、『さべる』とも言います。

☆*さほう→あちこち
 この『さほう』は、『あちこち』とか、『いろいろなところ』と言う意味です。
この辺りでは、体のあちこちが痛いことを『五体のさほうが痛い』と言いますし、いろいろな所に行かなければならないことは、『さほうへ行かなあいかん』などのように言います。

☆*ざまに→たくさん とっても
 この『ざまに』は、単純に、『たくさん』とか、『とっても』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『べったり』とか、『こじゃんと』があります。
例文→菓子は、ざまにこうて来たけんど、他にも何か構えなあいかんねえ。
解説→お菓子は、たくさん買って来たけど、他にも何か準備しないとだめだよね。

☆さようですか→そうですか
 この『さようですか』は、単純に、『そうですか』と言う意味です。
多くの地方で使われている言葉だと思いますが、この辺りでは、あまり使われていなくて、東の方の言葉ではないかと思います。

☆*さらばえる→さらえる
 この『さらばえる』は、『さらえる』と言う意味で使いますが、その場から全て取り除くと言う意味合いが強い言葉です。
例文→まあ、この子見よ。あればああったおかず、ぴったりさらばえて食べしもうた。
解説→まあ、この子見て。あれだけあったおかず、全部さらえて食べてしまった。

☆*3が1→3分の1
 この『3が1』は、単純に、『3分の1』と言う意味です。
ちなみに、2分の1は、『2か1』、4分の1は『4か1(しかいち)』と言います。
この辺りでは、10になったことを、『ちょうにたった』と言います。

☆*ざんじ→急いで すぐ たちまち
 この『ざんじ』は、高知県全域で使われている言葉ではないかと思いますが、『急いで』とか、『すぐに』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『へんしも』があります。
例文→そんなことじゃったら、ざんじ行てこんと大ごとになる。
解説→そんなことだったら、急いで行かないと大変なことになる。
例文2→おじいさんも入院したけん、ざんじ良うならあえ。
解説→おじいさんも入院したから、すぐに良くなるわよ。

☆さんち→斜め
 この『さんち』は、この辺りだけで使われている言葉かも知れませんが、単純に、『斜め』と言う意味です。
ちなみに、真っ直ぐは『すぐい』と言います。

☆さんだかす→さし出す 手渡す
 この『さんだかす』は、さし出すがなまったものではないかと思いますが、さし出すより幅が狭くて、『手渡しをする』と言う意味合いが強い言葉です。
例文→高い所からじゃと届かんけん、下からさんだかしてやれや。
解説→高い所からだと届かないから、下からさし出してあげなさいや。

☆さんだん→話し合い
 この『さんだん』は、『話し合い』と言う意味で使いますが、1つの話題に対して、とことん話し合うような状態の時に使うことが多いです。
この辺りでは、その人に対して『ように、さんだんしちみよや。』と言うと、『よく考えてみなさい』と言う意味でも使います。

☆*さんよう→計算
 この『さんよう』は、『計算』と言う意味ですが、自分の腹積もりに合わないことも、『さんように合わん』などとも言います。
ちなみに、給料のことは『かんじょう』と言います。


「し」

☆*しかう→セットする 組み立てる
 この『しかう』は、『セット』したり、『組み立てる』と言う意味です。
例文→昨日、こうて来た棚を、はようしこうちゃれや。
解説→昨日、買ってきた棚を、早く組み立ててあげなさいや。

☆*しかむ→むすっとする
 この『しかむ』は、『むすっとする』と言う意味で使うことが多いですが、病気などで具合が悪い時にも、『しかむ』と言ったりします。
この辺りでは、天気がすっきりしないことも、『しかんだ天気じゃねえ』とも言います。

☆*じきに→すぐに
 この『じきに』は、単純に、『すぐに』と言う意味です。
同じような言葉に、上の『ざんじ』もあります。
ちなみに、急いでは『へんしも』と言います。
例文→さばをこうて来たがじゃったら、へんしもりょうっちょかざったら、じきに腐るけん。
解説→さばを買って来たのだったら、急いで料理しないと、すぐに腐るから。

☆しこたま→たくさん たっぷり
 この『しこたま』は、単純に、『たくさん』とか、『たっぷり』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『ざまに』とか、『べったり』があります。
ちなみに、わずかは『ぴっと』、『ちいと』、「ちょびっと』などと言います。

☆しこる→
 この『しこる』は、単独で使うことはなくて、他の言葉の後につけて使います。
前の言葉の意味を強調したい場合などに『○○しこりよる』のように合わせて使います。
例文→年の暮れが来たけん、ガラスを磨きしこりよる。
解説→年の暮れが来たから、ガラスを丁寧に磨いている。

☆*しぎょい→間隔が狭い 立て続け
 この『しぎょい』は、『間隔が狭い』とか、『間をおかず』と言う意味です。
例文→この花の植え方は、ちいと、しぎょいがじゃないろうか。
解説→この花の植え方は、少し間隔がせまそうね。
例文2→昨日買い物に行たばっかりじゃけん、明日行くがは、ちいと、しぎょいぜ。
解説→昨日、買い物に行ったばかりだから、明日行くのは、少し早すぎるよ。

☆*しゃくせん→かめ虫
 この『しゃくせん』は、単純に、『かめ虫』と言う意味です。
かめ虫は、虫の体に当ったり、洗濯物などに、その虫が止まっていたものなら、もう、かめ虫臭くてたまらなくなります。
昔は、借金のことも『しゃくせん(借銭)』と言いました。
同じ『しゃくせん』でも、えらい違いです。

☆しこたま→たくさん たっぷり
 この『しこたま』は、単純に、『たっぷり』とか、『たくさん』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『こじゃんと』とか、『どっさり』があります。
例文→おっと、いちごをしこたまつんで来たねえ。
解説→おっと、いちごをたくさんつんで来たね。

☆*しさる→後にさがる
 この『しさる』は、『後にさがる』と言う意味ですが、地域によっては、『しぞる』と言う所もあります。
例文→車を出すけん、当らんように、しさっちょけよ。
解説→車を出すから、当らないように、後ろに下がっておきなさいよ。

☆*しじましい→すっきりしない いらいらする
 この『しじましい』は、『気持ちがすっきりしないこと全般』を言いますが、この辺りでは、しつこいことやうるさいことも『しじましい』と言います。
また、そのような人のことを『しじましい人』と言います。
同じような意味の言葉に、『あつかましい』があります。
この『あつかましい』は、ずうずうしいと言う意味ではなくて、『気持ちがすっきりしない』とか、『もやもやする』と言う意味で使います。

☆*しずえ→日陰
 この『しずえ』は、草や木が茂り、『日陰になっている所』のことです。
この辺りでは、そのような場所を、『ひみず』とも言います。
また、『しずえ』ができることを、『しずえる』と言います。

☆*下なぎ→山の手入れ
 この『下なぎ』は、山に植えている木が育つように、雑木を切ったり、かずらを取り除いたりして、『日当たりを良くすること』です。

☆*じちに→まじめに きちんと
 この『じちに』は、単純に、『真面目に』とか、『きちんと』と言う意味です。
ちなみに、いいかげんは『のさな』とか、『だきな』と言います。

☆*実演→歌謡ショー コンサート
 この『実演』は、方言と言うより、そのままを言った言葉ではないかと思います。
ちなみに、映画は『活動写真』と言います。

☆*しつけ→田植え
 この『しつけ』は、田植え全般(耕作 苗取り 田植え)を言います。
ちなみに、稲刈りは『あき』、耕作は『代かき』と言います。
詳しくは、「野良仕事」のコーナーをごらんください。

☆*しでる→叱る
  この『しでる』は、叱るというより、『いじめに近い叱り方』を言います。
例文→奥の子は、何ぞわりいことをしたかしらん、おやじに、えらいしでられよった。
解説→奥の子は、何か悪いことをしたのか、お父さんに、すごく叱られていた。

☆*じとじと→じめじめ
この『じとじと』は、単純に、『じめじめ』と言う意味ですが、雨が続いて、じめじめするということだけではなくて、はっきりしない性格などにも使います。
ちなみに、物が乾燥することは『はしらぐ』と言います。

☆しなす→真っ直ぐにする
 この『しなす』は、単純に、曲がっている物を『真っ直ぐにする』ことです。
ちなみに、真っ直ぐなことは『すぐい』と言います。

☆*しのべる→片づける
 この『しのべる』は、『片づける』と言う意味ですが、とりあえず片づけておくと言うのではなくて、きちんとしまっておくと言うイメージです。
同じような意味の言葉に、『くるめる』があります。
ちなみに、しのべているものを探すことは、『たんねる』と言います。

☆*しまい→大変 大ごと
 この『しまい』は、終りと言う意味ではなくて、『大変』とか、『大ごと』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『安カラン』、『ええこたあない』があります。
例文→そんな、人をばかにしたようなことを言いよったらしまいぜ。
解説→そんな、人をばかにしたようなことを言っていたら大変だよ。

☆じゃけんな→乱暴な
 この『じゃけんな』は、この辺りで使われている言葉だと思いますが、『らんぼうな』とか、『荒っぽい』と言う意味です。
ちなみに、おんこうな性格は『またい』と言います。
例文→あのおじいさんは、いつじゃち、じゃけんなことばっかり言うけん、よいよ何ともならん。
解説→あのおじいさんは、いつでも、乱暴なことばっかり言うから、本当に何ともならない。

☆*しゃける→叫ぶ 大声を出す
 この『しゃける』は、単純に『、叫ぶ』とか、『大声を出す』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『おらぶ』があります。

☆しゃしゃり→目立ちたがりや おせっかいやき
 この『しゃしゃり』は、『目立ちたがりや』とか、『おせっかいやき』と言う意味で使うことが多いです。
良い方に言えば、積極的、悪く言えば、ただの目立ちたがりや、おせっかいやきと言う意味合いで使います。
ちなみに、消極的は『くぼい』と言います。
例文→何にでも口を出して来て、あのしゃしゃりには、本当にまいるけんねえ。
解説→何にでも口を出して来て、あのおせっかいやきには、本当に困ってしまう。

☆じゃぼ→酢みかん
 この『じゃぼ』は、『酢みかん』のことですが、ゆずやかぼすのように、小ぶりのみかんではなくて、リンゴサイズのみかんです。
この辺りでは、『なおしち』や、『ゆうこ』と言う酢みかんもあります。

☆しゃれ→
 この『しゃれ』は、単独で使うことはなくて、いろいろな言葉の後につける丁寧語の1つです。
『○○しゃれ』は、年上の人に使うことが多い言葉です。
椅子に座れは『かけっしゃれ』、家に上がれは「上がらしゃれ』、行けは『行かっしゃれ』のように使います。
同じ意味の丁寧語に、『○○おせ』と言う言葉もあり、聞いてきてくれは『聞いてきとおせ』、買ってきてくれは『こうてきとおせ』、見てくれは『見とおせ』と言います。

☆*しゃえん→野菜
 この『しゃえん』は、単純に、『野菜』と言う意味ですが、多くの地方で使われている言葉ではないかと思います。
ちなみに、かぼちゃは『ぼぶら』、きのこは『なば』、ばれんは『しゃが』と言います。

☆しゃしゃら→くっつき虫
 この『しゃしゃら』は、山に行くと、『着ている物にくっつく種子のようなもの』のことです。
この辺りでは、『ぬすっと』とも言います。

☆しゃちこち→わざわざ どうしても
 この『しゃちこち』は、『わざわざ』とか、『どうしても』と言う意味ですが、言ったことに対して、良い意味でも悪い意味でも逆らったり、強引に推し進める意味合いがある言葉です。
この辺りでは、良い意味で使うことが多い言葉の1つで、『しゃって』とか『しゃっち』とも言います。
例文→遅うなるけん、いななあいかん言いよるに、しゃちこち飯を食べて行け言うけん、ごっちょになってもんた。
解説→遅くなるから、帰るといったのだけど、どうしても飯を食べて行けと言うから、ご馳走になって帰って来た。
例文2→お礼はいらん言うに、しゃちこち持って来る言うけん、よいよ困るよ。
解説→お礼はいらないと言ったのに、わざわざ持って来ると言うから、本当に困るなあ。

☆しゃしゃら孫→玄孫
 この『しゃしゃら孫』は、単純に、『玄孫』と言う意味です。
ちなみに、この辺りでは、曽祖父は『ひゅうじい』、曾祖母は『ひゅうばあ』と言います。

☆しょうもく→メインの材料
 この『しょうもく』は、『料理の主になっている材料』のことです。
すき焼きでは、肉に当ります。
例文→そんげするほど、しょうもくばっかり食べたらいくかえ、他の者が食うもんがないなるじゃいか。
解説→そんなに、肉ばっかり食べていたら、他の人の食べるものがなくなるじゃないの。

☆*しょうしな→恥ずかしい
 この『しょうしな』は、『恥ずかしい』と言う意味ですが、この辺りを代表する方言の1つです。
同じような意味の言葉に、『めんどうな』があります。
この『めんどうな』は、めんどうくさいと言うのではなくて、『恥ずかしい』の意味で使います。
例文→今時、そんなことを言いよったらしょうしなぜ。
解説→今時、そんなことを言っていたら恥ずかしいよ。

☆*しょうこともない→どうしようもない 何ともならない
 この『しょうこともない』は、『どうしようもない』とか、『何ともならない』と言う意味ですが、この言葉も広く使われています。
例文→隣の若士、仕事に遅れそうになった言うて、きようて行きよったら、前の車が急に止まって突き当たったつぜ。ほんまに、しょうこともないことよねえ。
解説→隣の若士が、仕事に遅れそうになったと言って、急いで行っていたら、前の車が急に止まって追突したんだってよ。本当に、どうしようもないよね。

☆*しょっちゅう→いっつも
 この『しょっちゅう』は、『いっつも』と言う意味ですが、多くの地方で使われているのではないかと思います。
同じような意味の言葉に、『ぎっちり』があります。
例文→家の掃除をさせられるこたあ、一緒になってから、しょっちゅうじゃけん。
解説→家の掃除させられるのは、結婚してからいっつもだから。

☆しょのむ→うらやましがる
 この『しょのむ』は、『うらやましがる』と言う意味ですが、この辺りでしか使われていないかも知れません。
例文→下のおんちゃん、同い年の知り合いが、今度家を新築する言うて、えらい、しょのみよった。
解説→下のおじさん、同級生の知り合いが、今度家を新築するということで、すごく、うらやましがっていた。

☆*しょうだち→成長 発育
 この『しょうだち』は、子どもの『成長』とか、『発育』と言う意味です。
高知県では、男の子が生まれると、たんごの節句には、こいのぼりはもちろん、五月人形、のぼり、それに、畳何畳もあるような『フラフ』という祝旗を上げます。

☆しょぼくれる→しょぼしょぼする しょんぼりする
 この『しょぼくれる』は、目が『しょぼしょぼする』時などにも使いますが、気持ちが落ち込んでいる時にも使います。
ちなみに、困りきることは『だんがつむ』とか、『もうばいかねる』、『ぞうもつう』などと言います。
例文→この犬は、人のんくの物をくわえてくるけん、家の人に怒られたかしらん、しょぼくれてもんてきた。
解説→この犬は、人の家の物をくわえて来るから、家の人に怒られたのか、しょんぼりして帰って来た。

☆*しゃべ→格好つける おしゃれ
 この『しゃべ』は、おしゃれをすると言う意味でも使いますが、『格好つけていい気になって』というような場合にも使います。
『あの、しゃべ見よ。』と言う場合は、格好つけて・・・・と、その人をなじるような意味合いになります。
同じような意味の言葉に、『えせな』があります。
例文→普段に、そんなもん着いて、しゃべつもんよねえ。
解説→普段に、そんなものを着て、格好つけて。

☆*しもうた→しまった
 この『しもうた』は、単純に、『しまった』と言う意味です。
この辺りでは、『ちゃんとしもうた、○○』のように使うこともあります。
同じような意味の言葉に、『ばったりいた』があります。
例文→ちゃんと、しもうた。せっかく買い物に行っちょったに、豆腐をこうて来るがを忘れちょった。
解説→あぁ、しまった。せっかく買い物に行って来たのに、豆腐を買ってくるのを忘れていた。

☆しゃしゃらもない→
 この『しゃしゃらもない』は、この言葉のもつ意味はよく分かりませんが、単独で使うことはなくて、他の言葉の後につけて使います。
例文→この煮物は、味もしゃしゃらもない。
解説→この煮物は、味も何にもない。
 同じように、後に意味の分からない言葉をつけて、前の言葉を強調する言い方に、『間にもへちまにもあわん(全く間にあまない)』、『行くじゃすっぺったじゃ言うたち(行くじゃどうこう言ったって)』などがあります。

☆*しゃんしゃん→早く 急いで
 この『しゃんしゃん』は、単純に、『早く』とか、『急いで』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『へんしも』とか、『ざんじ』があります。
ちなみに、遅いは『しんきな』と言います。
この『しんきな』は、遅いと言う意味の他に、『たいくつ』と言う意味でも使います。
例文→もうちっと、しゃんしゃん食べんか。
解説→もう少し、急いで食べなさい。

☆*しょうたれる→みすぼらしい 弱々しい
 この『しょうたれる』は、きちんとしていないこと全般に使う言葉の1つです。
同じような意味の言葉に、『えんだれる』があります。
『しょうたれちょる』→みすぼらしい
『今日の日よりは、よいよ、しょうたれちょるねえ。』→今日のお天気は、曇りきってるね。
『何ぞ。そのしょうたれた風は。』→何なの。そのみすぼらしい格好は。・・・のように使います。

☆*しょうこともない→どうしようもない 何ともならない
この『しょうこともない』は、単純に、『どうしようもない』とか、『何ともならない』と言う意味です。
例文→毎日ひにち、仕事もせんと遊びよっても何ともならんぞ。ほんまに、しょうこともない。
解説→毎日まいにち、仕事もしないで遊んでいても何ともならないでしょ。本当に、どうしようもないのだから。

☆*しょたい→炊事
この『しょたい』は、単純に、『炊事』と言う意味です。
ちなみに、この辺りでは、魚などを料理することを『じょうる』と言います。
また、炊事場のことは、『釜屋』と言います。

☆*じゅうがわりい→すっきりしない 着心地が悪い
 このじゅうがわりい』は、『着心地が悪い』とか、『使い勝手が悪い』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『ぐつがわりい』があります。
この『ぐつがわりい』は、『都合が悪い』の意味もあります。
例文→この服は、ちいとこまいかしらん、じゅうがわりいていかん。
解説→この服は、少し小さいのか、着心地が悪くていけない。

☆*しよき→干物
 この『しおき』は、『塩をして干した魚(干物)』を言います。
ちなみに、生のものは、『無塩(ぶえん)』と言います。

☆*祝言→結婚式
 この『祝言』は、、『結婚式』と言う意味ですが、多くの地方で使われている言葉だと思います。
ちなみに、結納は『なまぐさ』と言います。

☆しょしゃ→動作 しぐさ
 この『しょしゃ』は、単純に、『動作』とか、『しぐさ』と言う意味です。
例文→あの子の踊りは、なかなか、しょしゃがええよ。
解説→あの子の踊りは、なかなか、動きがいいなあ。

☆しょうどちする→しようとする
 この『しょうどちする』は、『しようとしている』と言う意味ですが、しょうどちの『どち』は、いろいろな言葉の後につけて使います。
『行こうどちする』→行こうとしている。
『買おうどちする』→買おうとしている。
『食べろうどちする』→食べろうとしている。・・・などのように使います。

☆じょうり→ぞうり
 この『じょうり』は、単純に『ぞうり』と言う意味です。
ちなみに、こどもには『じょんじょ』と言います。

☆性分→正確
この『性分』は、単純に、『性格』と言う意味です。
この辺りでは、場合によっては『しょうね』と言うこともあります。

☆尻はね→泥はね
 この『尻はね』は、雨の日や、道がぬれている時に、『ズボンなどに着く泥はね』のことです。
ちなみに、大雨で置いているものなどに泥よごれがつくことは、『たたきが上がる』と言います。

☆*しれたもん→大したことではない 簡単
 この『しれたもん』は、『大したことはない』と言う意味ですが、物事全体に使う言葉で、金銭的にも、身体的、精神的・・・何にでも仕える言葉の1つです。
例文→冷蔵庫が5万円で買えらあ、知れたもんよ、困っちまあるこたああるかい。
解説→冷蔵庫が5万円で買えるのなら、大したことはないじゃない、困ることはないよ。
例文2→そればあな仕事したち、こたうかい。知れたもんじゃに。
解説→それくらいの仕事したって、疲れるほどのことではない。たいしたことではないから。

☆*じるい→ぬかるんでいる
 この『じるい』は、単純に、『ぬかるんでいる』と言う意味です。
ちなみに、ぬかるみは『びちゃ』と言います。

☆*代かき→耕作
 この『代かき』は、『田んぼを耕して、田植えができる状態にすること』を言います。
ちなみに、田植えは『しつけ』、稲刈りは『あき』と言います。

☆*しわい→しつこい
 この『しわい』は、『しつこい』と言う意味ですが、味などがしつこいというのとは意味合いが違い、性格や行動を言います。
例文→この子は、何回言うたち言うことを聞かん。ほんまに、しわいががちがう。
解説→この子は、何回言っても言うことを聞かない。本当に、しつこいんだから。

☆*しわる→曲がる 下がる
 この『しわる』は、『曲がる』とか、『下がる』と言う意味ですが、がっくり曲がったり、下がることを言うのではなくて、物の重さに耐えかねて、少しずつ曲がったり下がったりすることを言います。
ちなみに、真っ直ぐは『すぐい』と言います。

☆*しんきな→遅い 退屈
 この『しんきな』は、『動作が遅い』とか、『することがなくて退屈』と言う意味です。
ちなみに、せっかちは『いられ』、急いでは『へんしも』と言います。


「す」

☆*好いてのこと→自業自得
 この『好いてのこと』は、単純に、『自業自得』と言う意味です。
例文→この冷やい時に、わざに、雪山に登っち死なんでもねえ。まあ、好いてのことじゃけんしょんないわねえ。
解説→この寒い時に、わざわざ、雪山に上って死ななくてもねえ。まあ、自業自得だから仕方がないけど。

☆ずうする→安心する くつろぐ
 この『ずうする』は、『安心する』とか、『くつろぐ』と言う意味ですが、物事が解決したり、用事がない時に使う言葉です。
例文→今日は、孫の子らもおらんけん、ずうしてテレビ見よるかい。
解説→今日は孫たちもいないから、くつろいでテレビ見ているかい。

☆ずうな→いいかげんな きままな
 この『ずうな』は、『いいかげんな』とか、『気ままな』と言う意味ですが、どちらかと言えば、いいかげんのイメージが強いです。
例文→こんな、ずうなことをしたちいくかい。じきに、くさるに。
解説→こんな、いいかげんなことをしてもだめだよ。すぐに、腐ってしまうから。

☆すかたん→かすかす
 この『すかたん』は、『かすかす』とか、『すかすか』と言う意味ですが、頭の悪い人のことも、『あの人は、すかたん頭じゃけん。』などと、人をあざ笑うような使い方をする場合もあります。
ちなみに、この辺りでは、中身がかすかすの物や、ぱさぱさになっているような物を食べた時の食感は、『ほた木(枯れ木』を食べよるみたいな。』などと言います。

☆*すけ→子守バンド
 この『すけ』は、単純に『子守バンド』と言う意味です。
ちなみに、ママコートのことは『おいがけ」、とか、『子守ばんてん』と言います。

☆*すけ口→泣き顔
 この『すけ口』は、泣き顔というより、『泣く前の口の格好』のことです。
ちなみに、この辺りでは、泣き出したことを、『歌い始めた』とも言います。

☆*すぐい→真っ直ぐ
 この『すぐい』は、単純に、『真っ直ぐ』と言う意味です。
ちなみに、斜めは『さんち』、でこぼこは『だくそく』と言います。

☆すっこべ→すかしべ
 この『すっこべ』は、『音のしないおなら』と言う意味です。
ちなみに、肛門は『つべ』と言います。

☆酢ころし→寿司のだし
 この『酢ころし』は、さばやあじを焼いて、寿司酢と混ぜてだしにしたものです。
ちなみに、散らし寿司は『もぶり』とか、『ばら寿司』と言います。

☆すさ切り→はみ切り
 この『すさ切り』は、家畜のはみにする『草や、藁を切ったりする道具』のことです。
ちなみに、家畜小屋は、『牛だや』とか、『馬だや』と言います。

☆*ずずくり→太っている
 この『ずずくり』は、『丸さが大きくて、丈が短い状態』を言います。
例文→あそこのおんちゃんは、ざまに、ずずくってきたけんど、成人病にならあせんろうかねえ。
解説→あそこのおじさんは、とても太ってきたけど、生活習慣病にならないだろうかねえ。

☆ずだかた→ぼこぼこ 不ぞろい
 この『ずだかた』は、この辺りだけで使われている言葉ではないかと思いますが、『ぼこぼこしていて、高低がある状態』を言います。
同じような意味の言葉に、『だくそく』があります。

☆*すったもんだ→試行錯誤
 この『すったもんだ』は、多くの地方で使われていますが、この辺りでは、『ああでもない こうでもない』・・・の、『試行錯誤』の意味で使います。
例文→近所付き合いのことでは、すったもんだしたけんど、ようかい、けりがついた。
解説→近所付き合いのことでは、試行錯誤したけど、やっと、けりがついた。

☆*ずつない→悲しい つらい
 この『ずつない』は、『悲しい』とか、『つらい』と言う意味の言葉で、気持ちを表す言葉の1つです。
同じような意味の言葉に、『のせん(たまらない)』があります。
例文→長いこと飼いよった猫が死んで、毎日、ずつのうてたまらん。
解説→長い間飼っていた猫が死んで、毎日、悲しくてたまらない。

☆*すっと→すぐに 早く
 この『すっと』は、単純に、『すぐに』とか、『早くできる』と言う意味です。
ちなみに、なかなかとか、思いの他は『ぞんがい』と言います。

☆すっぺった→どうこう
 この『すっぺった』は、単独で使うことはなくて、他の言葉の後につけ、前の言葉の意味を強調するために使うことが多い言葉の1つです。
例文→買い物に行くじゃすっぺったじゃ言うたち、車がないけん、何ともならんろうがや。
解説→買い物に行くやどうこう言っても、車がないから、何ともならないでしょ。

☆*すべ→方法
 この『すべ』は、ものの丸さ(直径)の意味もありますが、この辺りでは、『やり方』とか、『方法』ノ意味で使うことが多いです。
例文→ほんまに、困ったもんよねえ。魚を、おろすすべも知らんとは。
解説→本当に、困ったことよね。魚を、おろす方法も知らないなんて。

☆すぼ→わら包み
 この『すぼ』は、さつまいもなどを貯蔵しておくために、わらで編んだ傘上の覆いです。
この覆いを、何段も重ねて使います。
ちなみに、わらで編んだ入れ物は『ふご』、わらで編んだ敷物は『みしろ』と言います。
また、かやで編んだ炭俵は『だす』と言います。

☆*すむ→もぐる
 この『すむ』は、多くの地方で使われている言葉ではないかと思いますが、この辺りでも、『水にもぐること』を『すむ』と言います。
例文→この大きな貝は、隣の兄さんが、海にすんで取って来たがじゃけん、新しゅうてうまいぜ。
解説→この貝は、隣のお兄さんが、海にもぐって取って来たのだから、新鮮でおいしいよ。

☆*ずぼら→怠け者 いいかげん
 この『ずぼら』は、単純に、『怠け者』とか、『いいかげん』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『ずう』があります。

☆*ずほる→下がる ずり落ちる
 この『ずぼる』は、ズボンやスカートなど、着ている物が『下にずり落ちたり』、『持っている物が、ずり落ちること』などを言います。

☆*すま→すみ
 この『すま』は、部屋の『すみ』や、いろいろな場所のすみのことです。
ちなみに、この辺りでは、恥ずかしがりやの子どものことを『すま猫』と言います。

☆*ずむ→うつぶせになる
 この『ずむ』は、単純に『うつむせになる』と言う意味です。
ちなみに、仰向けになるは『のけたになる』と言います。
例文→背中に薬をつけなあいかんけん、はよう、そこにずんだや。
解説→背中に薬をつけないといけないから、早く、そこにうつむせになりなさい。

☆ずら→裸
 この『ずら』は、『裸』と言う意味ですが、地域によって若干異なるのではないかと思います。
最近は、『ふりっちん』と言うようですが、これも、地域によって『ふりちん』、『ずらっちん』、『ふらっちん』とさまざまです。

☆すりつ→マッチ
 この『すりつ』は、『マッチ』と言う意味ですが、擦り付けて火をつけると言うことで、単純に、『すりつ』と言うのではないかと思います。
ちなみに、ライターのことは『火打ち石』と言います。

☆*ずるつかす→大音量を出す 騒ぐ
 この『ずるつかす』は、『大音量で音楽をかけたり』、子どもが『大騒動』ヲすることなどを言います。
この辺りでは、太っている人のことも『ずるついている』と言います。
例文→それほど、ずるつかすなや。やかましいて、のせんけん。
解説→そんなに、大きな音で出さないでよ。うるさくて、どうしようもないから。

☆*ずるうない→やっかい かんたんではない
 この『ずるうない』は、単純に、『やっかいな』とか、『簡単ではない』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『えてがわりい』があります。
例文→この仕事は、時間ばっかりかかって、なかなか、ずるうないけんねえ。
解説→この仕事は、時間ばっかりかかって、なかなか、やっかいだなあ。

☆*すんだ→終わった
この『すんだ』は、単純に、『終わった』と言う意味です。
この辺りでは、終りにしようと言うことは、『しまう』と言います。
この二つの言葉を合わせて使うこともあります。
例文→仕事がすんだけん、もう、しまわんかえ。
解説→仕事が終わったから、もう、終りにしましょうよ。


「せ」

☆*せえらしい→鼻が高い うれしい
 この『せえらしい』は、『鼻が高い』とか、『うれしい』などの気持ちを表した言葉の1つです。
ちなみに、つらい気持ちは『ずつない』ト言います。
例文→うちの子は、勉強が苦手じゃけん、運動会では一番になってくれたら、ちったあ、せえらしいけんどねえ。
解説→うちの子は、勉強が苦手だから、運動会では一番になってくれると、少しは、鼻が高いのだけどなあ。

☆*せく→せき止める
 この『せく』は、気持ちがあせると言う意味でも使いますが、川や溝などを、『せき止める』場合に使います。
ちなみに、開けっぴろげは『おいはなち』とか、『のっぱいさん』と言います。

☆せくる→たぐる
 この『せくる』は、嘔吐すると言う意味でも使いますが、物を『手繰り寄せる』場合に使います。

☆*せこい→ずるい
 この『せこい』は、単純に、『ずるい』と言う意味です。
この辺りでは、『こすい』とも言います。

☆背ころばちを打つ→七転八倒 背転び
 この『せころばち』は、子どもが『背転び』をして、わがままを言う状態を表した言葉です。
この辺りでは、子どもが泣きながらわがままを言うことは『やけをきる』と言います。

☆せせこい→忙しい
 この『せせこい』は、『忙しい』と言う意味ですが、いらいらしてたまらないとか、忙しくてどうしようもないと言う場合には、『せせこましい』と言います。
同じような意味の言葉に、『せわしい』があります。

☆せせら笑う→あざ笑う
 この『せせら笑う』は、相手をばかにして、『あざ笑う』と言う意味です。
ちなみに、ばかにすることは『やしベル』と言います。

☆*せど→家の裏
 この『せど』は、単純に、『家の裏』と言う意味です。
ちなみに、家の表は『きど』と言います。

☆せりこ→ぎゅうづめ
 この『せりこ』は、電車の中が『ぎゅう詰め』になっている場合や、狭いところに満杯になっている状態を言います。
この辺りでは、座る場所が少ない時などに、『せりこして座れ』のように言います。

☆*せわしない→いらいらする ばたばたする
 この『せわしない』は、『忙しい状態』を表す言葉ですが、ただ忙しいのではなくて、忙しくてたまらないと言う意味合いで使います。
普通に、忙しいは『せわしい』と言います。

☆せん→この前
 この『せん』は、単純に、『この前』と言う意味です。
この辺りでは、この前のことを『てまえ』とも言います。
例文→と豊ちゃん、このせんにゃ、高いもんを太いこともろうて、おうきにえ。
解説→豊ちゃん、この前は、高価なものをたくさんいただいて、ありがとう。

☆ぜんぎな→律儀な
 この『ぜんぎな』は、『律儀な』と言う意味ですが、行為を受けたことに対して、すぐにお返しをするような場合にも使います。
同じような意味の言葉に、『ぎだんな』とか、『いちがいな』があります。

☆*せんち→トイレ
 この『せんち』は、『トイレ』と言う意味ですが、多くの地方で使われている言葉ではないかと思います。
ちなみに、小便は『ばす』、屎尿は『だる』、屎尿を入れる桶は『だるたご』と言います。

☆*せんび→せんべい
 この『せんび』は、単純に、『せんべい』と言う意味です。
ちなみに、菓子は『くわし』と言います。


「そ」

☆*ぞうくそがわりい→腹立たしい
 この『ぞうくそがわりい』は、単純に、『腹立たしい』と言う意味です。
ちなみに、腹をたてるは『つべくる』、すねるは『くじくる』と言います。
例文→今日は、パチンコで大負けしたけん、ほんまに、ぞうくそがわりいてたまらん。
解説→今日は、パチンコで大負けしたから、本当に、腹立たしくてたまらない。

☆*そうけ→竹ざる
 この『そうけ』は、『竹で編んだざる』のことですが、米を洗うそうけは『飯ぞうけ』、一っと(十升)分入るそうけは『とぞうけ』と言います。
ちなみに、食器などを洗ってふせたりするざるは『めご』と言います。

☆*ぞうもつう→苦労する 手間がかかる
 この『ぞうもつう』は、『手間がかかる』とか、『苦労する』と言う意味ですが、きたないものが衣服についた場合などにも、『ぞうもつうた』のように使います。
例文→今日は、機械の調子が悪いがに、稲が思うように刈れんで、よいよ、ぞうもつうたけんねえ。
解説→今日は、機械の調子が悪くて、稲が思うように枯れなくて、本当に、手間がかかってしまった。

☆そくたう→添える 補修する
 この『そくたう』は、『補修する』とか、『支えをする』と言う意味合いで使います。

☆*底つべ→少し わずか
 この『底つべ』は、単純に、『少し』とか、『わずか』と言う意味です。
ちなみに、たくさんは『こじゃんと』とか、『べったり』と言います。

☆そっぺら→竹のひごの先
この『そっぺら』は、『竹をひご状にした先』のことです。

☆*そそくり→せっかち
 この『そそくり』は、単純に、『せっかち』と言う意味ですが、この辺りでは、いいかげんなことも『そそくり』と言います。
同じような意味の言葉に、『いられ』があります。

☆そと→その人
 この『そと』は、単純に、『その人』と言う意味です。
ちなみに、この人は『こと』、あの人は『あと』と言います。

☆ぞよくる→騒動する
 この『ぞよくる』は、『騒動する』と言う意味ですが、大騒動すると言うのではなくて、ざわざわすると言うイメージです。
同じような意味の言葉に、『つばえる』があります。

☆*ぞんがい→案外 わりに
 この『ぞんがい』は、『案外』とか、『わりに』と言う意味ですが、想像していたことと異なる場合に使います。
例文→もう長いこと経っちょるけん、臭うなっちょるかも知れん思いよったけんど、ぞんがい、それほどでものうた。
解説→もう長いこと経っているので、臭くてたまらなくなっているだろうなと思っていたけど、それほどでもなかった。

☆*そんげえ→あんまり それほど
 この『そんげえ』は、『あんまり』とか、『それほど』と言う意味で、少ないことを言う場合に使いますが、『そんげするほど』になると、『たくさん』とか、多い方の『それほど』、『そんなに』になります。

☆*ぞんぞん→ぞくぞく
 この『ぞんぞん』は、『ぞくぞく』と言う意味ですが、風邪をひいて寒気がする場合や、怖い思いをした時などに使います。
この辺りでは、怖いものを見た時『じんじんする』とも言います。



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