アウリンの幡多弁辞典
な行


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 な 
 に 
 ぬ 
 ね 
 の 

「な」

☆泣きしめをたれる→なく
 この『泣きしめをたれる』は、『泣く』と言う意味ですが、この辺りでは、泣きながら話をすることも、『泣きしめをたれる』と言います。
ちなみに、泣き虫は『泣きみそ』と言います。

☆*なぐれる→手間がかかる 時間がかかる
 この『なぐれる』は、単純に、『手間がかかる』とか、『時間がかかる』と言う意味です。
この辺りでは、手伝ってもらったりすると、『なくらかしたねえ』と、その労をねぎらう時にも使います。
例文→今日は、ひいとい中手つどうてもろうて、よいよ、なぐらかしたねえ。
解説→今日は、1日なかずっと手伝ってもらって、本当に、時間を取らせてしまって。

☆*なし→なぜ
 この『なし』は、単純に、『なぜ』と言う意味です。
この辺りでは、『なせ』とも言います。
ちなみに、どうしたのは『どんげしたら』と言います。

☆なすくる→すりつける
 この『なすくる』は、単純に、『すりつける』と言う意味です。
この辺りでは、あちこちにすりつけることを、『なすくりつける』と言います。
同じような意味の言葉に、『ぬたくりつける』とか、『つけさがす』などがあります。

☆*なそい→薄い 弱い
 この『なそい』は、単純に、『うすい』とか、『弱い』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『たすこい』とか、『たすい』があります。
ちなみに、性格が穏やかなことは『またい』と言います。

☆なまぐさ→結納
 この『なまぐさ』は、『結納』と言う意味ですが、結納の品から取った言葉ではないかと思います。
ちなみに、結婚式のことは『祝言』と言います。

☆*なば→きのこ
 この『なば』は、『きのこ全体』を言います。

☆*なま→刺身
 この『なま』は、単純に、『刺身』と言う意味です。
この辺りでは、塩をしていないもののことは『無塩(ぶえん)』とも言います。

☆*なやし→融通
 この『なやし』は、単純に、『融通』と言う意味です。
融通が利かず、頑固なことを、『なやしがない』とか、『なやしがきかん』などと言います。
ちなみに、誰にでも、ちゃらちゃらすることは『ちゃらんぽらん』と言います。

☆*ならせ→タオルかけ
 この『ならせ』は、『タオルかけ』のことですが、細い物干し竿で作った物を言います。
この辺りでは、やせてしまった人のことを、『ならせにかけるようになった』と、オーバーな言い方をすることもあります。
ちなみに、洗面器のことは『手水鉢』と言います。

☆*なんぎ→苦労 苦しみ
 この『なんぎ』は、『苦労する』とか、その苦しみを表す言葉の1つで、肉体的な苦労だけではなくて、精神的にも苦しむことも『なんぎな』のように言います。
ちなみに、苦労がないことは『あんきな』とか、『苦ないさん』と言います。

☆何するに→どうして どんな理由で
 この『何するに』は、『どうして』とか、『どんな理由で』と言う意味ですが、『また、どうして・・・。』と言うようなイメージです。
例文→また、なんするに、そんな物をこうて来たがぜ。
解説→また、どうして、そんな物を買って来たの。

☆*何ちゃあ→どういたしまして
 この『何ちゃあ』は、直訳すると、『どういたしまして』と言うような意味合いになりますが、話の内容によって意味が違ってくる言葉の1つです。
『今日は、迷惑かけたね』と言われた後の『何ちゃあ』は、『どういたしまして』と言う意味になりますが、『あそこのおじいさん、かなりわるいとね。』のように聞かれた後の『なんちゃあ』は、『そんなことはないですよ』と言うような意味になります。

☆*何ちゃない→何もない
 この『何ちゃあない』は、単純に、『何もない』と言う意味です。
ちなみに、たっぷりは『しこたま』とか、『おいいもん』と言います。

☆*何ともならん→どうしようもない
 この『何ともならん』は、単純に、『どうしようもない』と言う意味です。
ちなみに、簡単なは『しよい』と言います。

☆*なんぼ→いくら
 この『なんぼ』は、『いくら』と言う意味ですが、この辺りでは、『なんぶ』と言うこともあります。

☆*なんぼし→少し これだけ
 この『なんぼし』は、直訳すると『少ししか』とか、『これだけしか』の意味になりますが、単独で使うことはなくて、『なんぼしない(少ししかない これだけしかない)』、『なんぼし食べん(すこししかたべない)』のように使います。


「に」

☆*にくてばすな→にくい
 この『にくてばすな』は、『にくい』と言う意味ですが、ただ、にくいというのではなくて、にくくてたまらないと言う意味で使うことが多いです。
同じような意味の言葉に、『こんじょがわりい』があります。
例文→あのおじいさんは、にくてばすなことばっかり言うけん、誰っちゃあ相手にしちくれんなった。
解説→あのおじいさんは、にくらしいことばかり言うから、誰も相手にしてくれなくなった。

☆にっき→たんま
 この『にっき』は、子どもの遊びの中での『たんま(タイム)』の意味です。
確か、『にっき』をする時には、じゃんけんの『ちょき』を出すのではなかったかと思います。
ちなみに、びい玉は『びん玉』、めんこは『ぱんこ』と言います。
詳しくは、「遊び」のコーナーをごらんください。

☆*にな→小さな巻貝
 この『にな』は、『小さな巻貝』の意味で使っていますが、その改貝そのものの名前のことなのか、巻貝全体を言うのかは分からないです。

☆*になう→担ぐ
 この『になう』は、『かつぐ』と言う意味ですが、背中に、そのままかつぐのではなくて、縄などで縛ったものや、にない棒にぶら下げてかつぐことを言います。
ちなみに、そのかつぎ棒のことは『おく』とか、『さす』と言います。

☆*におう→辛抱するときの声
 この『におう』は、臭いがすると言うのではなくて、体がしんどい時などに出す『ため息のような声』のことです。
結構使う言葉ですが、説明が難しいです。

☆*にんにん→にやにや
 この『にんにん』は、単純に、『にやにや』と言う意味です。
この辺りでは、にやにやすることを『にんつく』とも言います。


「ぬ」

☆ぬけさく→あほ 間抜け
 この『ぬけさく』は、単純に、『あほ』とか、『間抜け』と言う意味です。
ちなみに、ぼけている人のことは『ぼけさく』と言います。

☆*ぬすっと→どろぼう
 この『ぬすっと』は、『どろぼう』と言う意味ですが、この辺りでは、野良猫のことも『ぬすっと猫』と言います。

☆*ぬたくる→塗りつける
 この『ぬたくる』は、『塗りつける』と言う意味ですが、その辺りに、べたべたと塗りつけることを言います。
地域によっては、『ねたくる』とも言います。

☆*ぬぶ→伸びる
 この『ぬぶ』は、単純に、『伸びる』と言う意味で、『背がぬ部』とか、『ゴムがぬぶ』のように使います。
ちなみに、伸ばすは『ぬべる』と言います。

☆*ぬるい→いいかげん 不器用
 この『ぬるい』は、お湯の温度が低い時などにも使いますが、この辺りでは、『いいかげん』とか、『不器用』の意味でも使います。
単に、仕事が遅いことは『手ぬるい』、この人のすることは『ぬるい』と言うと、この人の仕事は『いいかげん』と言う意味になります。

☆うるつく→ぬるぬるする
 この『ぬるつく』は、単純に、『ぬるぬるする』と言う意味です。
この辺りでは、『ぬるつく(ぬるぬるする)』、『ずるつく(ずるずる騒ぐ)』、じとつく(じとじとする)』のように、くり返して言う言葉を省略して『○○つく』と言うことが多いです。
ちなみに、さらさらするは『さらつく』と言います。

☆ぬわ→庭
 この『ぬわ』は、単純に、『庭』と言う意味ですが、方言と言うより、昔風の言い方ではないかと思います。
そのような言い方をする言葉に、『天ぽら(天ぷら)』『かに(がね)』、鮎(あい)』、・・・など、たくさんあります。


「ね」

☆*ねこ→ねこ車 一輪車
 この『ねこ』は、『荷物を運ぶ一輪車』のことです。
全方に、車が一輪ついていて、両手で前向きのハンドルを持って動かして使います。

☆寝ぜる→腰歩き
 この『寝ぜる』は、直訳すると、寝て歩くと言う意味になりますが、足が使えず、腰を突いてずらしながら歩いたり、横向きで手や腰を使って移動することを言います。

☆寝た泳ぎ→背泳ぎ
 この『寝た泳ぎ』は、単純に『背泳ぎ(背泳)』のことです。
ちなみに、クロールは『男泳ぎ』、飛び込みは『しゅうびんをこぐ』と言います。
詳しくは、「遊び」のコーナーをごらんください。

☆ねたくる→練りつける
 この『ねたくる』は、『練りつける』と言う意味ですが、あちこちに練りつけ回ると言うイメージです。
ちなみに、練りつけたものが硬くなり、こびりつくことを『こがりつく』と言います。

☆ねつい→しぶとい
 この『ねつい』は、単純に、『しぶとい』と言う意味です。
この辺りでは、『くどい』とか、『ねばい』とも言います。

☆*ねぶる→なめる
 この『ねぶる』は、単純に、『なめる』と言う意味です。
ちなみに、飴などを口の中で転がすことは『すばぶる』と言います。

☆寝ぶたい→眠い
 この『寝ぶたい』は、単純に、『眠い』と言う意味です。
この辺りでは、寝とぼけることは『寝たばける』、よく寝る人のことは『寝太郎』と言います。

☆ねん者(ねんしゃ)→きちんとしたことをする人
 この『ねん者』は、一言で説明するのは難しいですが、『丁寧な仕事をする人のこと』や、『心のこもった行いをする人のこと』を言います。
例文→あの人は、念者じゃけん、この毛糸も、きれえに編んで、みごとなもんじゃねえ。
解説→あの人は、丁寧な仕事をする人だから、この毛糸も、きれいに編み上がってみごとなもんだなあ。


「の」

☆*のうがわりい→調子が悪い
 この「のうがわりい」は、『調子がわるい』と言う意味ですが、高知県を代表する方言の1つです。
『のうがわりい』と言うと、頭の脳が悪いように思われますが、この『のうがわりい』は、体の調子がわるいことや、機械や道具・・・・、全てのものの調子が悪いことに使います。
この辺りでは、洋服などの着心地が悪かったり、お金ノやりくりが難しいことなどは、『じゅうがわりい』と言います。

☆のうし→○○ですね ○○ますか
 この『のうし』は、直訳すると、『○○ですね』とか、『○○ますか』と言うような意味になりますが、『行きよるかのうし』、『冷やいのうし』、『食べよるかのうし』のように、他の言葉の一番後につけて使います。
この『のうし』は、目上の人に使う言葉ではないかと思いますが、このような言い方をする人も少なくなりました。

☆*のけぞる→そり返る
 この『のけぞる』は、『そり返る『と言う意味ですが、体をそらすと言う意味の他にも、この辺りでは、驚いた時などにも『のけぞる』とか、『のけぞった』のように言います。

☆*のさな→いいかげんな
 この『のさな』は、単純に、『いいかげんな』と言う意味です。
同じような言葉に、『だきな』があります。
例文→これは売りもんじゃけん、こんげなのさなことで、いくもんかえ。
解説→これは売り物だから、こんないいかげんなことでは、だめだよ。

☆*のしよい→過ごしやすい 楽な
 この『のしよい』は、『過ごしやすい』とか、『楽な』と言う意味ですが、丁度の気温で過ごしやすいとか、体の調子が良くて楽なと言う時などに使います。
ちなみに、『のしよい』の反対で、耐えられないとか、たまらないと言うことは『のせん』と言います。

☆*のけた→仰向け
 この『のけた』は、単純に、『仰向け』と言う意味です。
この辺りでは、真上に向かって仰向けになることは『真んのけたになる』と言います。

☆のだれ→いいかげん
 この『のだれ』は、『いいかげん』とか、『怠け者』と言うような意味ですが、説明するのが難しいです。

☆*のっけから→初めから 頭から
 この『のっけから』は、『初めから』とか、『頭から』と言う意味ですが、方言かどうかは分かりませんが、よく使う言葉です。
同じような意味の言葉に、『はなから』があります。
ちなみに、最後からと言うことは『けつから』と言います。

☆のっぱいさん→あけっぴろげ
 この『のっぱいさん』は、『開けっぴろげ』と言うような意味ですが、広々とした所や、何も置いていない状態を言います。
この辺りでは、広いだけのことは『ざだ広い』と言います。

☆*のぶとい→しぶとい
 この『のぶとい』は、単純に、『しぶとい』と言う意味です。
同じような意味の言葉に、『ねつい』とか、『ねばい』、『しわい』などがあります。

☆のんきい→ふあふあして気持ちが良い
 この『のんきい』は、直訳すると、『ふわふわして気持ちが良い』と言うような意味になりますが、ブランコに乗って、揺られている時の気持ちや、シーソーで、上下する時などの快感を表した言葉です。

☆*のんのさん→お月さん
 この『のんのさん』は、子どもに言う時の言葉の1つで『お月さん』と言う意味ですが、地域によっては、仏さん(仏壇)のことを言う所もあります。
詳しくは、「子ども」のコーナーをごらんください。



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